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英雄くんはおうちに帰りたい  作者: ホッシー@VTuber
第三章 英雄くんは王都へ行きたい
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第238話 師弟

「師匠、【爆裂】は危険です!」

「あ? ああ、崩落か。面倒くせぇな」


 すっかりマジカルヤンキー化しているアレッサはノンの言葉に天井を見上げた後、両手に灯る炎を消しました。そして、ニヤリと笑った後にそこから激しい水流を発生させます。


(【激流】?)


 アレッサが選択した喧嘩殺法(ステゴロ)魔法は【激流】。人間のために手加減ができるように開発されたそれにノンは思わず首を傾げてしまいます。ですが、きっとアレッサのことです。何か考えがあってそれを選んだ。彼はすぐにフラフラと立ち上がる魔族へと視線を戻します。


「そこのガキといい、てめぇといい……そんな魔力の使い方なんて知らねぇ!」

「あ? そんなの知るかよ」


 喚く魔族にアレッサが面倒臭そうにため息を吐きながら改めて構えました。それを見た魔族は眉を顰め、首を傾げます。


「やっぱ、見覚えがあんな……だが、あることは変わんねぇ!」


 ドン、という音と共に魔族がノンたちに向かって突進してきます。すぐにノンが前に出て包帯を伸ばしました。方向は後ろ。その二本をアンカーのように地面に突き刺し、彼は姿勢を低くします。そして、魔族の拳をノンは両手で受け止めました。そのあまりの威力に二人の足元がひび割れて破片が部屋中に飛び散ります。


「ぐっ」


 身体能力が向上したノンでも一瞬だけ動きを止められましたが魔族の一撃は受け止めきれず、後ろへ吹き飛ばされてしまいました。しかし、その顔はしてやったと笑っています。


「上出来だ」


 欲しかったのはその一瞬。左手を横に突き出し、水流を噴出して宙を滑るように移動したアレッサが魔族の脇腹へと右拳を叩き込みます。そして、彼の体から氷の棘がいくつも飛び出しました。水魔法の応用である氷への形態変化。


「ぎゃああああ!?」

「やっぱり、魔族相手なら形態変化もできるな!」


 魔力を通しやすい体質だからこそ喧嘩殺法(ステゴロ)魔法が更に凶悪になったようです。包帯を使って空中で態勢を立て直していたノンは魔族の体から生える氷の棘に顔を引きつらせました。


「こ、のっ!」


 全身が氷の棘だらけになった魔族でしたがアレッサに向かって魔法を放とうと魔力を放出します。術式が形成されるまで数秒。そして、今まさに魔力が魔法に形になろうとした時、上空から白い塊が飛んできて一気に膨張しました。


「は?」

「もう一発!」

「ゴッ……」


 魔力が吹き飛んだのに気づいた魔族が声を漏らします。その間に白い塊が上に移動し、その向こうからアレッサが現れ、水が迸る右拳でその顔面をぶん殴りました。その瞬間、魔族の背中に生えていた翼から氷の棘が生え、翼膜をビリビリに破いてしまいます。


「く、そ!」

「うっ」


 しかし、魔族も負けておらず、乱暴に左足を振るってアレッサを蹴り飛ばします。凄まじい勢いで壁に向かって飛んでいく彼女の体でしたがすかさず白い包帯が巻き付き、壁にぶつかる前に助け出すことができました。


「またてめぇか!」


 アレッサの喧嘩殺法(ステゴロ)魔法もそうですが攻撃を一瞬だけ受け止めたのも、魔法を魔法の無効化(ジャミング)したのも、アレッサを助けたのも白い包帯を天井に刺して空中に佇むノン。


「師匠、遠慮なく攻撃してください! 僕が何とかしますので!」

「ホント、頼りになる弟子だなぁ!」


 上で叫んだノンに頷いた後、アレッサは魔族へと駆け出しました。戦いはまだ始まったばかりです。

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