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疑い深さは蜜の味  作者: 流 一徳
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キャンピングカーへの序章2

博史と明美の住むマンションは、湘南台駅から10分程度離れた川の横に建っている。4DLKの間取りで、当時子供も大きくなってきたので新しい住まいをと考えていた2人の人生最大の買い物であった。

ここに決めた最大の理由は、2人の乗る大型バイク2台が屋根付きの場所に置けた事である。その時の2人にはオートバイは子供の次に大事な存在であった。


明美は下の子供が大学を卒業すると同時に総合病院のフルタイム勤務から、働きたい時間だけで良いと言ってくれた古くから交流があった個人病院へ勤務場所を変えた。最近はどこの病院も相も変わらず人手不足は同じの様で、なかなか希望通りの予定で休日は過ごせない日が続いていた。

たまに合う2人の休日には、体力に余裕があれば2人の趣味のバイクツーリングへ出かけた。先週は圏央道から中央道へ高速道路を走り一宮御坂ICで降りて付近の観光をし、お出かけ目的のほうとうを昼食で食べた。ほうとうとは山梨県の名物で、名古屋のきしめんと似た麺で、だし汁は味噌、これにカボチャ・じゃがいも・人参,椎茸などが入っている。お店では鉄鍋に入って出てくるものが多い。古から甲斐の国ではほうとうがよく食べられていたそうで,地元の方によると、作って翌日にカボチャなど野菜類が汁に溶けてドロドロになったものを食べるのが1番美味しいとの事。お店では見栄えも悪く出せないから、観光客の人は食べれないけどねと話してくれた。

山梨は国中地域と郡内地域という昔からの地域の区分けがあり、ほうとうもその区域分けに倣って2種類ある様である。国中地域とは甲府盆地内の甲府市を中心にした部分を指す様で,また郡内地域とは山梨の西側の大月市・富士河口湖地域を指すとのことである。国中のほうとうは、味噌の味が濃くこってり風であり、カボチャの味がシンボルのほうとうである。郡内のほうとうは、味噌味は変わらないが、さっぱりあっさり風で白菜など野菜が多く入っているヘルシーな感じがするほうとうの店が多い。

博史は濃い目のほうとうが好きで、明美はさっぱりしたものが好きという事で、今回は地域的に境目の山梨市にてほうとうを食べた。

確かに味噌の味は薄くもなく濃くもなく、野菜類も微妙に国中と郡内の以前食べたほうとうの中間程度であった。これなら2人とも満足出来た味であった。

「この鳥モツ煮というの食べてみようよ」メニューを見ていた明美が言った。

「そうだな、頼んでみようか。テレビでB級グルメの大会やっていた時に見たことあるな」とほうとうと共に頼んだのが、これも山梨だけの名物?の甲州鳥モツ煮である。普通モツ煮といえば豚か馬のモツ煮が一般的であるが、ここ山梨では鳥モツ煮が有名との事。


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