第4話:リリーとの再会
ついにリリーと再会します。
シャルは俺たちが歩いてるずっと前の方を指差し、言った。
「あそこの見えるのがベイラルという街です。」
「あれ?城壁みたいなのが建ってるね。」
「はい。魔物などの侵入を防ぐために大きな街などでは、城壁を建築し、街を防衛しているのです。」
なるほど。確かに、魔物に街に入ってこられては面倒だ。
それからしばらく歩くと森が拓けてゆき、村が点在するようになってきた。
「ここらへんの村があるのはどうしてだ?」
「ここは農民の村です。身分が低いのであの中には住むことができないのです。」
そうか。この世界には身分制度もあるらしい。
「奴隷ってのもあるのか?」
「はい。ありますよ。今から行くベイラルにも奴隷商人がいますし。あっ!あそこにちょうど、奴隷運搬車がありますよ。」
シャルが指差す方を見ると、農民の村の中の1つの家から1人の少女を羽交い締めにし、出てきた大男がいた。その男は鉄格子がある荷台を乗せた馬車に乗り、先程の少女を荷台の中にぶち込んだ。
その少女の母と思われる女性は泣きながら大男に頭を下げていたが、大男は無視し、馬車を走らせ始めた。
「シャル!あんなことしても良いのか?」
「奴隷制度は王国が承認してますので、あれも罰には問われないでしょう。」
「でも、普通の家庭から無理やり連れて行ってんじゃん!」
「たしかにそれはいけませんが、身分の低い農民が奴隷にさせられたと聞いても、大したことじゃないというと思いますよ。」
再び、馬車の方を見てみると先程の少女が鉄格子から腕を伸ばし、泣きながら、母親に助けを求めていた。
その場面を見た瞬間に怒りが湧いた。あの子を助けてやりたいと…
「おい!お前‼︎」
俺は馬車の前に立ちはだかり、大男を睨みつけた。
「何の用だ?チビ。」
「その子を解放しろよ。」
「あぁ?なんだと、生意気なガキめ。」
俺は鉄格子の方に目をやると、少女の他に、もう1人、少女がいた。後ろを向いてるので顔は分からない……ん?待てよ。あの銀髪見覚えあるような………⁉︎あれはもしかしてリリー⁉︎
「リリー!」
俺はリリーであろう少女に呼びかけると、その少女はゆっくりと振り返った。その顔はまさしくリリーだった。
「リリー、すぐ助けるから。」
「タケル…さ…ん…」
リリーはかなりぐったりしていた。早く助けてやらねば、リリーの体調も心配だ。
「悪いが、大男!お前はここで倒す‼︎」
「やれるもんならやってみろよ。」
大男は馬車から降り、剣を構えた。
俺も、鎌を構え、大男に振りかぶった。
スカッ…
鎌が空を切る。たしかに大男に振りかぶったはずなのに。何故だ?もしかすると、人間や生きているものにはこの鎌は使えないのかも。
大男は不思議な顔をしつつ、剣を振りかざしてきた。
俺はそれをすれすれで避け、空中に飛んだ。
「なんで飛べるんだ⁉︎」
大男は驚いている。そりぁそうだろう。
鎌が聞かなければ、空中からの急降下ドロップキックだ!
俺はドロップキックを大男に決め、大男は倒れた。
「大丈夫か?2人とも。」
荷台からリリーと少女を助け出す。少女は俺にぺこりと頭をさげると母親の元に走って行った。その母親も俺と目があうと、一礼して子供を家の中に連れて行った。
「大丈夫か、リリー。」
「ありがとうございます、タケルさん。」
「いやいや、とりあえず疲れているようだから、街に行って、落ち着いてからいろいろ話そう。」
♦︎♢♦︎
いよいよ城壁の門の前まで来た。
門には衛兵がいる。
「ギルドカードはお持ちでしょうか?」
衛兵が俺たちに尋ねてきたが、俺たちは持ってない。正直に持ってないと言ったが街の中に入れてくれた。基準がよく分からん。
「では、私はそろそろ…」
「えっ!もう帰るの?一泊ぐらいしていけば良いのに。」
「しかし、村のみんなのことも心配ですし、村の修繕のお手伝いもしたいです。」
「それならしょうがないな。ここまで案内してくれてありがとう!」
「いえいえ、お礼を言うのはこちらの方です。改めて村を救っていただき、ありがとうございます。」
シャルは俺たちに別れを告げ帰っていった。
次回は、今までの謎が幾つか解決していきます。