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ドキドキミニ文化祭~カオスなアリス~ ◇挿絵あり


 教室のカーテンでサナギになっている椿。

 うさぎの耳がぴょっこり出ている。


「あれよあれよと

 ひん剥かれ、着せられたようでしたよ」


「これって、うさぎの耳……まさか……」


「麗音愛ごめんなさい……抵抗できなくて……うう」


 教室に着くなりパーティションの着替えスペースに連れ込まれ

 梨里達、黒ギャルメンバーが

『はい! 脱いで!! はいはい! これ着て! 見せてぇ! やっちゃってー! はいはい!』

 と手拍子をされ脱がされ、焦り慌てて着替えてしまったんだという。

 気付いた時には白バニガの出来上がり。


「バニーガール……?」


「……うん……ごめんなさい……」


「謝る事なんて、俺は怒ってないよ、でも……」


「でも?」


「ちょっと俺にだけ、見せてほしい」


「え?」


 スケベ心ではないよ、というようにサラッと言ったつもりだが勿論スケベ心である。

 少し歪んだ椿の顔に内心慌てるが、冷静な顔をする。


「えーと……椿……」


「うん……」


「一体どんな格好か確認をしないと、鹿義に意見も言えないし」


 いつも冷静でいるようにしてきた、修行が役に立った瞬間だ。

 きっとスケベ心は悟られてはいるまい。


「そうだよね。うん……わかった」


 完全勝利!


 ゆっくりサナギを巻き戻した椿。

 教室中が注目しているが、そっとカーテンを他の奴らに見えないように覗くと

 そこにはバニーガール姿の椿がいた。


 白いバニースーツはぴたりとスレンダーな体に密着し光沢が体の凹凸を表している。

 細い腕の手首にはカフス。

 首には襟とリボン。

 背は低くてもスラリ細い足は白の網タイツ。

 手には懐中時計を持っている。

 着せられすぐ逃げたのか、靴だけはいつもの内履きだ。


 それでもウサギ耳を揺らしながら、泣きそうに目を潤ませる表情も相まって

 それはもう、それはそれはもうだ。


「くっ……!!」


 今、盛大に血を流したら大問題だ。

 麗音愛は色々と頑張った。


「よく似合ってるでしょ~~

 アリスのうさぎバージョンバニーガールだよん

 ま、姫に似合うように装飾はあんまり派手にしてないけど」


 まるで服屋の店員が試着室に確認しに来たように梨里が笑う。


「似合ってる……。

 あ! いや、ダメだろこんな格好!!

 ってお前はなんの格好をしてるんだ!!」


 いつの間にかロングコートを脱いだ梨里は

 ピンクと紫のド派手なバニースーツ。

 しかし耳は猫耳で長い尻尾がついている。スーパーハイレグ。

 網タイツにピンヒールパンプス。


「チシャ猫バージョンバニーガールだよん」


「……もう意味がわからん」


 大迫力のナイスバディな猫バニガに、取り巻きや男子達は目を奪われ

 しかも他の黒ギャル達もセクシーなトランプの女王や、いかれ帽子屋なんてビキニだ。

 いかれてる。

 15分座っただけで何10万もとられそうな気持ちになってくる。


 それを見ると真っ白な白バニーガールの椿は、地味にすら思えた。

 そこは梨里の少しの気遣いなんだろうか、しかし椿のファンは大勢いるのだ。

 高校生男子には刺激が強すぎる。


「椿を見世物にできるか!!」


「いいじゃん」


「いくない!」


「慣れれば見られる快感が出てくるよぉ

『麗音愛~椿ぃ見られるのきもちい~』ってさ、なるなる!!」


「椿はそんな事言わない!」


「でも、白うさぎは姫しかいないし……

 アリスの衣装も亜門サイズしかないし……

 2人がいなかったらアリスになんないじゃーん……」


 急にしくしくと悲しそうになる梨里。

 周りの企画してきた黒ギャル達も落ち込む顔をする。


「う……協力するって、私言っちゃった……」


 自分の言葉に責任を感じだす椿。

 任務や当主会議で放課後残れない事もあり、あまり準備に参加できていない事も気にしていたのだ。


 男子達からもお願いしますコールがかかる。

 トランプメイドになった椿フレンズは抗議したが、黒ギャル達は

『かわいいからいいじゃ~~ん』といまいち会話にならない。


 椿は小さく『私が頑張らないとだよね……』と呟いた。


「じゃあ、条件がある! みんなだって椿が1人傷つく文化祭にはしたくないだろう」


「そう! そうだよ!」


 みーちゃん達も麗音愛に同意し声をあげる。


「んん? どんな条件~?? 興味ある」


「麗音愛……」


「椿、これを……」


 麗音愛は学ランを脱いで、椿に羽織らせる。


「耳さえ付けておけば白ウサギだってわかるし

 これでもいいだろう」


「麗音愛……」


「あ、足がちょっと……エロいままだけど……」


 だが、まぁ身長差のある麗音愛の学ランなので出た足はいつものスカートより短いくらいだ。

 椿フレンズのメイド服と変わらない。


「えーちょっと~愛感じるー!!

 いいね!! それでいこー!!」


「サラの学ラン……

 ……いいのかよ」


 亜門が少し羨ましそうに、しかし呆れながら言う。

 男子達も残念なため息をついたが

 学ランバニーはそれはそれでいいという男子の声もあがった。


「彼氏面しやがって」


 という声が聞こえてくる。

 彼氏なのだが、やはり認知されていない。

 さすがの麗音愛も若干苛立つ気持ちだ。


 そんな麗音愛に椿が微笑む。


「ありがとう。麗音愛の学ランを着てなら頑張れそう」


「うん」


「……遊びに来てくれる?」


「開店と同時に閉店までいます」


「本当!? わぁい」


「俺が、椿を守る!」


「麗音愛……嬉しい」


 微笑む椿の手を握った。


「椿……」


「あ、じゃあさぁ!! 玲央ぴ」


 2人の世界にズカっと入ってくる梨里。


「「えっ?」」


 何故か麗音愛はクラスも違うのに、風邪で休んだ取り巻きメンズの1人の

 3月うさぎの衣装を着せられ手伝う事にされてしまった。


「おかしいだろ」


 しかし、これで椿の周りを護衛はできるかと仕方なく納得する。


 ちなみに佐伯ヶ原は

 アリス衣装のリボンを引き千切り、フリルを切り裂き

『これが世界のSAEKIGAHARAだぁあああ!!』と

 漂流なんだか腐敗なんだかのアリスを表現した!とドレスを創り、ズボンは学ランのまま装着した。


 学ラン白ウサギ椿と並べば、独特の世界観のある2組アリス喫茶が開店したのである。

 

「え? 玲央先輩が2年2組のヘルプに??」


 噂を聞いた琴音が2年クラスの廊下を歩いていた。



 挿絵(By みてみん) 


 挿絵(By みてみん)


いつもありがとうございます!

挿絵は白バニガ椿と学ラン椿、漂流アリス佐伯ヶ原です。


どうして白バニガ!?と思う方もいらっしゃるかもしれませんので軽く説明を!

昨年のハロウイン短編のあたりから私が白バニガ椿にハマってしまい

Twitter上でも白バニガ椿の絵ばかり描き、派生してスピンオフ漫画も描いてしまう始末でした。

(笑)是非Twitterも覗きにきてくださいませ^^


でも本編には出てこない……いつか出したいという事でやっと本編にも出せました!

ちなみに短編のハロウインバニガを経て、という状況でも違和感はないように一応書きました!

が、短編を読んでいない方のために

麗音愛がバニガ姿を見るのは二度目などというお話にはしませんでした。


楽しいミニ文化祭

でも嵐の女子がやってきます。

どうなることでしょうか?


続きも読んで頂けると嬉しいですm(_ _)m






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― 新着の感想 ―
[良い点] スケベ心であるwwww 麗音愛!修行しててよかったね!www リリちゃんのチェシャバニも佐伯ヶ原のフリフリ少年アリスもクラスのみんなも見たい〜♡
[良い点] とうとう本編で白バニガ着せよった!! いつかやるとは思っていたが…( ^q^ ) 佐伯ヶ原くん、可愛いまんまで出れば良かったのにぃ 梨里、グッジョブ(=°▽°)b [一言] カッツー…
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