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Un autre monde  作者: 匠人
2/2

1.はじめの一歩

『「Un autre monde」興行収入驚異の1兆円突破!』

朝、眠い目をこすりながらニュースを見る。

最近の話題はもっぱらこれだ。

VRゲーム関連器具の世界シェア堂々のNo.1の「Jeu」が5年の歳月を費やし作った「Un autre monde」略して入れ替えて「UMA」。β版から反響は大きかったがつい先日、ゲリラ的に公式リリースがあり、売れに売れまくっているのである。

俺は「駒場 玲央」都内のそこそこいい進学校に通っている高校1年生だ。去年まで受験勉強をしていたから、このゲームは一切やってない。そもそも俺は、ゲームより数学のほうが好きだし、、、

そんなことを言いつつ制服を着て学校へ向かう。

今日は夏休みが終わって初めの日、1年で最も嫌いな日だ。

ひとりで学校まで歩いているとよく知る人影が

「おは~」

「おはよう」

こいつは平沢 凪、女みたいな名前だが一応男だ。母親同士仲が良く、俺たちも波長が合うから小さいころからずっと一緒にいる。いわゆる幼馴染だ。

「お前、夏休みなにしてた?」

「特筆すべきことはしてない」

「ちぇっ。つまんねえなぁ。俺は例のUMAずっとやってたけどお前はこの話わかんないしなぁ」

こいつはあのえげつない倍率を突破しβテストプレイイヤーに選ばれてから、寝る間も惜しんでUMAをしているゲームヲタだ。

「始めるきっかけがなくてな」

「お前マジで人生の8割損してるぞ。まぁお前が始めたって言ったほうが驚きではあったが」

こんな軽口をたたきつつ俺たちは学校へ向かう

「じゃあ、また放課後な」

「あぁ、またあとで」

俺は1年A組、凪は1年F組で場所がだいぶ離れているから校内で会うことはそうそうない。まぁ今日は2学期の始業式だからすぐ学校が終わるしまた、すぐ会うことになるのだが

そう考えてるうちに、教室につく。クラスの話題ももっぱらUMAだ。

「第2エリアすぐいけたね~」

「第3エリアの神官可愛すぎ案件」

など俺には全くわからない話が続く。話す相手もいないので自分の席で本を読んでいた。

5分もしないうちに担任が来て、始業式はそこから放課まで続いた。




「やっと見つけた~」

「ごめん、少遅くなった」

俺は謝りながら、凪と合流して帰る。

「今日この後、お前の家行っていいか?」

「家にくるのか。昼飯はどうする?」

「ん~じゃお前の家でごちそうになろうかな。」

「わかった。お母さんに伝える」

そういってスマホを取り出し母に凪が家に来ることを伝える。

「てか、校長の話長すぎ」

「それより、生徒指導部の話のほうが長かったけどな」

「あいつマジでうるさかったな」

そんな他愛もない話をしながら帰路につく。



昼飯を食べ終わり急に凪が真剣な目で俺を見つめる。

「俺と一緒にUMAしないか?」

「何度も言ってるだろ。俺はしないって。そもそもなんで俺を誘うんだよ」

「いや、お前にこのゲームは向いてると思ってな。お前のその天才的な頭脳はここでも役立つと思う」

(天才的な頭脳、、、か。この頭はゲームと相性が悪いんだけどな)

俺は天才的な頭脳を持ってはいるものの、何でもできてしまうため誰も俺とゲームをはじめとする頭を使う遊びをしてくれなくなった。

(まぁ、凪を除いてだが)

「お前がそこまで言うなら、少しだけだぞ」

「お前ならそう言ってくれると思ってたぜ。」

そこからは、あまりにも早かった。凪は自分の部屋にいたはずの妹「駒場 美咲」を呼び出し、あっという間にゲームを始める態勢が整った。

「お兄、行ってらっしゃい。」

この言葉を最後におれはUMAへと旅立った。


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