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風邪とおかゆの作り方

ヒュ〜〜〜〜

冷たい風がかけぬけるなか、俺は屋敷の外でメイドを待っていた。


「寒いな、あいつまだかよ。」


いつもの訓練で、「外でまっていてください」

と言われ、待っていたのだが............

(遅いな、あいつが時間を守らないわけないし。)

あいつはかなり時間を守る方であり、今まで訓練で遅れたことなんか一度もなかった。

にも関わらず、もう10分は過ぎている。


(何かあったのか......)


心配になりつつ、あいつを待っていると。


「お、おませしました、坊っちゃま。」


「たが抜けてるぞ、いったいどうし!?」


そこには顔を赤くし、屋敷の壁にもたれかかっているあいつの姿があった。


「大丈夫か!」


心配になった俺は、あいつの傍に駆け寄り、額に手を当ててみると。


「あっつ!?

お前これ絶対風邪だろ。」


めちゃくちゃ熱かった。

触った感じだと40℃近くはあるかもしれない。

重症である。


「す、すいません、坊っちゃま。」ゴホゴホ


「いやいい、それよりも今日の訓練は中止だな。」


「本当に申し訳ございません。

坊っちゃまといやらしいことをするために健康には気をつけていたんですが。」


何か言ってるけど、とりあえず無視しよう。


「よし、お前の部屋まで運ぶぞ。」


「は、はい。」


とは言ってみたものの、一体全体どうしよう。

やっぱりここは、お姫様抱っこでもしてカッコいいところをみせるか。


「............」


そう言って、俺はこいつの肩と太ももに手をやり。


「ふん!」


持ち上げ...............................あれ?


「あ、あれ?..........ふん!..........おかしいぞ?」


なぜだろう。

精一杯力を入れてるはずなのに、全く微塵ももてない。


(もしかして俺って、力が全然ないのか?)


.........................いやいやいやいやいやそんなことは絶対にないはずだ。

そう思い俺はもう一度...............


「ふん!」


「...............」


「うおお!」


「...............」


「ギギギギギ」


「あの..........」


「ふぬぅぅぅぅ」


「あの、坊っちゃま」


「ふぬぅおおお」


「無理しないでください。」


....................................................................................................................................................................................................。


「た、たてないほどじゃありませんし。

肩を貸してくださるだけでいいですから。」


「あ、ああ............う、うん。」


メイドに肩を貸した。


「大丈夫ですよ坊っちゃま。

非力な坊っちゃまも私は好きです。」


........................醜態を晒したあげく、励まされ。

俺は................恥ずかしくて死にたくなった。






「ハァハァハァハァ」


「.................」


今現在、俺はこいつを部屋に運ぶべく階段を上っているのだが。


「ハァハァハァハァ」


「.................」


こいつの息づかいがさっきから凄いすぐ傍で聞こえてくる。


「ハァハァハァハァ」


「................」


「ハァハァハァハァ」


「................」


「ハァハァハァハァ」


「................」


........................なんか、えっと、その.....凄いドキドキする。

い、いやだってしょうがねぇじゃねぇか。

こっちだって年頃なんだよ!

不謹慎だと思うかもしんないが、これを聞いてドキドキしないやつがいたなら、そいつは決して男じゃねぇ!


「ハァハァハァハァ」


「//////////////////」


気のせいだろうか。

こいつの部屋までの距離がすごく長くかんじる。


(そういや、雪合戦の時と逆だな。)


............確かあの時はこいつがお姫様抱っこをして運んでくれたのに。

俺は....................いや、やめよう。

この事を考えたら惨めになるだけだ。

そんなこんな考えてる内に。


「よ、よし、やっと着いたぞ!」


「ありがとうございます。」


妙に道のりが遠かったがなんとかここまで辿り着いた。


「まってろ。

はやく寝かせてやるからな。」


そう言って、俺はドアを開けると。


「............」


バタン


即座にドアを閉めた。


(.....え?.....何あれ!?)


深呼吸をして、俺は再びドアを開けた。

そこにあったのは......................





壁一面に貼られた俺の写真であった。







(え?、い、いや、は?、ちょっ、え!?)


寒気が止まらない。

食事を食べてる写真、シャワーを浴びてる写真、ベッドで寝てる写真.......etc.

どうやって撮ったのかが謎の写真ばかりがあった。


「おい、お前。」


「はい、な、何ですか。」


「きついところ悪いが、質問するぞ。」


「は、はい。」


「この壁に貼られてある、尋常じゃないものはなんだ。」


「............」


メイドが黙る。

そして数秒たったあとに。


「えっと、何がでしょうか?」


「こいつマジかよ。」


熱のせいで俺が何を指していっているのか分からないらしい。


「ハァ、もういい。

俺は何もみなかったことにするから、お前は寝てろ!」


「わ、分かりました。」


バタン


俺は部屋から出て、ドアを閉めた後。


「............」


嬉しいのか、怖いのか、よく分からない複雑な感情に襲われた。











「えっと、材料はこんな感じでいいのか?」


俺は一階のキッチンでおかゆを作ろうと準備をしていた。


「大丈夫だ、頭の中で何度もイメージしたし、料理の本も読んだ。」


自慢じゃないが、料理は全く出来ないと自信を持って言える。

前にあいつの代わりに夕食を作ると俺がいったら、「おやめください!坊っちゃま!」....と言われ止められた。

だけど今回は........きっと....多分...大丈夫の.......はず。


「まずは米と水を鍋に入れ、蓋をして強火で沸騰させる.......と。」


水の量はどれくらいがいいのだろうか。

まぁ......とりあえず大量にいれときゃ大丈夫だろ。


「えーと、次は......沸騰したら米を底のほうからひとかきして、弱火にする。」


弱火じゃちょっと心配だから.......強火にしとくか。


「そして最後に......蓋を少しずらして、35分から45分ほど煮込む。」


どうせならたっぷり一時間くらい煮込もう。












「............」


「............」


............一体どこで間違ったのだろう。

俺は真面目に作っていたはずなのに、目の前にあるのは異臭を放つ真っ黒い何かである。


「す、すまん、こんな暗黒物質(ダークマター)が出来るとは思っていなかった。」


「............」


俺がおかゆ?を部屋に持ってきた瞬間。

こいつがまるでこの世が終わったかのような表情をしていたのには申し訳ないと思った。


「............」


「............」


「や、やっぱり無理だよな。

こんなの食べたらさらに体調が悪くなりそうだしな。」


俺がおかゆ?を持っていこうとすると.....


ガシッ


「......え?」


メイドが手首を掴んできた。

............そして


「ぼ、坊っちゃまがせっかく作ってくれたので食べます。」


そんな信じられないことを言ってきた。


「お、お前しょうきか!?

こんなもの食べるなんて。」


自分で言うのも何だが。


「私のために作ってくれたんですよね、でしたら食べます。」


するとメイドは、時々吐き出しそうになるも、見事に完食してくれた。

いや........もう.......本当にごめん。












翌日には、メイドの風邪はすっかり治っており............「風邪なんて1日休めばすぐ治ります」............と自分で言っていた。

前々から思っていたことなのだが、こいつの体は無駄に何かが強すぎると思う。


「はぁ、いったいどうなってんだよ。」


「何がですか?」


「いや、別に。」


昨日までのこいつはどこにいったのか、今は屋敷の掃除をするくらいに元気に回復していた。


「ところで坊っちゃま、バイトは続いていますか。」


「やめろ、やめろ、その話はやめてくれ。」


「?........なぜですか?」


「そ、それは。」


言えるわけがない。

女装して男相手に愛想をふりまいてるとか口が裂けても言えない。


「と、とにかく続いてるもんは続いてるんだから別にいいだろ!

はい、おしまい!この話おしまい!」


「え〜〜〜〜〜〜〜。」


「え〜〜〜じゃない!」


いつものように他愛もない話をしているその時だった。


コンコン


「あれ、お客さまでしょうか。」


「珍しいな。

俺が出てくる。」


俺は............

楽しかった日々の日常のせいで忘れかけていたのだ。


コンコンコンコン


(随分と急かすな、いったい誰だ?)


ガチャ









「やぁ、兄さん、久しぶり。」





「.......................................................................え?」



一番嫌な..........家族のことを。

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