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英雄くんはおうちに帰りたい  作者: ホッシー@VTuber
第五章 英雄くんは獣人たちと和解したい
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第354話 通信

「王都の西区にある冒険者ギルドのギルドマスター……まさかアリス・ブラウン氏と面識が?」


 アレッサの提案に即座に反応したのはブレッドでした。彼は貴族であり、ブラウン侯爵家の話も聞いたことがあるのでしょう。そんな身分の高い相手に伝手があることをすぐに信じられなかったようです。


「ええ、一応ね」

「アレッサさんのお姉さんなんです」

「あ、こら」


 何故かはぐらかそうとするアレッサでしたがノンはどうせ後でバレるため、さっさとネタバレをしてしまいます。


「は? おねえ、さん?」


 しかし、予想外の関係性にブレッドは目を見開き、茫然としてしまいました。ブラウン侯爵家当主のアリス・ブラウンと姉妹ということは自然とアレッサもブラウン家の血を引く貴族となります。


「まぁ、私は勘当されてるから関係ない……だと思ってたんだけどアリスが当主になったせいで多分、貴族扱いされてるかも?」

「自分のことなのにあやふやじゃないか?」

「仕方ないでしょ。十歳の時に家出してから関わってなかったんだから」


 アレッサの返答にグレイクはため息を吐き、肩を竦めました。なお、ブレッドはアレッサの経歴にドン引きしており、言葉を失っているようです。


「とにかく、私が連絡すれば何かと便宜を図ってくれるはずだわ。距離があるから直接、王都から優秀な冒険者を派遣するとかはできないけど近隣の冒険者ギルドに働きかけてくれるかも」

「……それなら、心強いな」


 なんとか正気に戻ったブレッドにも許可をもらったのでアレッサは早速、ギルドから借りた通信機に魔力を注ぎ、起動します。あらかじめ、王都の西区冒険者ギルドに繋がるように設定していたようですぐに応答がありました。


『はい、こちら王都西区冒険者ギルド。どうされましたか?』

「突然の通信、ごめんなさい。色々あってナーティの街から繋いでるわ」


 魔道具から少しだけ音質の悪い女性の声が聞こえ、アレッサは初めに通信先を告げます。すると、通信相手の女性は少し驚いたように息を呑みました。


『ナーティ、ですか?』

「ええ、私は金級冒険者のアレッサ。ナーティ近隣の街に行ってこの魔道具を借りたの」

『……』


 アレッサの言葉に女性は数秒ほど黙り込みます。通信機を使用して冒険者ギルド同士で連絡を取り合うことはそれなりにあります。しかし、金級とはいえ一般の冒険者がいきなり通信を繋ぐことはほとんどありません。


「単刀直入に言うわ。緊急事態よ。ギルドマスターのアリス・ブラウンに代わって。アレッサからの連絡だって言えば一発よ」

『……少々お待ちください』


 追撃するように彼女が用件を伝えると通信相手の女性は少しだけ低い声でそう答えた後、がさごそと物音がし始めました。どうやら、自分では判断できないと思い、アリスにこの件を伝えにいったようです。


「これで第一関門突破ね」

「いや、まだ出られるかわからないだろう?」


 しかし、女性がギルドマスターに判断を仰ぎに行っただけなのにアレッサは安堵のため息を吐きました。そんな彼女の態度にブレッドは緊張した様子で問いかけます。


「大丈夫よ。だって――」

『――アレッサ!? アレッサなの!? ノンにいつでも連絡してって伝えるように言ったのに一切、なかったから心配してたの! 今、ナーティにいるのね? 少し待ってて! 二週間でそこに行くから! 緊急事態ってことは優秀な冒険者たちも必要よね? なら、白金級を三人ほど連れていくわ。それから一週間ほど遅れると思うけど紅玉級もナーティに向かわせられる! これで戦力は足りそう!?』

「……ほらね?」


 こちらの事情を一切聞いていないのにすでに戦力をかき集め、ナーティに向かおうとするアリスの様子にアレッサは頭を抱えます。ブレッドは何とも言えない顔を浮かべ、彼女の肩を励ますように叩きました。

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