第253話 ボアレ
不思議な男性とすれ違ってから数時間後、夕方になる前にノンとアレッサは無事に目的地である街――ボアレに到着しました。それなりに大きい街ですが、落ち着いた雰囲気が流れており、道行く冒険者の数も他の街に比べて少ないように見えます。
この様子だと冒険者ギルドもさほど混んでいないだろうと踏んだ二人は手頃な宿を見つけて三日分の宿泊費を払って荷物を置き、改めて外に出ました。
「冒険者ギルドに行って情報がないか確認しましょ」
「はーい」
ノンたちはそのまま冒険者ギルドへと向かいます。帰り道に足りない物資を補充するため、ノンはマジックバックを背負ったままでした。
「依頼に関してはあまり期待しない方がいいわね」
「そうなんですか?」
「冒険者が活発に動いてないってことはこの周辺の魔物を狩るのに困ってないってことよ。だから、むしろやりすぎたらこの街に住んでる冒険者の食い扶持を奪うことになるの」
「ああ、なるほど」
おそらく金級のアレッサや銅級のノンでは過剰戦力でしょう。依頼の質によっては仕事を受けない方がいいかもしれません。路銀はまだ困っていないのでノンの家や魔族の情報を探した後、次の街に向かった方がいいでしょう。
「ここね」
彼らが宿泊する宿は冒険者ギルドから近いところだったようで数分ほど歩いて到着します。中を覗くと確かに冒険者は数人しかおらず、受付を担当している女性は暇そうに欠伸を噛み殺していました。
「お姉さん、少しいい?」
「あ、はい。ボアレの冒険者ギルドへようこそ。本日はどのような御用でしょうか?」
「レニックスの冒険者ギルドから――」
アレッサが受付嬢から二人宛に情報が届いていないか確認しましたがレニックスの冒険者からは特に情報は来ていませんでした。
「そう……この街に図書館とか情報を集められる場所とかある?」
「すみません。そういった施設はありません」
アレッサの質問に受付嬢は申し訳なさそうに頭を下げます。ボアレでは魔族に関する情報を集められそうにありませんでした。
「うーん、そっか。あと、三日ぐらい滞在する予定なんだけど依頼は受けても大丈夫?」
「ええ、問題はありません……ですが、お二人の実力に見合うような依頼はないと思います」
やはり、ボアレの街周辺にいる魔物は低級が多く、ノンとアレッサ相手では役不足なようです。それでも依頼を受けられるのなら、とノンたちは適当な依頼を三つほど受けて冒険者ギルドを後にしました。
「じゃあ、ノンの家を探した後、買い物をしてそのまま晩ご飯にしましょ。依頼は明日にまとめて終わらせられるから」
「そうですね。受付嬢さんからこの街の地図も貰いましたし、パパっと探しましょうか」
そして、ノンたちはボアレの街を散策しましたが残念ながら塀に囲まれた家はなく、予定通りに買い物をした後、晩ご飯を食べてこの日を終えました。
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