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英雄くんはおうちに帰りたい  作者: ホッシー@VTuber
第四章 狩人さんは想い人に会いたい
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第305話 情報収集

 茶色い表皮を持つ巨大な蛙が再び右前足を振り上げました。動き自体はそこまで速くありませんが問題はその大きさ。タイミングが悪ければ前足の範囲外に逃げる前に押しつぶされてしまう可能性があります。


「よっ」


 そのため、ノンは常に緊急脱出用に白い包帯を近くの木へ巻き付けながら戦うことにしました。そして、もう片方の包帯は影兎が今まさに放とうとした魔法を魔法の無効化(ジャミング)。闇魔法を撃ち消された兎は何が起きたかわかっていないようでキョロキョロと周囲を見渡していました。


「――――――!」


 その隙に蛙の前足を楽々避けたノンが右側から回り込むように走ります。そして、尻尾の形――先端が尖っているのが見えました。


「尻尾は先が尖ってる!」

「なら、どっちか……ノンくん、今度は口の中を見たい!」

「わかった!」


 ミアの役目は蛙の種類を絞り込むこと。冒険者は基本、討伐対象の魔物について調べ、対策を立てた後に戦います。そうすることで効率よく戦ったり、予期せぬ攻撃によって追い詰められることを防げるからです。


 しかし、今回のように突如として知らない魔物と戦うことになってしまった場合、まずは相手がどんな攻撃をしてくるか観察するのが鉄則となっていました。


 そのため、物知りなミアが魔物の種類を特定し、その生態をノンに教える。それがミアの役目です。ですが、襲ってきたのが巨大な蛙であり、一目では種類の判別ができなかったようでノンが情報収集することになりました。


(口の中、か)


 とりあえず、色々やってみよう。ノンは木に巻きつけていた包帯の先端を伸ばして自分の後方に巨大な拳を作り出しました。その大きさは蛙とほぼ同等。いきなり拳が現れたことに蛙と兎は驚き、動きが止まりました。


「いけっ!」


 その隙を突く形で巨大な拳を撃ち出すノン。しかし、当たる直前で我に返った蛙はその場でジャンプ。その巨体では考えられないほどの跳躍を見せてノンたちに向かって落ちてきました。ノンとミアはそこまで離れておらず、このままではミアも巻き込まれてしまいます。


「きゃっ」


 魔力循環の出力を上げて全力でミアを回収したノンはそのまま蛙の下から離脱しました。そして、その直後、その巨体が地面に落ちて森全体が揺れます。あののしかかりには気を付けなければ二人揃ってぺちゃんこになってしまうでしょう。


「―――!」


 回避されたことが気に食わなかったのか、蛙はぽっちゃりとしたお腹を膨らませ始めます。そして、蛙の魔力反応が一気に大きくなりました。


「ッ! 掴まって!」


 それが魔法の行使だと気づいたノンはミアを抱えながら蛙の側面へと向かいます。ですが、蛙もその場で体を動かしてノンから照準を外しません。


「――――!」


 仕方ない、とノンが覚悟を決めた瞬間、蛙の口が大きく開いて巨大な泥弾が射出されました。


 土魔法。そう、認識した瞬間、ノンはその場で立ち止まり、白い包帯で自分たちを覆うようにドームを作りました。視界が真っ暗になる中、凄まじい衝撃がドームを襲い、ミアの口から小さな悲鳴が上がります。


「ミア、あの蛙の口の中、見えた?」

「う、うん! 紫色だったと思う!」


 蛙が泥弾を連発しているようで何度もドームに衝撃が走る中、ノンがミアに声をかけると彼女も頷きました。


「尖った尻尾。紫色の口。土魔法……うん、大きさは全然違うけどあれはマッドフロッグ。土蛙だよ」


 そして、蛙型の魔物の種類が判明したのです。

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