今までで一番
ポカポカ
冬の寒さはすっかり消え、春の暖かな陽気が目立ってきた頃。
「大分、育ってきましたね、坊っちゃま。」
「そうだな、そろそろ収穫してもいいんじゃないか。」
俺達が植えた野菜は、いつしか収穫可能なくらいにまで育っていた。
「しかし、急にここまで育つものなのか?
野菜っていうのは。」
種を植えたのはけっこう前だが、それだけでここまで育つとは考えにくい。
「私が一から作った畑なんです!
そんじょそこらの畑とは、一味も二味も違います!」
「そ、そうなのか。」
「はい!
私の畑ならば、どんな野菜も一瞬で大きくなります!」
恐ろしいな。
改めて思うことだが、こいつって何でもかんでも出来すぎじゃないか?
「なんでもかんでも出来てこそ、一流のメイドというものです。」
へぇ、そうなのか。
というか今こいつ、俺の心を読んだような............
「坊っちゃまのことなんて、全部お見通しです//////」
........................いや、そんな照れながら言われても怖いからな。
....................................かわいいけどさ//////
「にしても、よくこんなにも色々な野菜の種を持ってたな。」
「実家に来る前、万が一のために、ある程度買っておきました。」
「..........用意周到。」
こいつがいなかったら、俺は今頃、野垂れ死んんでいたかもしれない。
「それもこれも全部、坊っちゃまと生きていくためですから//////」
「..............」//////
こういうことを突然言ってくるのは、本当にどうにかしてほしい//////
言われるたびにこっちの心臓がもたない//////
「.............な、なぁ//////」
「なんですか?」
「よ、良かったら、また一緒に、旅行にでもいかな「行きましょう!」
「食いつくのはやっ!」
行かないかと言おうとした瞬間、未来予知でもされたかのような速さだった。
「いいですね、新婚旅行です//////」
「おい待て、なんで新婚旅行になってるんだ?」
「夫婦水入らず、想像したら照れてきます//////」
「話聞けよっ!」
こっちが話を聞いて欲しいのに、こいつはずっと、どんなことを妄想しているのか知らないが、体をクネクネさせている。
............................なんというか、まぁ。
告白しあってからこいつって、本当に変わったよなぁ。
........................勿論、良い意味でじゃない。
「坊っちゃま、坊っちゃま//////」
「なんだ、そんなに呼ばなくてもここにいるぞ//////」
「楽しい旅行にしましょうね//////」ニコッ
「.............っ//////」ドキッ
その笑顔は
今までに見たこいつの表情のなかで
一番かわいいと思った
「............」//////
「坊っちゃま?」
「............」//////
「坊っちゃま!」
「............ぁ//////」
どうやら見惚れていたようだった。
「大丈夫ですか?」
「あ、ああ、大丈夫だ、だから、そんなに近付くな//////」
何だこれ//////
信じられないくらいに心臓がバクバク鳴ってる//////
「そ、それより、旅行、いいところにするぞ//////」
「はい//////」
心臓がどうにかなりそうななか、俺は、旅行の計画を建てるのだった。




