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色の無い夜に・Colorless Night~最凶妖魔王を倒すため最強呪刀を継承した俺は、魔王に反旗を翻した妖魔姫とじれ恋学園生活しながら妖魔を討つ!  作者: 兎森りんこ
第2章 制服の笑み花の涙

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おつかれランチにプレゼント



 剣一達と別れ

 ビル前に残された2人。


「麗音愛……? どこ行くの?」


「モール!!」


「えぇ?」


「昼飯食べに行こう?」


「うん!!」


 スーツ姿で歩く2人。

 制服と違う感覚。


 椿が麗音愛をチラッと見ると

 学ランより長い足が映えて大人に見える。


「ん? お腹減った?」


「うん……」


 いつもなら『カッコいい!』って言えるのに今日はなんだか恥ずかしくて言えない。


「ラーメン食べたかった? ラーメンにする?」


「なんでも、食べたい!」


「うん、今日はこんな格好だし、会議で疲れたご褒美に

 レストランの方に行ってみようか?」


 麗音愛は手を挙げて

 途中タクシーを拾った。


「大人……」


 タクシーに乗って帰るとか言ったけど、タクシーのシステムも知らなかった。


 そして今朝、昼間までの事を思い出してしまう椿。

 あたたかくて……優しくて……

 車の揺れでウトウト……子守唄を思い出す。

 子守唄を麗音愛が歌った事は椿は知らなかったが夢うつつで聴いていた。


「母さんが」


「……母様……」


「え?」


「あ、ごめんボーッとしちゃって」


「疲れたよね……あんな事はないと言ってたから連れてったのに、ごめんね」


「麗音愛、いいんだよ。気にしないでね」


「気にするよ……」


 母が亡くなってからの、秋穂名家からの扱い。

 暴言、暴力、行動の制限。思い出したくない過去。

 でももう最近は思い出さない。

 そして麻痺している。

 罰姫だ、死ね、消えろなんて、言われすぎて……麻痺している。


「いいの」


「あんな暴言許せない」


 麻酔を打ったように麻痺した心のために怒ってくれる。

 麗音愛から溢れる愛情が家族から注がれたもので眩しくて、

 椿はそれが嬉しかった。


「麗音愛」


「んっ?」


「やっぱりちょっと贅沢してレストランの方行ってみよー! すごく美味しいもの食べよ?」


「そうだね」


 麗音愛がやっと笑った事に椿は安心した。





 2人ともいつもは来ないレストラン街のちょっと高級和食のお店に行くことにする。

 ニコニコで注文を見ている椿。


「定食じゃなくてさ、単品で頼んでみようよ」


「え?」


「好きなもの、そのまま頼もう?」


「わぁワクワクする!! じゃあ麗音愛の見立ては!?」


「んー

 やわらかホウレンソウのベーコンサラダ、キュウリの梅肉和え

 手羽先揚げ4つ、和風サイコロステーキ

 ナスの煮浸しと、肉団子と根菜の黒酢あんかけ、エビ蓮根のはさみ揚げ、米」


「か、完璧ぃ……!! 豪華過ぎるー!!」


「足りないものあったら頼んで」


「ない!」


「よし! ピンポン押すぞ!」


「了解!」


 ピンポ~ン


 料理が来るまでも、なんだかんだ笑って話し

 料理が運ばれてくると、その度に美味しいと言い合い

 お互いがお互いの笑顔を見て楽しい食事だった。



 2人で精算して、お腹がいっぱい過ぎた2人は休憩~~と言ってムーンバックスに入る。

 矛盾していると笑いながら別腹で椿はチョコフラペチーノ

 麗音愛は珈琲を頼む。


 椿はスーツでムンバって大人みたい!! とはしゃぐので

 携帯電話で写真を撮ってあげてた。


 珈琲を飲んでいる途中で


「あのさ、少しここで待ってて?」


 と椿に言った。


「え? うん……大丈夫?もしかして呼び出し?」


 フラペチーノを飲んでいる椿が心配そうな顔をする。


「違う! 10分待ってて? なにもないし、心配しないで絶対戻る」


「でも私も一緒に……」


「すぐ戻る!」


 押し切ってしまったと思いながら麗音愛は走ってファンシーショップに行った。

 スーツ姿で、焦りながらの若い男に店員も驚く。

 大きなぬいぐるみは店の上の方の棚に並べられていて、自分では取れないようだ。


「あの……あの……もみ……? ちがっもふ?あの、あれください」


 名前が思い出せなくなった麗音愛

 恥ずかしさが倍増で赤面してしまう。


「あの、プレゼントでお願いします」


「包装とおリボンはピンクにしますか?ブルー?」


「え!? えぇと……えぇ……ピ、ピンクでお願いします」


 と言ったところで、店員のお姉さんはニコニコうふふと笑ってラッピングしてくれた。


「お待たせしました、ありがとうございます~」


「あ、ありがとうございました」


 可愛いピンク色のラッピングのプレゼントは大きくて

 紙袋には入らず抱えて慌てて走る。

 ラッピングは意外に時間がかかり10分過ぎてしまった。


 椿から電話がきて、すぐに出た。


『麗音愛?』


「ごめん、今行くよ」


 エスカレーターから、抱えて降りていくと

 ムンバで待っている椿の姿が見える。


『麗音愛どこいったの?』


「上だよエスカレーター」


 不安そうな顔がエスカレーターに乗る自分に気付くと

 思い切り笑顔になった。




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― 新着の感想 ―
[一言] 何ちゅう穏やかなデートだろう。 これぞ、『The Date』だ!╰(*´︶`*)╯♡ この二人でいるとこんなに穏やかで楽しくいられるというのだから、他の人は入ってこないで!と思ってしまう。…
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