第282話 おかゆ
新たに感想いただきました!
やっぱり、読者様の声を聞けるのはとても嬉しいですね……これを糧にこれからも更新、頑張ります!
ぜひ、皆さんも気軽に感想、レビュー、ブックマーク、高評価よろしくお願いします!
「はぁ!? お前、おれと同い年なのかよ!」
「うん、そうだよ」
焚火を囲みながらの晩ご飯。これまではアレッサやグレイクしかいなかったため、会話はありましたが落ち着いた食事になることが多かったノン。しかし、今は獣人の子供のアゼラとミアがいます。特にアゼラは同じ男の子であるノンが気になるのか、色々と質問をして同い年だと知り、目を見開きました。
「じゃあ、あの白いやつなんだ!? おれとミアを軽々と持ち上げたやつ!」
「ああ、これだよ。包帯型の魔道具なんだ」
「おおおお! すげぇ!」
最初に出会った経緯が経緯だけにノンに対するアゼラの態度はそこまで悪くありません。しゅるしゅると白い包帯を伸ばしたり、色々な形を作ったりするノンを見て目をキラキラさせていました。
「ほら、ご飯の時は落ち着いて食べなさい。お椀を落っことしても知らないわよ」
「ッ! そうだな!」
もっと見せろと今にも言い出しそうなアゼラをアレッサが苦笑を浮かべながらたしなめると彼は不思議なくらい素直に頷いて兎の肉が入ったおかゆをパクパクと食べ始めます。奴隷だった時、まともな食事ができなかったため、食に対する執着は人一倍のようでした。
「ミアもおかわりいる?」
「あ、うん……じゃあ、お願い」
すでにアゼラは三杯目。日中はバナナしか食べていなかったため、相当お腹が空いていたのでしょう。そして、それはミアも同じ。ノンが声をかけると少しだけ恥ずかしそうにしながらお椀を差し出しました。
「はーい……アゼラ、見てて」
「ん?」
ミアからお椀を受け取ったノンはおかゆを口いっぱいに頬張るアゼラに話しかけます。なんだろう、とノンに視線を向けたところで先ほど伸ばした包帯を使って器用にお椀とお玉を掴み、おかゆをよそいました。
「ッ!?」
「はい、ミア。どうぞ」
「あ、ありがと……」
「お、おれも! おれもよそってくれ!」
そのまま白い包帯を使ってミアにお椀を渡すノン。少しだけ引いた様子のミアに対し、アゼラはテンションが上がったようでお代わりを要求しました。
「これ以上食べるとお腹痛くなるよ? 長い間、満足にご飯を食べられなかったからいきなりたくさん食べるとお腹がビックリしちゃうの」
「えー、めっちゃ腹、減ってるのに?」
「そうそう。明日の朝、もっと面白い物見せてあげるから今日はこれでおしまいね」
獣人だからでしょうか。アゼラもミアも餓死寸前だったとは思えないほど食欲があり、本能のままに食べると体調を崩す可能性がありました。そこでノンは白い包帯という別のおもちゃを用意して食欲から少しでも気を逸らせようとしたのです。
「ちぇっ……絶対だぞ! 明日、面白いもん見せろよな!」
その作戦は功を成したようでアゼラはお椀を差し出した手を降ろしてノンに笑いかけました。男の子らしい活気に溢れたそれにノンは思わず破顔してしまいます。
「うん、もちろん。これからたくさん面白いことがあるから楽しみにしてて」
「面白いことかー。どんなことがあるんだろーな」
そう言いながら夜空を見上げるアゼラ。出会った頃とは違い、彼の目には生気が宿っていました。奴隷だったため、メンタルケアも必要だろうと考えていたノンですが、彼には必要なさそうです。
「……」
そう、アゼラは、です。おかゆの入ったお椀を見つめ、何かを考えるように動かなくなったミアを見てノンはアレッサとグレイクに視線を向けました。彼女たちも気づいていたのでしょう、アゼラとミアにばれないように首肯します。
「……じゃあ、そろそろ片付けましょ。明日はボアレに帰るんだから早起きしなくちゃ」
「えー、早起きは苦手なんだよ」
「文句はなしよ。ノン、いつものをお願い。そのまま三人で寝ていいから」
「はい、わかりました」
いつもなら交代で見張りをするノンですが、今日ばかりはアレッサに従います。もちろん、白いドームを見たアゼラは目を輝かせて騒ぎ、またミアに怒られてしまいました。
感想、レビュー、ブックマーク、高評価よろしくお願いします!




