春の歌会「光風」
「光風に紺のプリーツはためかせ旅立つ君のさいわい祈る」
子育てなんて、あっという間だ。
ついこの間まで「パパ、パパ」とうるさいくらいにまとわりついていたと思ったのに。
いつの間にやら「パパ、だらしない格好しないでよね」だの「パパ、タバコやめなさい!」なんて、口うるさくなったなあ、なんて思ってたら……もう、高校卒業だっていうじゃないか!
「東京の大学に受かったからね!」
とか言って、あれよあれよという間に、僕の手から離れていってしまうんだなあ。
ポッカリと空いた胸に、キミの笑顔が眩しくて。
涙が滲んでしまうのも、春の光が眩しすぎるからなんだ。