小悪魔
「ふ〜、ひとまずこんなもんか。」
「はい、大分できてきました。」
俺達は今、草原の一部を畑にしようと耕していた。
「しかし、坊っちゃまもよく、こんなに体が強くなりましたね。」
「言われてみれば............そうだな。」
前までは旅館に行くだけで、かなりバテていたが、今や長時間、農作業ができるくらいにまで回復していた。
「しかし暑いな。」
「暑いですね。」
俺達がログハウスに住み始めて一週間が経つと、季節はもうそろそろ冬から春へと移り変わろうとしており、いくらまだ冬の寒さが残っているとはいえ、それは朝までの話だ。
昼になると、外の温度が上々に上がっていき、農作業をしている俺達にとっては、それは凶悪なことであった。
「坊っちゃま、そろそろ休憩にしましょう。」
「そうだな。」
昼になると、あいつが昼食を作ってくれていて、バスケットに入れ持ってきてくれる。
「坊っちゃま、どうぞ、今日は自信作です。」
「おっ、楽しみだな。」
言う間でもないが、あいつの料理は絶品だ。
俺はメイドの隣に座ると、今か今かと、バスケットが開かれるのを心待ちにしていた。
「今日はカツサンドです。」
「おー、うまそー!」
それはとてもおいしそうなカツサンドであった。
「さて、それでは坊っちゃま。」
するとメイドは、そのカツサンドを手に取り。
「あ〜〜〜〜〜〜〜ん」
「..................」
「坊っちゃま、口をあけてください」
「..................」
「はい、あ〜〜〜〜ん」
「...................」
言い忘れていたが、一週間の生活で変わったことがあった。
........................それは、俺とこいつの関係である。
「坊っちゃま、口をあけてくださいって言ってるじゃないですか//////」
頬を赤く染め、膨らませながら、そんなことを言ってくる.........................何だ?
このかわいい生き物は。
「はい、あ〜〜〜〜ん//////」
「あ、あーーーん//////」
何回やっても、やっぱりこれはちょっと恥ずかしい//////
「どうですか、坊っちゃま、お味は」
「お、おいしい//////」
「良かった//////」
......................あの夜
そう、あの夜とは、俺とこいつが一緒に風呂に入り、互いに告白しあったあの夜のことだ。
あの夜以降のこいつは、そのことがよほど嬉しかったのか知らないが、表情が豊かになり、より積極的にアピールするようになってきた。
「................」//////
かくいう俺も、あの夜のことは衝撃的であったため、いまだに忘れられないし、こいつと恋人のような関係になれたのも、素直に嬉しい。本当に凄く嬉しい。
「................」//////
「フフフ、坊っちゃま//////」
.....................だが、こんなふうにずっと見つめられたり、先程のようなア〜〜〜〜ンだったり、正直恥ずかしすぎてこっちの心臓がもたない。
いや嬉しいよ//////、凄く嬉しいけどさ//////、もうちょっと抑えられないかと俺は思っている。
「な、なぁ//////」
「何ですか//////」
「もうちょっと抑えられないか...........そういうの//////」
「..................」
「その、嬉しいけど、あんまり見つめられると........その......恥ずかしいんだよ//////」
「.................それは、無理な話ですね//////」
「無、無理って、お前//////」
「私は坊っちゃまと、こういう関係になれるのをずっと待ってたんです//////」
「................」//////
「ですから、抑えろってほうが無理なんです//////」
「................」//////
「分かりましたか?ちゃんと//////」
「あ、ああ、分かったよ//////」
これは最近思うことなんだが、こいつはどんどん小悪魔化していってる気がする。




