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色の無い夜に・Colorless Night~最凶妖魔王を倒すため最強呪刀を継承した俺は、魔王に反旗を翻した妖魔姫とじれ恋学園生活しながら妖魔を討つ!  作者: 兎森りんこ
第2章 制服の笑み花の涙

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約束2人の海~ドキドキめろんといちご~ ◇


 晴天の夏空

 海へ行くため、朝の二人の待ち合わせ。

 朝でももう暑く、汗が出てくるが気持ちは爽やかだ。

 椿はいつもどおり元気いっぱいTシャツにショートパンツにスニーカー。

 二人で市民プールに行くような雰囲気だが今日は違う。


「昨日眠れた?」


「あんまり! えへへ楽しみで」


 ぴょこぴょこ揺れるツインテールの笑顔を見ると、ますます楽しくなってくる。


「あ、そっちか。なら良かった」


「なんだか、雪春さんも心配してくれて」


「へぇ」


 椿がせっかく話しているのに、なんだか雪春の名前を聞くと

 ついイラっとしてしまう。


「毎日電話してきてくれて」


「……へぇ」


「大丈夫だって言ってるんだけど、いつも謝られるの」


 困ったような顔だけど、笑顔のままの椿。


「電話に出なければいいよ」


「え!? あはは麗音愛がそんな事言うなんて、嫌なわけじゃないよ」


「俺はあの人苦手だ」


「そうなの??」


 駅内で麗音愛は思い切り肩にぶつかられ、麗音愛が謝った。


「大丈夫? ひどい」


「うん、あの人もわざとじゃないんだ。呪いのせいだから」


 心配する椿に、また大丈夫と言う麗音愛。

 意外に混み合う電車内。

 椿はジロジロと見られる視線を感じ、麗音愛の影に隠れる。


「麗音愛のその呪いって……誰が? 何かが? どうしてかけたのかな」


「父さん達も調べてくれたけど、わからなかったって言ってたよ」


「……どうにかしたい?」


「ん~呪いをかけられてるって考えると気持ちのいいものではないけど」


「その呪いのことでも、色々言ってごめんなさい」


 初めて会ったあの日、椿は刀を始末する生贄だ、愛されていないと麗音愛に言ってしまった。


「気にしてないし、そういう話が歴史のなかであったって

 兄さんも言ってた。初めて見たらそう思うよ」


 混み合う車内で、少し二人の距離が近くなる。


「ごめん、俺のせいで押されるのかも」


 そう言って、椿を守るようにスペースを開ける麗音愛。

 麗音愛のボディソープの香り、良い香りがする。


 なんだか恥ずかしくなる椿。

 何を買ったらいいのかわからなくて椿も同じものを使っているが

 自分とはまた違う、麗音愛の良い香り。


「だ、大丈夫。改めてその呪いのこと調べないの? 解呪できないか」


「闘うには認識が遅れて有利だし……

 証明写真とかもパソコンでなんとかなるしな、

 父さん達が調べて無理なら無理なんじゃないかな」


 呪いが解けたら、麗音愛ほどの美少年。

 最近は逞しさも随分増して、美青年になった。

 きっとこれからもっと精悍になって、誰からも愛されて……。

 そうなったらきっと麗音愛は幸せなのに、椿は考えるとまたズキズキ発作。

 解呪できるように沢山調べよう! と言えない自分に戸惑う。


「きっと、晒首千ノ刀の継承者がさ、受ける呪いなんだろうって思う

 気にしなくていいよ、別に」


 それでその話は終わり、大きな駅に着き沢山の人が降りていく。

 座った後は、楽しくいつものように話をして晴天の海に到着した。


「わーー!! また来れたーー!! 海だーー!!」


 喜ぶ椿を見て、麗音愛もまた微笑む。

 海風が2人を撫でる。

 暑い! 暑さで汗が吹きでる。ジリっと照らされる2人きりの海。


「じゃあ……着替えてくるね」


「うん、ここで待ってるね」


 新しく買った水着を今回

 初めて着るって言っていた椿。


 でもどうせ、また競泳水着を着て

 何キロ泳ぐとかやるんだろうなと麗音愛は待ちながら思っていた。


 でも市民プールで待ってる時とは違う気持ち。

 妙な照れくささというか、さっきまで一緒にいたのに。

 変な気持ち。


「お待たせ麗音愛」


「お」


 振り向くと胸元が沢山フリルになった、真っ白なフリルビキニ。

 ボトムも真っ白だ。


 ツインテールにした髪が恥ずかしげに揺れる。


 背は低くても、スラリとした手足は長く。

 競泳水着では見えなかったおへそも今日は見える。


 椿が可愛いのは麗音愛にも、わかってる。

 でも、今まで見ている姿とは明らかに違う。

 浴衣とも違う。

 そして競泳水着とも違う。


 椿だって、恥じらってそれっきり何も言わず棒立ち。


「……」


 つい、無言になってしまう麗音愛。


「……だ、だからーー!

 だからこの前着なかったの!!」


「えっ!?」


 急に叫んだ椿に驚く麗音愛。


「へ、変なんでしょ!?

 やっぱり着替えてくるっっ」


「え、ち、違うよ!!」


「こんなの似合わないのわかってたもん!!

 色も白だし、

 でも詩織ちゃんが白の方がいいって……

 でもフリフリなんてやだし、

 とにかく着替えてくる! 競泳水着持ってきたし!」


 一気にまくしたてて

 顔を赤くして、背中を向ける椿。


「待てって! 似合ってるよ!! 着替えなくていい!」


 思わず叫んだ。


「……本当?」


 ぐすっとした顔で椿が見る。


「本当!!」


「本当に?」


「本当だって! 似合ってる!」


 似合ってるで精一杯。

 どうにか伝わってほしい!! と麗音愛は願う。

 椿は嬉しそうに、でも恥ずかしそうに笑った。

 そして、そのまま麗音愛の隣に立つ。


「なら……このままで、いてみようかな……

 でもこれじゃあ、ザパザパザパ泳げないかも」


「今日はのんびり楽しもう」


 ザバザバ泳いで

 外れてしまったらどうすると不安になる麗音愛。

 女の子の水着の構造なんてわからない。


「うん!」


 荷物を置き、準備運動。

 いつものように元気に動く椿。

 フルフル揺れる胸元のフリルが横目にチラつく。


「やったーー海だーー!!」


「やったーー!!」


 と、また感激し、

 とりあえず海に入ってみるが、 なんだか2人で棒立ちだ。


「競争水泳ができないならーーなにしよう??」


「水の掛け合い……とか?」


「わかった! えーい!!」


「お、やったな!」


 灼熱の太陽のもと、水しぶきが煌めく。


 麗音愛のかけた水が

 椿の水着を濡らしていく。


「きゃーー!! 口に入ったーー!!」


 はしゃいでたけど向かい合ってるから、どうしても揺れるフリルが目に入る。

 椿が海面を蹴り上げて水をかけてくるから、ボトムのフリルも揺れて真っ白なキレイな太腿をつい見てしまう。


 これは攻撃者に対する予測情報の収集練習であって……。

 と麗音愛がカチカチと脳内で考えていると思い切り椿に水をかけられた。


「あはは! 麗音愛どうしたのーー!? 今日不調だね!!」


「やったなーー!!」


「きゃはは!!」


 やり返してみたものの周りのカップルも同じような事をして

 いちゃついてるからなんだか恥ずかしくなってくる。

 麗音愛は少しだけ泳ごう! と言って競争ではなくバシャバシャと2人泳いだ。


 それから椿は砂遊びに夢中になり、お城を作り出す。


 今日はラッシュガードもつけないでビキニのままはしゃいでるせいか

 周りの男たちも椿に注目しはじめた。


 何か着ればと言えばいいのだけど、なんだか

 それでまた競泳水着にすると言われても困るし

 今日は椿が、というより麗音愛が自分で勝手に困っていることは自覚していた。


 誰かが写真を撮ろうとしてる気配を感じれば、思い切り呪怨を発生させる。

 寒気を感じた男達は携帯電話を降ろした。

 見るなオーラも出してみるが、やはりあまり役に立ってないようだ。

 こんな時は認識されないのは辛い。


「麗音愛、こっち穴が空いたよ〜」


「お、すごいじゃん、こっちはもうすぐ」


「えへへ、すごいでしょ!」


 誇らしげな椿の砂の城の穴を覗き込む。


 と、フリルの胸元の谷間が見えた


 谷間!!


 瞬間ドキーンとなる心臓。

 椿に谷間!? ととても失礼な事を考えてしまう麗音愛。


「麗音愛?どしたの?」


「や、なんでもない

 え~~と、かき氷でも食べようか」


「うん!! 食べたい~!」


「買ってきてやるから作ってなよ。そこの店に行く」


「いーの? ありがとう!

 もうすぐ、ここの塔完成するよ!」


 かき氷を2つ。1つはアイス乗せを頼んで

 椿の方を見ると、椿の元に男が2人立っている。


「ん……?」


 嫌な予感がするが店は混み合い、まだかき氷は届かない。


 ◇◇◇


「君めっちゃ可愛いねー」


「何歳? 中学生じゃないよね? 高校生? 地元?ここ」


 いやらしい目で男2人が椿に近づく。

 椿は男達を見ることもしない。


「私、お友達と来てるから

 あっち行ってください」


「やっぱ友達いるよね? 待ってるよ~~俺たちと遊ぼう!」


 男が馴れ馴れしく、椿の肩に触れる。


「ちょっとやめて! あ! お城が……

 そこ踏まないでください!」


 椿の声は無視してもう1人も椿の横に座る。


「そんなんよりビール飲もうよ〜

 飲んでみたいと思わない?? 酔っ払って遊ぼうよ~夏の思い出って……」


「俺の友達に何か用ですか??」


 背の高い影が椿と男たちの後ろに立つ。


「あん?」


「麗音愛!」


 麗音愛の目を見て、椿は麗音愛の後ろに隠れた。


「友達? なんだよ男かよ!」


「ってかお前、お友達って言われてんよー?」


 ギャハハハ!! と男達が笑う。


「それが?」


「はっ! 友達とかってごまかされてんだー

 悪い女の子だね。振り回して遊んでんの? アイス買わせに行かせてさ」


「なにを! あ! やめて踏まないで!!」


 ぐちゃ!! と踏まれた、城を見て椿が叫んだ。


「お前ら……!!」


「はぁ? なんだぁ?」


 麗音愛が1つ踏み出しだ足元から黒い黒い呪怨が滲み出し

 麗音愛の周りを取り囲み、亡者の呪いが叫び出す。

 男2人の足元に、掴み地獄に落とそうとする呪怨で彼らの魂を揺さぶる。


「お前ら……消えろ!」


「うわっ!? ひっひぃっっ」


 地獄を見た2人はひっくり返り、慌てて逃げ出した。

 途中で何度も転びながらも笑われていても必死に逃げる。

 呪怨の使い道に、どうこう言われる筋合いもないと実際、麗音愛は思っていた。

 ふん!と息を吐く。


「麗音愛」


「ごめん!! 1人にしなきゃ良かった」


「ううん」


「怖かったよね、ごめん」


「大丈夫

 もう少ししつこかったら殴るとこだったけど。

 お城壊されちゃって……悲しい」


「城を直すの手伝うよ。でもほら先に食べよ」


「うん……

 あ、かき氷ありがとう! アイスも乗ってる!」


「椿のだよ」


「いいの!? やったー!」


 お城の横に敷いた敷物は、少し小さくて2人肩を寄せ合って座った。


 椿は癖で麗音愛の肩に寄りかかろうとしたが

 お互いの素肌が触れ合い、あっごめんっとサッと離れる。


「えへへーかき氷美味しいー」


「かき氷のシロップが全部同じ味とか

 信じられないよなー」


「えっ嘘!! そんなわけないよ

 イチゴの味するもん」


「俺のもメロン味する」


「ええっっなんなのそれ!? 絶対うそだよーー!!

 メロン味食べさせて」


「はい」


 つい自分のスプーンにのったかき氷を、椿の口に向けて差し出してしまい、

 あ、と麗音愛は思ったが椿は反射的にパクッと食べる。

 椿の整ったさくらんぼのような唇が、むぎゅっとメロン味を味わってぺろっと食べ終わる。


 それを見て、また心臓が変に動く。


 なんてことはない、こんなことは前にもあったと思う。

 料理中の味見とか、1つ食べなよ、とか、それと同じ。

 全然特別でもない間柄なんだ、と。思うのに、心臓が。


 呪怨に喰われる。冷静に平静に凍りつけ。


「んー?

 メロン味するよー?

 ほら、食べてみて、いちご」


 椿が

 自分のスプーンでいちご味を差し出す。


「……」


 お天道様に照らされて、スプーンにいっぱい盛られた

 赤い可愛い氷がジリっと溶けていく。


「麗音愛?」


「あ、いや」


 停止した麗音愛に、ん? と思う椿だったが

 あ!! と気付いたようだ。


「あ! やだ、ど、どうぞ」


 スプーンを引っ込め、かき氷を差し出す。


「ご、ごめんね

 スプーン……さっき」


 気付いて慌てる椿。

 あまりその界隈を知らない椿でも、やっぱり同じもので食べるって

 あーんって、恥ずかしいと思うようだ。


「べ、別に気にしてないよ。

 俺が悪い。あーいちごの味するよね」


「だっ!! だよねぇ!?」


 いちごなんだか、メロンなんだか。

 感じた事のないドキドキをお互い感じて、

それでも染まった舌を見せたりして、笑ってキラキラの海のように、恥じらった笑顔も可愛くて。


 ドキドキいちご味のかき氷とメロン味。


 椿が気にするといけないので、自然にまたシェアして食べた。



挿絵(By みてみん) 

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― 新着の感想 ―
[良い点] ひ、紐ー?!?! サイドの細さがめちゃくちゃ良い!! NICE水着(*^ω^*) そして体のラインがセクスィー! 麗音愛よくぞ耐えてる…海デート、2人が楽しそうで嬉しい♡
[一言] デートだ……麗音愛と椿月たりだけでデート……(*´꒳`*)ジーン おねいさんは嬉しい( இ﹏இ ) 麗音愛に乗ろうをかけたのってもしかして……とある人物を思い浮かべているのですけどね。 こ…
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