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英雄くんはおうちに帰りたい  作者: ホッシー@VTuber
第二章 魔法使いさんは普通になりたい
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第113話 魔法使いさん

 オークの頭蓋が凹むのを見ながらノンが感じたのは凄まじい熱気でした。さすがに幼龍のブレスほどではありませんが思わず顔を庇ってしまいそうになります。


「なっ」


 そして、最も驚いたのがその発生源が人間の拳からだったことでした。大人にしては小さいそれを真っ赤な燃える炎が包み込み、パチパチと音を立てています。


「――――」


 頭を潰されたオークは断末魔を上げながらその場で倒れ、塵となりました。ノンは助けてくれた人がどんな人か確かめるために視線を上げます。


「魔法使いさん?」


 先の尖った黒い帽子に体をすっぽりと覆うローブ。そして、唯一肌を露出させている顔は険しく歪み、オークがいた場所を睨んでいる魔法使いさんがいました。


「ちっ、よえぇな」

「っ……」


 塵となったオークを冷ややかに見た後、ギロリとノンへと視線を向けます。その眼光に思わず息を呑んでしまいました。


「無事みてぇだな」

「え、あ、はい……おっと」


 乱暴な口調で安否を確かめられ、反射的に頷きます。そして、後ろで起き上がろうとしていた最後のオークへ振り向きざまに包帯で作った剣を振るうとスパッと真っ二つになりました。


「……へ?」


 その光景を見た魔法使いさんは厳しかった表情が一瞬でポカンとなり、間抜けな声を漏らします。助けに入った途端、よくわからない武器でオークを一刀両断してしまったのですから無理もありません。


「おめぇ、今の……」

「気を付けてください! まだ来ます!」

「は? なんでわか――」


 ノンに話しかけようとした魔法使いさんですがそれを彼に止められます。そして、森の奥から先ほど逃げ出した弓矢ゴブリンを先頭に数えきれないほどのオークが現れました。どうやら、逃げた後、応援を呼びに行ったようです。


(さすがにあの数は骨が折れそう……)


「……おい、ガキ」


 それを見た魔法使いさんは静かにノンに声をかけました。その声に震えはありません。顔を上げてそちらを見ると彼女はオークの軍勢を睨みつけているだけで動揺はしていないようです。


「ちょっとやるみたいだけどあれはやれるか?」

「そうですね……できます(・・・・)


 彼女の問いかけにノンは素直に頷きました。彼自身、オークの頑丈さはすでに把握しています。数は多いですがさほど苦労せずに倒せると判断しました。


「へぇ、おもしれぇ……私の邪魔はすんなよ」


 自信ありげに頷いた彼に魔法使いさんはニヤリと口を歪め、ノンの隣に並び立ちます。最初、とんがり帽子のつばで顔はよく見えませんでしたが、今なら身長差のおかげで下から覗き込めました。


(お母さんよりも若い?)


 魔法を使っている時はどこかぎこちなさはありましたが回避や立ち回り。なにより、先ほどの一撃を見て相当な実力者だとわかります。そのため、それなりに年齢を重ねていると思いましたが魔法使いは十代ぐらいの若い女の子でした。容姿も整っており、前世ならアイドルになれそうな可愛さを秘めています。まぁ、人を殺せそうな眼光のせいで全てを台無しにしていますが。


「じゃあ、行くぞ!」

「はい!」


 こうして、ノンは不思議な魔法を使う魔法使いさんとオーク軍団を相手になし崩しに共闘することとなったのです。

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