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修旅~麗音愛・童貞SHOCK!~

 

 寝た時と同じ

 オレンジ色の光の中、早朝4時に全員起床した。

 地上はもう秋も深く冷え込んでいるが、この地下は生暖かい。


「朝飯は訓練の後だ!」


 意外にも龍之介と梨里はしっかり起きてストレッチをしている。


「姫おっはよ」


 ゆさゆさと揺れる巨乳に椿も奪われてしまう。

 姫と呼ばれるのを否定するのは諦めた。


「おはようございます……朝練いつもしてるんですか?」


「うちらタメだよ~? 敬語やめってタメ口で話してや

 まぁたまにね~」


「は、はい……そうなんだ」


「一応同化継承者だし? 玲央ぴっぴは~?」


 また変な呼び方をしているが、それにももうツッコまない。


「あっちの井戸で顔洗ってる」


「姫は、玲央ぴっぴと親友なんだってね?」


「う、うん」


「いいね~親友同士

 結婚式にも呼び合ったりしてさ、一生仲良くできたらいいじゃんね~」


「け……」


「いつまでも、仲良い親友でいられるといーね!」


「う、うんありがとう」


 にっこり笑う梨里のピアスが光る。

 つられて椿も笑ってしまったが引きつってしまう。


「よーし!! お前らまずはランニングだ!!

 とりあえず20周!!」


「はぁああ!?」


「夜十木さん!!」


 武十見のスパルタ特訓は伊予奈にダメ出しをされ

 女子や佐伯ヶ原は学校の体育授業のような軽いトレーニングになったが

 麗音愛に張り合う龍之介に、麗音愛も張り合い

 そして剣一も兄の立場として結局

 武十見のスパルタ特訓を受けることになった。


「もっと深くだぁ!」


 スクワットを続ける麗音愛達、椿もまた一緒にスクワットをしていた。


「はぁ、はぁ……きっつ……くっそ」


「おい、玲央……お前……はぁ……リタイヤしたかったら

 いつでもしろよな……ぐぐぐ」


「するわけが……ないだろぉ……」


 横で椿がリタイヤしていないのに、できるわけがない。


「負けない~~~~!!」


 親友として椿の負けず嫌いも知っているし

 強くなりたい気持ちの大きさも十分わかってる。


 敵は紅夜だが、此処で男として椿に負けるわけにはいかないのだ。


 邪流の流れが急に変わり麗音愛の足元に流れたのがわかった。


「!」


 ただでさえキツイ精神状態のなか、呪怨が暴れだす……!!


 隣には椿がいる!!

 足元に呪怨が溢れ出したが、足を踏み込み踏み潰す。


 心を殺すだけではない、呪怨を圧する精神力をもっと……!!


「くそぉ……!!」


 龍之介が倒れた横で、麗音愛は呪怨を統制しつつトレーニングを続ける。


「よし! 邪流が渦巻く中で玲央よくやった!!」






 武十見グループに朝ごはんが配られるが

 剣一はグロッキーで倒れ込み食べられず。

 龍之介は見当たらない。


「兄さん、鍛錬不足だね」


「最近は……ぜぇはぁ……稽古より……退治仕事の方が多いから

 こんな筋トレ……はぁぜぇあぁ……はぁ……あぁ……いらんんだぁ」


「椿ちゃん、すごいわね大丈夫なの?」


 剣一にスポーツドリンクを渡し、美子は椿の隣に座った。


「うん、大丈夫。おにぎり美味しい」


「玲央先輩、お味噌汁もどうぞ」


「ありがとう」


 琴音は麗音愛の隣に座る。

 汗に濡れて水を頭からかぶり、濡れた麗音愛に見惚れているのは

 明らかだった。


「どうかした?」


「え、いえ! なんでもないんです!

 調査部ですから!」


「午前中は、結界の勉強だって。

 私がしっかり教えてあげるわね」


 美子が琴音に微笑みかけるが

 琴音は明らかにがっかりしている。

 顔に出やすい性格のようだ。


「玲央っぴっぴ~結界一緒に頑張ろうねぇ」


 そして梨里が座っている麗音愛に後ろから抱きついた。


「! 玲央先輩から離れてください!!」


「ちょ、やめ……! 鹿義!」


「……なんだよ……玲央……ハーレムとか……ざけんなよぉおお

 あ~ダメもう帰る俺……」


 麗音愛は慌てて振りほどこうとするが

 梨里の豊満な胸がボヨンボヨンと揺れて麗音愛の背中にぶつかる迫力の様を

 椿がじーーーっと動けず見つめてくる。


「離れなさい! 梨里!」


 美子も手を伸ばして梨里を離れさせようとするが

 ユサユサと美子の胸もTシャツの中揺れるのがわかる。


 椿はそれを見て、自分の胸を見つめ、また梨里を見る。


「玲央ぉ~そんな恥ずかしがるなんて~尊い~~」


 椿にじーーーっとそんな場面を見つめられ

 なんだか冷や汗の出てくる麗音愛。


「鹿義!!」


 少し強い力を込めて

 立ち上がり、離れたが梨里はキャッキャと笑う。


「セクハラですよ!!」


「玲央かっわいいね、じゃアタシはトイレ~あと5分だってよ

 玲央ってもしかして……童貞?きゃはは」


 女子に言われた人生で1番の衝撃台詞を更新した麗音愛。


「ドーテー?」


 読む本も厳しく制限されていた無垢な椿は意味がわからず。


「れ、玲央先輩……え……」


 琴音は意味深な動揺の仕方をする。


「ひゃひゃ……くっっ」


 倒れ込みながら、堪えきれないと笑う剣一を麗音愛が殴る。


「俺は修行に来てるんだよ!」


「おい玲央、武十見さんに頼まれたから

 繊細な結界術はこの龍之介さんが教えてやんよ童貞君」


「じゃあ、早速教えてもらおうかな……龍之介」


 急に現れ笑う龍之介に、引きつり冷たい殺気を向ける麗音愛。


「いいだろう!! 童貞を殺す俺の針留結界で泣けよ!!」


 龍之介は10数個の結界を出現させ、瞬時に針化させると

 一気にそれを麗音愛に向けて放った――!!




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― 新着の感想 ―
[一言] 奥にある小屋が気になるところ。 修行の方は滞り無く……とはいかないまでも、梨里!童貞発言かよ! 麗音愛は健全な高校生だ!当たり前だろうが! 椿に悪影響がなければ良いんだけど……お姉さんは心…
[良い点] 和やかムードで楽しい回です。個人個人の心理描写がよく伝わります(*'▽')! [一言] 平胸族の自分としては大きさじゃないから大丈夫椿ちゃん(*'▽') 麗音愛君も誰でも最初はアレですか…
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