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色の無い夜に・Colorless Night~最凶妖魔王を倒すため最強呪刀を継承した俺は、魔王に反旗を翻した妖魔姫とじれ恋学園生活しながら妖魔を討つ!  作者: 兎森りんこ
第2章 制服の笑み花の涙

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恋心クエスチョンもやもや

 

 白夜団は紅夜会の動きを最大限警戒しているが

 今のところ

 妖魔達の動きが激しくなってきている以外

 椿や麗音愛に対しての攻撃は今の所なかった。


 嵐の前の静けさ、とも言われているが

 麗音愛は平和な時に不安になる事はしなかった。


「おはよー!」


「おはよー椿!」


 ワイワイと朝の学校、挨拶が飛び交う。


「椿ちゃーんおはよー」


「おはようございます!!」


 あっという間に椿は

 学校の人気者になった。


 椿自身が目立とうと行動する事はないが

 純粋に初めてのものに驚いたり、

 楽しんだりする素直さ、

 身体能力の高さにも注目を浴びて、

 何より美人で可愛らしいとみんなが椿に好意を持つ。


 隣にいる麗音愛は、

 従妹だ、従妹だと

 毎日誰かに説明している。


 麗音愛の教室

 昼休み、カッツーが携帯電話をいじりながら話しかけてきた。


「なぁなぁー椿ちゃんのさぁ

 お部屋着ショットとかぁないのぉー?? 玲央様~~」


「お、お部屋着ショットってなんだよ……」


「可愛らしいふわふわなお部屋着とか着てるような椿ちゃーん

 ファーファ~~~ふぁーふぁーつばきぃちゃ~~ん」


「ジャージ着てるのしか見た事ないけど」


「お前一緒に寝たりしてんの!?」


「寝てるわけないだろ!」


 と……この前一緒に寝た事を思い出す。

 頭爆発してたなー……と、思い出し笑いをしてしまう。


「何ニヤけてんの? 玲央

 やらしーぞ!! そのエロ画像を口で話せ!!」


「ただちょっと面白い事を思い出し笑いしただけだよ!!

 それにしたって盗撮とか犯罪だろ」


「椿ちゃんいつも!  盗撮されてんぞっ」


 はぁ!? と驚く麗音愛を無視して

 カッツーは自分の写真フォルダーを見ている。


「ブフォ!

 俺この前、椿ちゃん撮った写真のさぁ、この玲央傑作!

 お前ってほんと写真写り最悪なのな

 顔だけブレてんぞっっ。どやったらこんなんなるのよ!?

 高速回転してた!?」


「む、むかつく奴だな……」


 麗音愛は生まれながらの人に注目されない呪いの影響で

 写真にまともに映れない。


 いつも馬鹿にされるので、麗音愛は写真が大嫌いだ。

 それなりの力のある能力者がシャッターを押すと撮れるらしく

 確かに、家族写真はまともに撮れていて母の直美が大切に保管してある。


「カッツー椿に言いつけるからな! 削除!!!」


「ああーん!! 玲央の鬼畜!」






「麗音愛ーっ!!」


 今度は椿が血相を変えて麗音愛の教室に走ってきた。

 何事かと麗音愛も椿のもとに駆け寄る。


「どうした!?」


「こ、これ……」


 コソッと麗音愛に見せると


『渡辺椿様

 放課後、校舎裏のイチョウの木の前で

 待っています』


 と書かれている。


 麗音愛の耳に手をやり

 これ、なんだろう?? 紅夜会の呼び出しとかだったら……

 とボソッと真剣に話してくる。


「う、うーん、

 ここは今かなり特殊な結界が張られてるから、あいつらが入り込めるすきはないし

 御見張りさんもいるし……

 そんな心配はないと思うけど」


「でも、じゃあ、これは何?? 果たし状?」


「それは、多分……行けばわかる」




 放課後、イチョウの木の前。

 男子生徒が一人待っていた。

 この男が……? と椿は警戒して近づく。


「渡辺椿さん

 俺とお付き合いしてくれませんか!?」


「え?」


「お付き合いしてください!」


「どこに?話が……よくわからなくて……」


 迫力に押される椿。

 だが、戦闘力は低そうだ。


「あの交際を」


「交際……?」


「男女交際です」


「男女交際」


 とりあえず繰り返しながら考える。


「彼氏とか彼女とか恋人とか」


「あー……え!? それを私と!?」


「俺! 一目惚れしちゃったんだ!!

 絶対! 大事にするから!椿ちゃあああん!」


 そう言いながらも

 ガシッと強引に椿の両肩を掴み

 ギラギラした目で唇を寄せてくる。


「!? やだやめてっ!!」


 パシっと男子生徒の腕を払ったのは

 麗音愛だった。


「麗音愛っっ!」


 殴りそうになった拳を収めて、麗音愛の背中に隠れる椿。


「俺の従妹に、無理強いしないでもらえるかな」


「いくら従妹ったってこんなところ邪魔するなよっっ!!」


 見られていた事からの動揺からか男子生徒は大声で叫ぶ。


「乱暴するからだろう

 椿の叫び声が聞こえたから来たんだ」


「椿ちゃーん大丈夫ー!?」


 上から見守っていたらしい

 ワイワイと椿のクラスメイトの仲良し女友達もやってきた。


「あんた最低ーー!」


「あっち行け!馬鹿!変態!」


「大丈夫? 椿~」


 女子達に非難され、男子生徒は逃げて行った。


「う、うん大丈夫

 なんかちょっと怖かったけどアハハ」


「つばちん~~~!!」


 よしよしと、みんなに慰められる椿。

 こんな時は女の子同士のほうが良いのかなと見守る麗音愛。



「あ、咲楽紫千(さらしせん)くーん!! そこにいた!」


「藤堂? どうしたー?」


 3階から美子が顔を出して麗音愛に声をかけた。

 さすがに大勢の前では名字で呼び合う。


「ちょっと図書室で手伝ってほしくてー

 でも忙しそうだねー!?」


「えっと……」


 ちらっと椿を見る麗音愛。

 椿を心配して傍にいようとしている気持ちが伝わってきた。


「麗音愛は暇ですよー!!」


「椿」


「私、大丈夫!」


「無理しなくてもいーよぉー!?」


 と上から、また美子の声。


「麗音愛、行ってあげなよ」


「わかった……行くよ!!

 図書室で待っててくれー!」


「はーい! ありがとう」


 美子が手を振って窓から見えなくなると

 麗音愛が椿に向き直る。



「ごめん、ちょっと行ってくる」


「うん行ってらっしゃい」



 モヤモヤと胸焼けがしてくる。

 お腹空いたのかな?と椿は思う。


「椿も図書室来る?

 本がいっぱいあるよ」


「椿ぃ放課後暇なら

 教室でお喋りして待ってようよー」


「ちょっと心配だから

 そうしてくれたら俺も安心。どっちでも好きなほうで」


「うん、わかった。みんなと待ってる」


「じゃ、後で」


 麗音愛は急いで走って行ってしまう。

 また心臓が疼く

 ふぅと椿は息を吐き出した。


「さっきの図書部の部長さんだよね

 玲央くん付き合ってんの?」


「違うと思うけど……わかんない……」


「椿って本当に

 山奥のお嬢様学校の寮に入ってたんだね」


 思った以上に椿が世間知らずだったので、つい麗音愛が適当な事を言っていたら

 そんな話になってしまった。


「俗世を知らないんだわ~~きゃわいい!!」


「じゃあ色々教えてあげるよっっ」


 椿の教室で

 皆でワイワイとジュースを飲みながらお菓子を広げている。


「恋ってよくわかんない」


「恋した事ないの?」


「ない」


「恋愛漫画も読んだ事無いの?」


「本は好きだけど、漫画は禁止で……本もそういうのは読んだ事無い」


 もともと学校も行かず子ども達から離され生きてきた椿には

 感覚が理解できないでいた。


「お友達の好きとは違った好きなの?」


「うん、違うね~」


「そうなんだ……」


 初めての友達、麗音愛。

 友情は恋ではない……そうなのかと椿は思う。


「まぁ女子校で女の子しかいなかったら仕方ないよ~これから高校生活できっと好きな人できるよ」


「うん、わかった」


 そう言いながらも、男だ女だと言われると

 ゾワっとしてしまうし、興味もない。

 その後話は変わり、

 みんなでワイワイ話をしていたが

 1人、また1人と

 男の子が迎えに来て帰っていく。


 彼氏だとか彼氏ではないとか?

 色々複雑らしいがみんな笑顔で楽しそうだ。


 最後みーちゃんが残ると言ったが

 申し訳なく思い

 椿から大丈夫だと伝えて帰ってもらった。




 

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― 新着の感想 ―
[一言] 「お付き合いしてください!」 「どこに?」 思わず噴いたけど、椿ちゃん、そういうことに縁がなかったから仕方ないな。 純粋な椿ちゃんを怖がらせる輩は成敗してくれる!!! 彼氏だとか彼女だとか…
[一言] 椿ちゃん……それはね、『嫉妬』だよ( ー̀֊ー́ )✧︎ 無自覚なんだなぁ、まだ。 こういうところがまた可愛いよね〜
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