歩き
遠い、とても遠い旅路だ。
ゴールとして設定しているところは数千キロは離れている。
だが、そこに行かなければ、巡礼の意味はないと、私は考えている。
齢を重ねて六十を超える。
人生も終盤へと差し掛かり、してみたかったことリストを作ってみた。
その最後も最後、それが巡礼の旅である。
家を出るときには一礼。
太陽の方向へと向かって歩いていく。
目標なのはとある大聖堂だがそこまではいくつもの関所を通らないといけない。
ちゃんと帰ってきて、と子供らや孫らに言われるが、当然そのつもりだ。
じゃあ、行ってくる。
といって私は旅路を始めた。