表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

224/472

白高メンバー(琴音不在の)クリスマスパーティー!

 

 琴音が提案したはずの白高(びゃっこう)メンバーでのクリスマスパーティー。

 しかし琴音は加正寺家当主の逝去により来れなくなったのだった。


「まさか加正寺(かしょうじ)家まで不幸があるとはな……」


 佐伯ヶ原が携帯電話でニュースを見る。

 加正寺家は大きな会社も経営しており全国ニュースでも報じられた。


 本来であれば、盛大に葬式が行われるが紅夜会を恐れ密葬という事になったようだ。

 麗音愛も椿もある程度は聞いているのだが、加正寺当主も七当主会合の時に

 麗音愛に怒号を浴びせたり、椿に触れようとしてきた老人だ。

 今後の混乱は不安ではあるが、哀しいなどという言葉は出ない。


 麗音愛も椿も婚約の話は伏せていた……が。


「なんか婚約するとか言ってたぜ、琴音」


 龍之介はバクバクとエクレアを食べながら言う。


「えっ!? 内密にって言ってたのに、みんなに言ってるの?」


 椿がコンビニのチキンを食べ終え、驚きの声をあげる。


「このメンバーには教えるって~まずは俺にってさ

 俺ら結構仲いいんだよ」


 龍之介はニヤニヤして話す。確かに合宿でも色々話していたようだ。

 美子と佐伯ヶ原は一切聞いていないような顔をする。

 梨里は少々呆れ顔。


「あの子が当主の嫁で、副当主でってなったら

 やばくない? ガチ影響力あるっしょ」


「まぁいくらなんでも、それで白夜団を仕切ったりするわけじゃないでしょ」


「あいつに命令されるとか、俺は勘弁だね。

 龍之介は加正寺に抜かされて悔しくないのか。サラにはあんなに楯突いてたくせによ」


 佐伯ヶ原はそう言いながらスケッチをしている。

 もちろん描いているのは麗音愛だ。

 サンタ帽を描く時、少しニヤけている。


「結局これからは実戦だしな、テストの順位なんて関係ねーなって思ったわけ。

 それに、琴音は可愛いだろ? こいつは可愛くない」


「こいつ言うな。お前も相当可愛くないぞ」


「んだと」


 麗音愛が椿を挟んで座っている龍之介に言い返した。


「麗音愛、釘差君、喧嘩はダメ」


「大丈夫。しないよ」


「椿が悲しむ事もうしないって俺言ったべ?」


 龍之介は何度もそう言って色々と繰り返してるんだが、と椿は少々苦笑いするが

 麗音愛には安心した笑みを浮かべる。

 椿の素肌の肩が近いが、龍之介も近いのが気になる。


「加正寺家、本家の明橙夜明集(めいとうやめいしゅう)はどんな武器なの?

 今頃、次の当主が継承しているのかな……」


「加正寺本家の武器も、サーベルだよ。

 えっと……骨研丸ほねとぎまるだったかな……」


 明橙夜明集はほぼ暗記している椿が答える。


「ほねとぎまる……。

 また、すごい名前だな。まさか呪い刀じゃ……。

 すぐ結婚するわけではないだろうけど

 これから夫婦で闘ったりするんだろうか……」


「闘えるような感じでもなかったけどなぁ。デブの中年だった気がする。

 同化剥がしん時に来てたぞ」


 エクレアの次はボリボリとポテトチップを食べる龍之介。

 美子は温かいカフェオレを淹れ席に戻った。

 結局いつものように、食べて飲んで喋っての会だ。


「あ~いたかもね。結構キモかった。あたしの事めっちゃ見てきたし」


「なんだか、政略結婚って感じね……このご時世に」


 夫婦や結婚の言葉を聞いて、食べるのをやめてしまった椿。

 表情が少しこわばる。


「椿? 大丈夫?」


「あ、な、なんでもない!」


「ごめん、俺もしつこいね」


「ううん、ううん……そんな事ない。ありがとう麗音愛」


『~~♫~~♪…………』


 龍之介が動画サイトを介して、クリスマスソングを流していたが急に違うチャンネルになったようだ。


『新しい世界がもうすぐやってくるっていう話、今日はしようか』


 どこかの動画配信者のトークになった。


「なに? バカ龍、変なのになってっし」


「あー勝手に次の動画に……」


『本当の意味での世紀末ではないけど、世紀末っていうか……世界が生まれ変わるの』


『一度破滅するけど、新しい人類の幕開け』


 もう1人出てきて、不穏な言葉を発している。


「なぁに? 嫌な話してるわね。早く消してよ龍之介」


「いやー、なんか最近聞くんだよな

 世紀末とか、世界の終わり」


「……妖魔の事件が発端で不安が市民に広がってきているのかもしれない」


 一般市民には妖魔の存在は知らされてはいない。

 だが、無残な殺人事件や行方不明事件がここ最近は急増し本能的に危機を感じているのかもしれない。


「紅夜は、度々厄災のようにこの世に現れ……妖魔を引き連れ人間を苦しめ

 神話の世界では白夜様が、それから人間は与えられた明橙夜明集で闘い退けてきた。

 でも今はその紅夜を崇める人間達がいるから……」


 ポツリポツリと言葉を零す椿。


「何が望みなんだ……」


 そう言った麗音愛の腕に思わず、しがみついた椿。

 自分を花嫁にする――。

 それだけでも残酷な事だが、もっと恐ろしい事が待っているような気がする。


『そこでどうしたら、生き残れるのか』


『俺らは進化できるか、君は……どうする?』


 皆が黙ってしまう。


「龍之介、もうやめろ。パーティーなんだから」


 腕に抱きついてきた椿を支えるように、手を握った。


「わーったよ。さっきの音楽……あ、プレゼント交換するか。ぴったりの曲あるぜ」


「そうしよー!! ったくバカ龍のせいで盛り下がるしー!!

 みんなちゃんと買ったー!?」


 皆がワイワイとカバンに手を伸ばすなか、椿は黙ったままだ。


「……椿……?」


「あ! う、うん! 私は麗音愛とブリッジグレイブヤードで買ったよ」


 ハッとなって麗音愛から離れた椿は、慌ててプレゼントの話題を出す。

 またBGMが流れ出し、皆がワイワイとプレゼント交換の準備をした。




いつもありがとうございます!!

気に入ってくださいましたら

ブクマ、評価☆(下部の☆☆☆☆☆です

感想、レビューお願い致します(#^.^#)


次回は閑話的な、楽しいプレゼント交換のお話にしようかと思います☆

こんなお話が読みたい、などありましたら是非

活動報告コメント欄や感想まで(#^.^#)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 琴音の婚約者が太った中年? 成る程、麗音愛に執着する意味が少しわかる気がしたけれど、それを決めたのは琴音で……いや、もしかすると本当に白夜団を牛耳るつもりなのでは? 自分が牛耳れば麗音愛と椿…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ