表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄くんはおうちに帰りたい  作者: ホッシー@VTuber
第三章 英雄くんは王都へ行きたい
183/343

第178話 見張り

「じゃあ、師匠。先に寝てください」


 晩ご飯を終え、食器洗いなどやることを終えた一同ですが、本日から交代制で見張りを立てることになっていました。もちろん、ノンの白いドームがあれば全員、寝ることができますが今回の旅の目的は普通の野営を経験すること。とりあえず、今日からノンとアレッサの二人で見張りをします。


「い、いいんでしょうか? 私は寝ちゃっても」

「マーシャは明日も御者するから寝てもらわないと困るわ。最悪、私とノンは明日の昼間も荷台で仮眠が取れるし、遠慮なく寝てちょうだい」


 そう言いながらアレッサは『おやすみー』とさっさとテントに引っ込んでしまいました。昼間にも仮眠を取っていましたが冒険者歴が長い彼女は必要な時に眠れるように訓練しており、テントからすぐに気持ちよさそうな寝息が聞こえ始めます。


「マーシャさんも寝てください。最初の見張りは僕がやりますので」

「……じゃあ、お願いね」


 ノンの言葉にマーシャは素直に頷き、アレッサと同じテントへ入っていきました。


 パチパチと鳴る焚火や風が木々を揺らす音しか聞こえなくなり、ノンはそっと上を見上げます。


「……綺麗だなぁ」


 そこには前世では見ることのできなかった満点の星空が広がっており、思わず感嘆の声を漏らしてしまいました。






「ふわぁ……」

 交代の時間となり、アレッサはノンと入れ替わる形で見張りを始めた。適当に焚火へ薪を放り込み、周囲を警戒しながらも欠伸を噛み殺す。

(見張りも久しぶりね)

 かれこれ五年以上、冒険者を続けていた彼女は見張りに慣れている。しかし、ノンの白いドームのおかげで見張りをする必要がなかったため、少しだけ懐かしい気持ちになっていた。

「……そこでこそこそしてないで出てきたらどう?」

「ッ……は、はい」

 一人で色々と考えながら朝を待つつもりだった彼女だが、テントの入口へ視線を向けながらそう言うとおそるおそるマーシャが姿を現す。そんな彼女を見てアレッサは面倒臭そうにため息を吐いた。

「あなたは明日も御者をするんだからしっかり休まないと駄目じゃない。どうかした?」

「い、いえ……さっきまで寝てたんですけど見張りの交代で目が覚めてしまって」

「嘘おっしゃい。ずっと眠れなかったんでしょ」

「……すみません」

 マーシャの言葉を一蹴するとマーシャは申し訳なさそうに謝りながら彼女の対面に置かれた丸太へと腰を下ろす。野営を始めた時、ノンが適当な木を包帯で伐採して作った簡易的な椅子である。

「まぁ、あなたにとって初めての野営だし、緊張もするでしょ。ちょっと待ってなさいな」

 暗い顔をしているマーシャを見てどこか懐かしそうにしながらノンのマジックバックに手を突っ込むアレッサ。マジックバックは所有者以外が物を取り出そうとしても物が掴めない性質を持つが所有者が許可を出した人は例外であり、アレッサは旅を始めた初日に許可を出してもらっている。

「【水球(みずたま)】」

 ノンのマジックバックから二つのカップとスプーン、茶色い粉を取り出した彼女は小さな水球を作り出してカップにそれを投入。その後、茶色い粉を入れてスプーンでかき混ぜた。

「よっと」

 更に焚火に鍋やフライパンを置くための金網を設置してその上にカップを置く。そして、数分ほど経ってからカップを掴んでマーシャへと差し出した。

感想、レビュー、ブックマーク、高評価よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ