横顔
「............」
懐かしい夢をみてた気がする。
窓から差し込む朝日に照らされながら、俺は目を覚ました。
「..........うぅ」
けだるげな体を起こし、背伸びをすると......すぐに、横の違和感に気がついた。
「............」すうすう
どうやって忍び込んだのかは分からないが、そこには、俺の愛する人が寝ていた。
「............」すうすう
「............」//////
無防備なその寝顔に、ちょっとドキッとしていまう。
「............」すうすう
「............」//////
........................こいつの寝顔は、無邪気で、綺麗で、我を忘れてしまうほどに、俺は魅入ってしまった。
「............」すうすう
「............」//////
「............」パチッ
「.........あ」
メイドの目が開いた。
「............」
「............」
俺と目があい、しばらくその状態が続くと................
「............」すうすう
なかったことにしようとしているのか、また寝はじめた。
「............起きろ」
「あいたっ!」
俺は手刀をくらわせる。
「酷いじゃないですか、坊っちゃま」
「何が酷いだ、人が寝ている所に、勝手に忍び込むんじゃない」
「嫌でしたか?」
「............」//////
そんな上目遣いで見つめられると困る。
嫌か嫌じゃないかと言われたら、当然、嫌じゃない。
........................嫌じゃないが、ここでちゃんと言っとかないと、これからも繰り返す可能性があるわけで................
「そ、そういう、問題じゃ、なくてだな//////」
「坊っちゃま、顔が赤いですよ?」
「............ぐっ//////」
すぐに表情に出てしまう自分を殴りたい。
「フフ、坊っちゃまは分かりやすいですね//////」
「う、うるさい//////」
最近はどんどん、こいつの手の平で踊らされてる気がするのは、考えすぎなのだろうか。
「こんなことしてないで、さっさと支度しろ、今日だからな」
「そうですね」
「いちおう聞いとくが、今日が何の日か覚えてるか」
「もちろん、忘れるわけないじゃないですか」
........................そう、今日は俺とこいつが旅行をする日である。
行き先は、前に行ったことのある旅館であり、この時期は桜が咲き、大変綺麗な景色が見れるというから、そこに決めたのだ。
「はやく下の町に行くぞ、でないと馬車に乗り遅れる」
「はい」
俺はメイドに内緒で、ある物を握りしめ、それを荷物に入れ、急いで支度をはじめた。
旅館到着
「ふう〜〜〜、やっと着きましたね、坊っちゃま」
「もう夕方だけどな」
前に来たときは、今とは違い、そんなに距離はなかったため、昼頃には到着していたが、今回はそうはいかなかった。
「仕方ありませんよ、あの家からここまでは、随分と時間がかかり過ぎますから」
「............」
ミノがいたらぶん殴りたかった。
俺達がログハウスに引っ越す羽目になったのは、もとはといえばあいつのせいである。
「それにしても、坊っちゃまは強くなりましたね」
「............え」
「だって、前に来たときは、あんなにバテていたのに、もうすっかり大丈夫そうです」
「...............」
「身長も伸びました」
「................」
「さて、それじゃあなかに入りましょう」
「おう」
..................旅館のなかに入るあいつを見ながら俺は................
(全部、お前のおかげなんだよ)
........................そう心に思うのだった。
ポカーン
予約していた部屋に、入室を済ませた俺達は、部屋の露天風呂に入っていた。
風呂には今、俺一人が入っている。
「桜、綺麗だなぁ」
露天風呂から見る桜は、夕焼けの空とも相まって、とても綺麗だった。
「本当に綺麗ですねぇ」
....................................................................................................................................................................................................。
「どうしたんですか、坊っちゃま?」
「............」
あれ?
何かこういうの前にもあったような........................
「お前なんでここにいんの?」
「坊っちゃまを襲...............背中を流そうと思いまして」
「............」
........................うわぁ。
セリフまであの時と一緒かよ。
「はぁ〜〜〜〜、もういいよ、どうせ何言っても聞きはしないんだし」
「ありがとうございます//////」
「............」//////
露天風呂のスペースは広いが、今、俺とこいつの距離は近く、素肌が触れ合いそうなくらいであり、心臓の鼓動がはやくなる............
「............」//////
「............」//////
互いに顔が赤くなり、押し黙る。
ふと、こいつが気になり、横を向いてみると.......................
「............」//////
桜をみているあいつの横顔が、そこにはあった。
「............ぁ//////」
その横顔は凄く魅惑的で、見ていると、意識がもっていかれそうになる。
「そ、そろそろ上がりましょうか、坊っちゃま//////」
「.....あ、ああ//////」
あいつの横顔が忘れられず、風呂から上がった後も、心臓の鼓動は、はやくなるばかりであった。




