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英雄くんはおうちに帰りたい  作者: ホッシー@VTuber
第五章 英雄くんは獣人たちと和解したい
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第364話 砲撃

 初撃をなんとか防いだノンですが、続けざまに魔力感知に強大な魔力反応が引っかかりました。そして、顔から血の気が引いていきます。


 ノンが防いだ闇魔法の砲撃は凄まじい量の魔力が注ぎ込まれており、その威力はまさに必殺。船に掠っただけでも大破して海の底に沈んでしまうでしょう。


(そんな砲撃を数秒で!?)


 強力な攻撃には反動があったり、当てにくかったり、とそれ相応のデメリットがあります。今の砲撃も膨大な魔力を込められているため、放つために何かしらの準備が必要となる。そう考えていたため、たった数秒で次の砲撃が飛んでくるとは思わなかったのです。


「くっ」


 ノンは奥歯を噛み締めながら慌てて包帯を操作して再び前方に巨大な盾を作りました。そして、着弾。今回もありったけの魔力を込めたため、なんとか砲撃を受け止めることに成功します。しかし、またしても頑丈なはずの巨大な盾は粉々に砕けてしまいました。


(急いで態勢を――なっ!?)


 窓から飛び出した勢いはすでになくなっており、自由落下が始まっています。このままでは海に落ちてしまうため、背後の船に包帯を伸ばそうとしたところで再び魔力感知に反応がありました。そう、それは三発目の砲撃が飛んでくる合図です。


「ぁ、――」


 本当に短い吐息。それが空気中へ溶ける前にノンの体内で魔力が燃え上がり、それを受け取った包帯が再び輝きを取り戻しました。


「――ッ!!」


 包帯を伸ばす。形を形成。硬化。その工程をほぼ同時にこなして彼は三度目の巨大な盾を完成――直前で死の砲撃が完成間近の盾に着弾。一秒にも満たない拮抗の後、砲撃が盾を崩壊させました。


「ガッ」


 盾を突き破った砲撃はその拍子に僅かに軌道が逸れ、旅客船の真上を通り過ぎていきます。しかし、船外かつ盾の傍にいたノンはその余波によって吹き飛ばされ、船の側面に背中から叩きつけられてしまいました。常に魔力循環による肉体強化をしている彼ですが、いつもなら防御をする瞬間、魔力循環の出力を上げて防御力を高めています。しかし、今回の場合、そんな暇がなかったため、小さな体に少なくないダメージが入り、顔を歪めました。


(ぐっ……で、も……)


 壁を突き破るほどの勢いはありませんでしたがノンが叩きつけられた船の壁はひび割れ、木片が海に落ちていきました。そんな壁に捕まりながら彼は顔を上げます。三発目の砲撃もなんとかやり過ごした。これで――。


「……は?」


 ――そして、四度目の魔力反応。あまりも無慈悲な連続攻撃にノンは思考を停止してしまいます。


「ッ!」


 彼が硬直したのはほんの一瞬。しかし、それはまさに致命的な隙でした。慌てて包帯に魔力を注ぎ、盾を作ろうとしますがそれが形になる前に砲撃が見え――その死角情報を脳が処理した頃にはもうすぐ目の前まで迫っていました。


「まっ――」






「≪破魔≫」






 なんとか砲撃を止めようと前に手を伸ばしかけた時、頭上から聞こえたのは頼もしい仲間の声と何かが空気を切り裂く音。そして、今まさに船に着弾するところだった闇魔法の砲撃は嘘のように消えてしまいました。


「……え?」

「ノン! 今のうちに盾を作れ! まだ来るぞ!」

「ッ!」


 何が起こっているかわからず、茫然としてしまうノンですが甲板から聞こえたアゼラの声で我に返り、包帯を使って真上に跳躍。下を向いて状況を把握しようとします。


(グレイクさん!)


 甲板には矢を放った格好で立つグレイクとノンを見上げているアゼラ。その近くに不安そうにしているミアと何故かブーツを脱ぎ始めているアレッサの姿がありました。きっと、グレイクがスキルを使って砲撃を消してくれたのでしょう。


「何発も撃てないぞ!」

「わかりました!」


 珍しく声を荒げるグレイクに頷いたノンは空中で盾を作り始めます。そして、五回目の魔力反応を感知しました。

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