表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄くんはおうちに帰りたい  作者: ホッシー@VTuber
第三章 英雄くんは王都へ行きたい
248/311

第243話 崩落

 ノエルが転移魔法陣を起動してくれたおかげで魔族を元居た場所へ帰すことができました。しかし、ノンもアレッサも彼がいた場所を茫然と見つめるしかありません。


「師匠、今のは……」

「……ふふ、あはは」


 震える声でアレッサに声をかけるノンでしたが、いきなり彼女は肩を震わせながら笑い出しました。何事かとノンは目を見開いてしまいます。


「ほんっと……迷惑な師匠だわ」

「えっと、師匠? それってどういう」

「さっき、魔族はあの人はパッと消えたって言ったじゃない。つまり、あいつに殺されたわけじゃないってこと」


 一年前、魔族との戦争で市民が避難する時間を稼いだ冒険者。それがアレッサの師匠である仮面の人。何度かノンやアレッサの戦う姿を見て首を傾げていましたがどうやら、構え方がそっくりだったようです。


「でも、名前で人を探す魔道具には反応がなかったんですよね?」

「ええ……でも、顔すら隠してるあの人のことだから冒険者カードに登録した名前が偽名だったのかもしれないわ。少なくともあの戦争では死んでない」


 そう言ってアレッサは目をギラギラさせながらニヤリと笑いました。その顔を見て何故かノンは悪寒が走ります。


「ノン、旅の目的にあの人の捜索も入れるわ。あなたの邪魔はしないから少し手伝って」

「それは、いいですけど……」

「ふふ、今度会ったらぼっこぼこにしてやるんだから!」


 宣戦布告に近い絶叫が地下水道へと響き、それがきっかけとなったのかいきなり地響きが起こり始めました。


「な、何!?」

「多分、崩落の前兆です! ノエちゃん!」

「うん、大丈夫……わっ」


 ゴゴゴ、とやばい感じに揺れている部屋にノンは慌ててアレッサの腰に右の包帯を巻きつけます。更にいつの間にか近くにまで来ていたノエルを左腕で抱き寄せました。ついでに戦っている最中に落としていた自分のマジックバックも包帯で回収しておきます。


「一気に上に飛びます!」

「お願いね」

「おー」


 二人の返事を聞いたノンは左の包帯を天井に開いた穴に伸ばして近くの建物に手探りで巻きつけました。そして、崩壊が始まった薄暗い部屋から脱出します。


「なんか出てきたぞ!」

「マジカルヤンキーが地下水道を破壊しやがった!」

「おい、子供がいるぞ! 人質か!?」

「人聞きの悪いこと言ってんじゃねぇ!」


 穴から飛び出したノンたちを見て穴の近くにいた憲兵たちが騒ぎ始めました。もちろん、地下での騒動など知る由もなく、アレッサが逃げるために街路に穴を開けたと勘違いされているようです。


「地下水道が崩壊するので穴から距離を取った方がいいですよ!」

「ま、マジか!? 逃げるぞ!」

「くっそ、マジカルヤンキーめ!」


 ある程度のところまで飛んだノンは眼下にいる人々に叫びました。彼らもさすがにマズイと思ったのか、蜘蛛の子が散るように逃げていきます。


「ホント、王都に来てから碌なことがないわ……」

「そう? わたしはノンくんに会えてよかった」

「あ、そう……あんな目に遭ったのに元気ね」


 ほぼ初めて会話するアレッサとノエルの声を聞きながらノンは周囲を見渡します。日はすでに落ちており、王都はたくさんの明かりで照らされていました。そのおかげで現在地点が北区の近くだとわかります。


「ノエちゃん、このまま騎士団に行こう。さすがに親御さんが心配してるからね」

「……もうお別れ?」

「大丈夫。僕の家を、さが……し、に……」


 包帯で騎士団がある方へ跳びながら左側にいるノエルへ笑いかけようとした彼ですが、突然、グラリと眩暈がしました。

感想、レビュー、ブックマーク、高評価よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ