てんせえだ!てんせえだ!
ハッチー:ハッチーは愛称。本名とはかすりもしてない。たぶん女子高生。
姐さん?:ハッチーが勝手に呼んでいるだけで実際、姐御肌かはわからない。きっと女子高生。
ハ「てんせえだ、てんせえだ!!」
姐「これハッチー、どうしたんです?」
ハ「てんせえなんです、姐さん」
姐「何ですか『てんせえ』って?」
ハ「主にウェブ小説、特に『小説家になろう』って小説投稿サイトでずっと幅きかせているジャンルでさあ」
姐「うん?小説のジャンルと貴女が慌ててたことの繋がりが見えないのですが?」
ハ「失礼しました姐さん。『てんせえ』ではなく『転生』です。死んだ後新しく生まれ変わることです。それになろうで幅きかせているのは転生は転生でも『異世界』に転生する『異世界転生』ってやつですね」
姐「あの、ハッチー?まだ説明が足らないと思うのですが?」
ハ「うわあああ、すみません姐さん。今度はちゃんと話しますんで折檻はご容赦願いませんかね」
姐「ハッチー、私が貴女に折檻なんてした覚えなんてないと思うのですが?」
ハ「実はアタシ友達になろうを勧められまして────」
姐「無視、無視ですか!姐さんって呼ぶけれど実は貴女、私のこと敬ってないでしょ!」
ハ「ああ〜いえいえ敬ってますよ、敬ってます。それでですね」
姐「ぞんざい……!?」
ハ「続けますよ?────友達に勧められて
読んだんですがね、異世界転生ってやつに感銘を受けたんですよ」
姐「へーそうなのかー」
ハ「ちょっと姐さん真面目に聞いてくださいよ」
姐「どの口が言うか!」
ハ「続けますね」
姐「もういいです。勝手にしてください」
ハ「異世界に転生するとですね。『俺TUEEEEEE!!!!』するんです!」
姐「はい?」
ハ「ああ、すみません『俺TUEEEEEE!!!』ってのは、チートっていう反則的な能力で無双することです。そのチートは神様から貰えたり、幼少期から鍛えたりすることで最強に至るんです。あと現代知識を使って内政チートってのもありまして、戦えなくてもノープロブレムです!」
姐「はぁ……?」
ハ「それでですねー、この素敵な素敵な異世界転生するにはテンプレってのがありまして。それがトラックに轢かれることなんです。できればリア充や小さな女の子を助けるとなお良し」
姐「ねぇ?」
ハ「はい!何です?姐さんも異世界転生したくなりましたか?」
姐「まさかハッチー、貴女異世界転生を実行する気ですか?」
ハ「はい!」
姐「『はい!』、じゃないです!!あくまでそれはフィクションですよ?本当に実行するなんて馬鹿、いいえ愚か者のすることなんですよ」
ハ「本当に転生するかもしれないですか!!」
姐「よしんば転生するとしても、下準備で勉強はしているのですか?どんな世界を想定しているのかは知らないけれど、武力だけで生きていくなんて大変だし、内政をするにしてもそんな立場に至るのも至ってからも並大抵ではない苦労がある筈です。それに貴女の身勝手で巻き込まれるトラック運転手が可哀想だとは思わないのですか」
ハ「………でも──」
姐「今を真面目に生きていけない人に二度目の人生がきちんと歩めるとは思えません」
ハ「………」
姐「それに────残される方の気持ちも考えなさい」
ハ「姐さん……」
数日後……
ハ「姐さん、何をやってるんですか?」
姐「いつ転生しても良いようにサバイバルの勉強よ。古武術の通信教育と政治の勉強も始めたわ。あ、料理も勉強しておいた方が良いわね。自家製の味噌や醤油が作れるようにもならなくっちゃ」
ハ「姐さぁーーーーーーーーーん!!!!」
なんか書いてて演劇したくなってきた。コントみたいな感じでやりたかったなぁ……