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英雄くんはおうちに帰りたい  作者: ホッシー@VTuber
第三章 英雄くんは王都へ行きたい
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第197話 活気

「ここが王都の冒険者ギルドだよ」

「おー、大きいですね」


 マーシャはギルドの前で馬車を停めてノンに声をかけました。そこにはレニックスやマーシャの故郷の街にあった冒険者ギルドよりも立派な建物が建っており、ノンも思わず感嘆の声をもらしてしまいます。


「王都は広すぎて冒険者ギルドが四つあるんだって。ここは西区の冒険者ギルド。他には北区、南区、東区。やっぱり、王都となると冒険者ギルド一つじゃ足りないんだね」

「そうですね。ここに来るまでにもすごい数の冒険者さんを見かけましたから」


 ブレゾニアはハーニンド大陸の中心の方にあり、各地へ行くために中間地点として立ち寄る冒険者が多いそうです。それに加え、鍛冶屋や道具屋など他の街にはないことの多い施設があるため、活動拠点とする冒険者も少なからずいました。


「じゃあ、私は馬車を預けてくるから先に中で待ってて」

「はい、わかりました」


 ノンは冒険者ギルドの入り口でマーシャと別れ、冒険者ギルドの中に入ります。そして、目の前に広がった光景に思わず唖然としてしまいました。


(すごい活気……レニックスの冒険者とは比べ物にならないや)


 さすが王都の冒険者ギルド。カウンターは十を超え、掲示板も数え切れないほど壁に掛けられており、その間を冒険者たちが雑談しながら行き来しています。どうやら、このギルドでは先に冒険者が各自、自分に合った依頼を掲示板から探してカウンターに持っていくルールになっているようでした。その活気溢れた光景にノンも少しだけわくわくしてしまいます。


(えっと、今回は依頼達成の報告だから先にカウンターかな?)


 しかし、今は報告するのが先決。気持ちを切り替えたノンは小さな体を利用してするすると冒険者たちの合間を縫い、カウンターへと一直線。しかし、カウンターはそれなりに高さがあるため、今のノンでは背伸びをしても顔を出すことができなさそうでした。そのため、近くから椅子を持って来てそのまま靴を脱ぎ、その上に立ちます。


「すみません、依頼達成の報告がしたいんですけど」

「へ!?」


 カウンターにいた受付嬢はノンがひょっこりと顔を出すと驚いて小さな悲鳴を上げました。しかし、相手が幼い子供だとわかるとホッと安堵のため息を吐きます。


「ごめんね。お姉さん、仕事中なの。遊びはまた今度ね」

「すみません、僕も冒険者でして……これ、冒険者カードです」

「え? あ、す、すみません!」


 さすが王都の冒険者ギルドに勤めるだけあって受付嬢はノンが差し出した冒険者カードを一瞥しただけで本物だとわかったのでしょう。慌てて頭を下げて謝罪の言葉を口にしました。


「いえいえ、紛らわしくてこちらこそごめんなさい。今、護衛対象の方が馬車を預けに行っているので先に手続きを進めていただけますか?」

「わ、わかりました!」


 受付嬢はノンから冒険者カードを受け取り、慣れた手つきで手続きを始めます。ですが、その途中で大きく目を見開きました。


「ど、銅級!? それに今回は護衛依頼を受けて完遂……」


 信じられない、と顔にでかでかと書いた状態で彼女はノンへと視線を戻します。齢六歳の彼が一人前の冒険者と同等レベルの実力を持っているとは思わなかったのでしょう。


「あ、すみません。あと、王都周辺にいる盗賊が妙な動きをしてたのでその報告もしたいんですが」

「と、盗賊!? あなた、盗賊に襲われたの!?」

「え、あ、はい……毎晩のように」

「毎晩のように!? 商人の護衛はあまり旨味がないからって盗賊はあまり襲わないのにどうして」

「あ、いたいた。ノン君、お待たせー」

「……あー」


 茫然とする受付嬢でしたが、護衛対象であるマーシャが顔を出すとどこか納得したように声を漏らしました。

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