第64話 テレーゼ
「あら、わたくしを呼びつけておいてあなたは偉そうに玉座に座ってるなんてちょっと失礼でなくて?」
「テレーゼ?」
オウサマの方を振り返ったテレーゼはどこか挑発するように問いかけます。先ほどまでオウサマのお友達だと言われて喜んでいた彼女とは雰囲気が違い、ノンはちょっとだけ戸惑ってしまいました。
「最初は扉の前で待っていたのだが、お前らが遅かったからな。ここで待っていた」
「え? どうして、扉の前?」
「お前の体では開けられないだろう? そりゃあ、出迎えもするさ」
「そ、そぅ……それなら、いいのよ?」
反撃を受けるとは思っていなかったのでしょう。テレーゼはどこか照れたようにそっぽを向いて強がりました。
「それで? ノンくんの家がわからなくてわたくしに頼ったって話でしたが、もう少し詳しい話を聞かせてくださる?」
「ああ、それは――」
「――いえ、お待ちになって!!」
オウサマが話そうとしたところで何故かテレーゼがそれを遮ります。そのままノンの前に移動して右手をかざしました。
「どうせ、この子が【ステータス】を断ったのでしょう! 心優しいあなたは断られたら使えない! だから、時には非情にもなれるわたくしを呼んだ! 代わりに【ステータス】を使ってほしかったから!」
「いや、ちがうが……」
「いいのよ、強がらなくて……さぁ、ノンくん! あなたのことを教えてちょうだい! 【ステータス】!」
――魔力を感知しました。『■■■の■愛』の効果により、抵抗します。
「きゃああああああああ!」
オウサマの話を聞かず、【ステータス】を使用したテレーゼは何かに弾かれたように後方へ吹き飛び、そのまま窓ガラスを割って外に消えていきました。オウサマよりも体重が軽かったせいで吹き飛ぶ距離も大きくなってしまったようです。
「はぁ……たまにあやつは話を聞かなくなる。きっと、お前に出会ってテンションが上がったんだろう」
「えっと、大丈夫なんでしょうか?」
「ふぅー、びっくりしましたわー」
「あ、よかった……」
割れた窓ガラスの向こうを見ながらノンは問いかけますが、オウサマが答える前にそこからテレーゼが顔を覗かせました。ケロッとした様子で戻ってくる彼女を見てホッと安堵のため息を吐きます。
「まさかこのわたくしが吹き飛んでしまうなんて……ノンくん、【ステータス】は怖くないのよ? だから、受け入れてちょうだい!」
「え、いや、そうじゃなくて……」
「問答無用! 【ステータス】!」
――魔力を感知しました。『■■■の■愛』の効果により、抵抗します。
「きゃああああああああ!」
再び、吹き飛んでいくテレーゼを見てノンは『この子も変な子だなぁ』と今更ながらそう思うのでした。
感想、レビュー、ブックマーク、高評価よろしくお願いします!




