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英雄くんはおうちに帰りたい  作者: ホッシー@VTuber
第四章 狩人さんは想い人に会いたい
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第267話 拘束

 巨大な水弾がいくつも向かってくる中、最初に動いたのはノンでした。アレッサの前に出て白い包帯を無造作に振るい、水弾を次々と撃ち落としていきます。


「【迅雷】!」


 ノンが時間を稼いでいる間にアレッサは両手に雷を纏い、右へと大きく移動。シスイールは雷を纏う拳を見てアレッサが脅威だと判断したのか、彼女の方へと顔を向けました。


(その隙に!)


 水弾の弾幕が薄くなったところでノンは包帯を湖の方へ伸ばします。そして、シスイールを囲うように包帯を動かしました。


「よっ」


 【迅雷】によって動きが速くなったアレッサは水弾を器用に回避して近くに伸びてきた包帯に向かって跳躍。そのまま踏みしめてシスイールの頭上を跳び越えました。更に別の包帯を蹴って違う方へ。これこそ、宙を舞う包帯を足場にして高速移動する跳躍(ジャンプ)。王都の地下水道で一度だけぶっつけ本番で成功させましたが彼女はすっかりコツを掴んだのか、その動きに一切の迷いはなく、どんどん移動速度が上がっていきます。


「っ……」


 複雑なアレッサの動きにシスイールは追いつけず、必死に水弾を当てようと出鱈目に放ち始めます。ですが、その大半は形になる前に霧散しました。ノンが白い包帯でシスイールが放出した魔力に干渉して術式を破壊したのです。


(やっぱり、魔法の無効化(ジャミング)も強くなってる!)


 これまでは白い包帯を凝縮させた後、一気に膨らませることで術式を吹き飛ばしていましたが今では魔力を振り払うように包帯を動かすだけで術式を破壊できました。魔族相手では魔力が濃密すぎてそう簡単にはいかないでしょう。でも、魔物が操る魔法であれば今後、大いに役に立ってくれそうです。


 シスイールは宙を駆けるアレッサに夢中。ですが、そのせいで左右に顔を動かしており、このままではグレイクが狙いを定めることはできません。


「すぅ」


 ノンは地面を蹴りながら小さく息を吸います。そして、シスイールへと包帯の先を向けました。


「十秒ください!」

「オッケー!」

「~~~~~ッ!!」


 ノンの声に跳躍(ジャンプ)しながら答えるアレッサ。それと同時に一筋の雷光となりつつある彼女がシスイールの傍を通過した瞬間、シスイールが大きく仰け反って苦しそうな声を漏らしました。通り過ぎた時に拳をかすらせて僅かにダメージを与えたのでしょう。


 その隙にノンは白い包帯をシスイールの周囲に伸ばして逃げ場を少しずつ減らしていきます。その間、奴にそれを悟られないようにアレッサは何度もちょっかいをかけました。


「……ここっ!」


 きっかり十秒。シスイールの周囲に漂わせた包帯を一気に縮めることで一瞬にして奴を拘束したのです。ぎちぎちと包帯が軋む音が僅かに湖に響きました。


「――――!!」

「ぐっ」


 もちろん、シスイールも黙って捕まっているわけではありません。なんとか包帯の拘束から逃れようと必死に体を動かして暴れ始めました。ノンは咄嗟に後ろに包帯の先端を伸ばして大きな木に巻きつけて必死に踏ん張ります。魔力循環を全開にして踏ん張っていますが体格差のせいで少しずつ拘束が緩んでいきました。


「ッ! ノン!」


 その時、右から二本の矢が飛び出したのを見てアレッサはノンの名前を呼びました。グレイクが最初の二本の矢を放ったのです。

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