表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄くんはおうちに帰りたい  作者: ホッシー@VTuber
第二章 魔法使いさんは普通になりたい
114/340

第110話 巨石

「あった!」


 街道を歩き続けて数日ほど経った頃、ノンはオウサマから教えてもらった目印を見つけました。それはノンの身長よりも何倍もある巨大な岩。昔、まだ種族同士の争いが起きていた頃、人間の国を攻めてきた獣人たちを追い払うため、凄まじい大きさを誇る投石機を作り、巨石を飛ばしたことがあったらしいですが、これがその巨石だそうです。あの時は死にそうになったと獣王は酒の席で笑いながら語るとオウサマは苦笑しながら教えてくれました。


(ほんとに大きいなぁ)


 どこか観光客になった気分で巨石を観察していたノンですが、今は旅の途中。この巨石の近くに目的の街があるらしいため、日が暮れる前に辿り着きたいところ。彼の相棒である包帯のおかげで野営中でもぐっすり眠れはしますがそろそろ落ち着いた場所でゆっくりしたいと考えていました。


「あ、そうだ」


 なんか閃いたノンはおもむろに両腕の袖から包帯の先端を巨石の頂点へ伸ばします。この包帯は魔力を注ぐと自在に形を変え、自由に動かせるようになる魔道具。今では手足のように扱えるようになりました。


「よっと」


 巨石の頂点に包帯を幾重にも巻き付けた後、縮めます。すると、体重の軽いノンの体は勢いよく上昇し、そのまま巨石の上に着地しました。


「わぁ!」


 さすが目印としてオウサマが指定した巨石。その頂点からの眺めはとても美しく目を輝かせます。そして、目的地である街を見つけました。


(これから少し走れば(・・・・・)数分で辿り着けそう!)


「あれ?」


 そう考え、急いで向かおうとしますがそこでその街から少し離れた場所で誰かが戦っているのが見えます。どうやら、複数体の魔物相手に一人で戦っているようでした。しかし、さすがにここからではその戦況までは見えません。


(魔力循環。魔力操作、『眼力強化』)


 ノンは普段から魔力を体の中で循環させる技術――魔力循環を使用しており、その恩恵で肉体を強化しています。更に魔力を操作してその部位にそれらを集めることで一部だけを強化することも可能。


 腕なら腕力。足なら脚力。喉や肺、横隔膜なら声を大きくでき、目に集めたら視力を強化できます。


 強化された視力により、戦っている人が見えました。大きな杖、先が尖った黒い帽子、そして、黒いローブ。その姿はまさに魔法使いそのもの。今も杖の先から火球を飛ばして魔物を倒しています。


(んー……ちょっと危なげ?)


 性別まではわかりませんが彼、もしくは彼女が戦っている相手はファンタジーものではお馴染みのゴブリン。オウサマとの勉強会で魔物に関する知識も得ており、その生態も把握しています。


 ゴブリンは一体だけならそこまで脅威ではありませんが集団で行動しており、大きな群れと戦う場合、少なくない被害が出ることもある。今は戦えているようですが魔法使いさんもどこかぎこちない動きをしていますし、何かのきっかけで戦況が傾く可能性もあります。


(一応、行ってみよう)


 何事もなければそれでよし。何かあった時は助けに入ろう。そう決めたノンは巨石の上から包帯を伸ばし、一番近い木に巻き付けてその場所へと向かいました。

感想、レビュー、ブックマーク、高評価よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ