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色の無い夜に・Colorless Night~最凶妖魔王を倒すため最強呪刀を継承した俺は、魔王に反旗を翻した妖魔姫とじれ恋学園生活しながら妖魔を討つ!  作者: 兎森りんこ
第2章 制服の笑み花の涙

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舞意杖と妖精のお兄様


 雪春に勉強を教えてもらう事になった椿。


「わ! すごい! これで、わかりました!!」


「うん、この説明でわかってくれるなら大丈夫だよ」


「ありがとうございます!」


 ふっと見ると予想以上に近い場所に、雪春の顔があった。

 パッと離れる。


「す、すみません」


「いいえ、色々と環境が変わったのにとても頑張ってて偉いね

 学校楽しいかい?」


「はい!」


「良かったよ……」


 メガネの奥でニコリと笑う瞳は、優しい。


「……」


 椿は、どこかで会った事があるような気がして記憶を辿っていた。


「玲央君も、椿さんの事をとても気にかけているようだね」


「一番のお友達なんです」


「一番の友達、そうか。妹みたいに可愛がってると聞いていたけどお友達なんだね」


「は、はい。同じ年齢だし、よく年下に間違われるけど」


 はにかみながら笑う。


「同じ年齢だもんね。お友達ってとても大事だよ、学校生活楽しんでね

 また、わからない問題でもあって玲央君が忙しいようだったら電話でも僕に聞いて」


「……でもお忙しいのに……」


「教える事を忘れてしまうと僕も困るからね、教師は僕の夢だから」


 剣一も、白夜団以外の道を創っておけと麗音愛に言っていた。

 麗音愛も大学進学のために頑張っているようだ。


 自分の未来は……?

 今はただ戯れに、放置されているだけで

 いつか気まぐれに紅夜に連れて行かれて……弄ばれて……考えたくない最悪な


 闇。


 いつ壊れるかわからない、胡蝶の夢のなかにいる。


 一番の友達の麗音愛と、同じ道に行けない事はわかってる。


「椿さん」


「あ……」


「大丈夫かい」


「はい、すみませんボーッとしちゃって」


 恐怖と絶望を奥の奥へと追いやって、椿は笑った。


「玲央君もとても強くて君を守ってくれる」


「はい……」


「でも、白夜団の事、もっと信じてもらえるように大人の僕らも頑張るからね」


 すっと雪春は、箱を取り出した。

 先日、紅夜会ルカから渡された桃純家の術道具だと言っていた。


「これは君が持っていた方が良さそうだ」


「何かわかったんですか?」


「まさに桃純家の術道具のようだよ、舞意杖(まいづえ)というようだ。

 こんなものが紅夜の手に渡っていたとは大失態だ……。

 資料も渡すけどやはり血の繋がりが重要だから

 深く潜ってごらん。きっと君ならわかると思う

 なくさないように肌見放さず持っていて」


 小さなペンサイズの装飾された魔法の杖やワンドに見えるが

 肌見放さずと言われると、少し困ってしまう。


「これ、どうかな? と思って作ってみたんだけど。今これを結んであげる」


 そういうと雪春は、綺麗な紐をペンダントになるように杖の端を絡めて編んでいく。


「わぁ……すごい……器用ですね……あ」


「ん? ……これなら首から下げていられるよね」


「昔……山で……」


「あれは、やっぱり君だったんだ。僕も思い出したんだよ」


 裏山で遊んで来いと言われる時があり、その時は屋敷に近づかない事を強く言われ

 適当な弁当を持たされ簡易的な山小屋で過ごす。

 椿はその時間が大好きで、1人で駆け回って遊んでいた時に出逢ったお兄様。


 あの時も、花かんむりを作ってくれたり、ツタでロープを作ったり

 椿は山の妖精だと思っていた。


「妖精のお兄様」


 ふっと、雪春も笑う。


「僕も君が、可憐な妖精さんかと思ったよ」


 数少ない楽しい思い出。

 でもあの日以降に出逢えた事はなかった。


「ごめんね、あの時、君が桃純家のお姫様だと気付いていれば」


「そんな、いいんです、そんな事……」


「ほら、できた」


 ペンダントになった舞意杖。綺麗な石が付いている。

 そっと椿の首に掛けてあげようとする雪春。


「いいね」


 近い距離に、少し驚く椿だが雪春はすぐに離れて胸元に舞意杖が揺れる。


「ありがとうございます」


「君なら同化できるよ、それはどうやら同化剥がしの時にも使用されるようだから」


「え!!」


「同化剥がしの資料を僕も探しているところなんだ」


「じゃあ……」


「今度桃純家の屋敷にも一緒に行こう」


「は、はい」


 感情の方は追いつかないが、状況は理解できた。

 同化剥がし……話は進んでる!!


「さ、数学の他にもわからないところはあるかい? なんでも教えるよ」


「でも」


「今日はもう仕事はあがってる。いい機会だ、わからない場所聞いておきなさい」


「は、はい」


 雪春の教え方は丁寧で、他の教科も覚え方のコツなど色々教えてくれた。


「はぁ~~ありがとうございましたー!! 良かったこれでテスト大丈夫そうです~~!!」


「夏休み、楽しめそうだね」


「はい!」


 その時、椿の電話が鳴った。




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― 新着の感想 ―
[一言] 椿と雪春さんの間にはそんな事があったのか。 でも、雪春さん、知ってて近づいたんじゃないかと思うのは勘繰りかな…… この人、底が知れないなぁ。
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