雪合戦
「坊っちゃま、もっとこっちに寄ってください。」
「あ、ああ。//////」
吹雪が吹き荒れる中、俺達は小屋の中で寒さを耐えしのいでいた。
「もっとこっちに寄らないと 、温まりませんよ。」
「そんなに抱きつくな‼️色々当たってんだろ。//////」
「当ててんのよ。」
「おいまて、なんでそのネタ知ってんだ。」
俺達が、こんな状況になってるのには訳がある。
数時間前
「......はっ」
「ごぶっ」
雪玉がおもいっきり顔に当たる。
「坊っちゃま、もっと早く動かないと。」
「こ、こんにゃろう。」
朝起きて窓の外を見たら辺り一面に雪が積もっており、メイドが「今日の訓練は雪合戦にしましょう」と言い出したため、こんなことをしている。
「くらえ、ロードローではなくて、大玉。」
「ちょ、おま、それ。」
屋敷の周辺にちょうどいい訓練場所があったため、そこで雪合戦をしていた。
(雪なんていつも見てるだけだったし、まさかこうして雪合戦できる日が来るとは思わなかったな。)
俺自身、時間を忘れて楽しんでいた。
そう、この時までは。
「........ん?おい。」
「何ですか坊っちゃま。」
「屋敷はどこだ。」
ふと辺りを見回してみると、ちょっと暗くなっており、さっきまで屋敷が見えてたはずなのに雲ってどこにあるかが分からない。
「あれ、確かに屋敷はどこでしょう。
そして、ここはどこ?私はだれ?」
「ふざけるな、今はそういう時じゃないだろ。」
そんなこんな話をしているうちに吹雪まで吹き始め、いよいよ本格的にヤバい状況になり始めた。
「くっそ、やべぇな。」ブルブル
「大丈夫ですか、坊っちゃま」
俺達はとにかくこのままじゃだめだと思い、屋敷だと思う方向に目指して歩いていた。
(にしてもこいつ、俺のあげたマフラーと手袋つけてくれているんだな。)
そう、こいつは訓練をしていたときからずっとつけてくれていたのだ。
(なんだか、ちょっとうれしいな。)
ほぼ遭難しているといってもいい状況なのに俺はそんなことを考えながら歩いていた。
いったいどれだけ歩いたのだろう。
俺達はずっとあれから歩いているのに、歩いても歩いても一向にたどり着く気がしなかった。
(ハァハァ........くそ!!)
何よりも俺自身、いくら最近訓練を初めたといってもまだまだ病弱。
肉体に限界がきていた。
「ハァハァ.........うっ」
とうとう俺は体力が底をつき、動けなくなってしまった。
「坊っちゃま?!」
メイドが心配をしてこっちを向く。
(ちくしょう、情けねぇ、あいつも頑張って歩いてんだ、動けよ俺の足!!)
精一杯力を振り絞るも、それでも足はびくともしなかった。
(どうする、このままじゃ!?)
すると突然、メイドが俺の心情を理解したのか、俺にかけよりこう言った。
「坊っちゃま、無理はしないでください。」
「..........え?」
「私にお任せを。」
そう言ってメイドは俺を抱えてお姫様抱っこをしやがった。
「お、おい。やめろ、おろせ、恥ずかしいだろ!!//////」
「何を言ってるんですか。こうしないと坊っちゃまが死んでしまいますよ。」
「.......で、でも、これは。//////」
さすがに恥ずかしかった。
胸は当たるし、顔は近いし、好きな女の子にお姫様抱っこされるって何だよ!?
普通逆だろ!!というかこいつ体力ありすぎ!!
「坊っちゃま、お願いですから。そう言わないでください。坊っちゃまにこれ以上無理はさせれません。」
「ご、ごめん。//////」
さっきまで寒かったのに、今は顔から火が出るほど熱い。
(俺ももっと体を鍛えないとな。)
そんなことを思いつつ、お姫様抱っこの状態で歩いていると。
「坊っちゃま、小屋があります。」
「あ、本当だ。」
地獄に仏とはまさにこのことであり、俺達はその小屋に入り。
吹雪が止むのを待つことにした。
............冒頭に戻る。
「早くやまねぇかな、吹雪。」
外の荒らしはまだおさまる気配がない。
メイドと二人きりでくっついているというのはちょっとおいしいが、そんなことを言っている場合ではない。
「申し訳ありません坊っちゃま。」
「....え。」
「私が雪合戦しようと言い出さなければこんなことには。」
メイドは悲しそうにそんなことを言う。
「..........そんなこと気にする必要ねぇよ。俺も楽しかったし。」
というか好きな女の子と遊んでて、悪い気とかするはずがない。
「坊っちゃまは優しいんですね、本当に。」
「い、いや、別に、そんなことは。//////」
「カッコいいです。//////」
「お前ってさぁ!!なんでそんなこっ恥ずかしいセリフ言えんの!!//////」
まったくもう本当にやめろよ!!そういうの!!//////
「あ、坊っちゃま、吹雪が止んできましたよ。」
「え、マジ!?」
不意に外を見てみると太陽が出てきており、吹雪も止み初めていた。
「............あれ?」
そして俺は気づいてしまった。
小屋の窓から見てみると、屋敷が見えていたのだ。
「........................。」
あれは一体何なのだろう。
我が家に見えるのはきっときのせいに違いない。
散々歩き回って近くに屋敷があったとかマジで笑えん。
「どうやら屋敷の周辺をずっと回ってた見たいですね。」
(................................................................................................................................................................................................いい加減にしてくれ。)
安心したのか、体からどっと疲れが溢れて膝から崩れる。
「大丈夫ですか、坊っちゃま?
帰ったら好きなオムライスを作りますから元気出してください。」
「........................」
メイドの声が頭に響くなか、俺は心身共に疲れ果てた体をやすめるようにあることを思いながら意識を手放していった。
今後一切、雪合戦はしないと。
良かったら感想ください。




