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8話 武器はロマン

第8話です。よろしくお願いします。 ※誤字脱字、修正しました

 部屋に戻り鍵を閉めて食堂に戻る。鍵を開けておいても取られる物など無いんだけれども。


 今回は、コショウ1瓶銀貨7枚、10瓶だから金貨7枚の売上になるのか。銀貨、金貨に馴染みがなさすぎて実感が沸かないな。手に入れた金貨は日本で換金できるのかな?銀は安いだろうから換金する意味もなさそうだしな。日本での換金はおいおい考えるか。


 「お待たせしました」


 席に座り、スーパーの袋から取り出したコショウを並べる。パッケージは排除済みだ。この世界に無いものをゴミに出すわけにも行かないからね。


 「いやぁ、待ちわびましたよ。これで大きな仕事ができそうですよ。では、此方をどうぞ。金貨だけだと使いづらいとお思うので、銀貨、大銅貨と銅貨も混ぜていおきました」


 麻でできたポーチみたいな袋を受け取り、中を見ると金銀財宝だ! これが金貨か! 手にとって見るとずっしりとしてる。


 結構重量あるんじゃないかこれ? 枚数を確認すると、金貨6枚、銀貨9枚、大銅貨9枚、銅貨10枚だ。日本円換算で70万円くらい? 


 こんな簡単に稼げていいのだろうか。仕入れ代など微々たるものだからな。ふふふ、人生再建の第一歩をようやく踏み出せたな。


 「この後、街でも案内させていただこうかと思うのですが、どうでしょう? マヒロさん」


 おっと、金貨を手に取りニマニマしていたらしい。


 「是非お願いしたい! 服なども買っておきたいので、案内お願いします」


 「わかりました。それでは商業区からご案内しましょう。歓楽街は夜の方が見所ありますから、時間を開けて、夜にでも」


 おおお! 歓楽街! なんて魅惑的な。やっぱりあれだろうか、夜のあんなことやこんなことのお店なんかもあるのだろうか。


 男は命の危険を感じると、自分の子孫を残そうと奮い立つと聞く。冒険者など毎日が命の危機の連続の様なものだろうから、絶対にあるはずだ! 確信した!


 「素晴らしい提案ですね。是非、街の隅々まで案内をお願いします」


  俺は重要案件のプレゼンに納得したかのように、その提案に深く頷く。



♢♦♢



 宿で手配してもらった馬車に乗り商業区に向かう。馬車は箱馬車だった。出発する前に、宿代をロランさんに返しておくのも忘れない。


 宿代は1泊、銀貨1枚とお高めのお値段だった。手持ちから、更に10日分支払っておいた。金貨で支払うとお金を使っている感覚がしないな。金銭感覚が狂ってしまいそうだ。


 商業区には食料品を売っている市場や、生活雑貨店、服飾店、飲食店などが雑多に立ち並び、たくさんの人が通りを行き交っている。ここは、商業区画にある商業街と言うメインの通りのようだ。


 武器や防具を扱ってる店はないの? と聞いたら、西区画の職人街なるとこにあるとか。ぜひとも拝見してみたい。俺も、一応何か武器を持ち歩いたほうがいいのかもしれないな。抑止力というやつだ。


 「この店で服は見繕ってしまいましょう」


 通りの中程の店の前で、馬車を止めて降りる。


 案内された店に入り、服を見て回る。 これは古着だろうか? あまり綺麗なものがないな。ロランさんに綺麗なの無いの?と尋ねると、新品は仕立てるしか無いと言われた。


 う〜ん、それなら日本の服で、外套でも着込んくでおくとするか。ということで、この店では外套を仕立てることにした。身長やらを採寸されて、生地を決める。せっかく作るからいい生地にしてもらった。


 色は紺だ。お値段なんと金貨1枚と銀貨5枚。お高い買い物でした。できるまでに2日掛かるというので、宿に届けてもらうことにした。


 店を後にして、市場を少し散策してみた。見れない野菜や果物があって楽しめた。俺は、一人暮らしもしていたのでそれなりに料理もできる。


 こっちの食材を使ってなにか作ってみるのもいいかもな。肉なんかは、見てみると普通に魔物の肉だったよ。オークの肉は脂が乗っていて美味しいとロランさんが教えてくれた。オークには姫騎士が様式美だよね。エルフもいいな。

 

 一通り見て回ったら馬車に乗り込み西の職人街へ向かう。そういえば商業ギルドに登録するの忘れてたな。身分証はあったほうがいいだろうから、後でちゃんと場所を確認しておこう。


 職人街に入ると、至る所から、鉄を叩く音、木材を加工する音等が響いていて結構うるさい。ある建物からは煙突から煙がモクモク吹き出してるのが見える。公害とか大丈夫なのだろうか。


 職人街の入り口にほど近い店の前で馬車が止まった。武器防具屋のようだ。おお! 店先には剣や槍などが飾られている。どの武器を持っていても、日本であれば1発で銃刀法違反だ! 


 店内に入ると、奥にカウンターが有り、店主らしき人がなにやら作業している。店内の壁には、剣やら盾など、樽に何本も剣がさしてあったりと所狭しと武器が置かれている。特に目を引くのは、槍やハルバードなどのポールウェポンだ。剣なども格好いいのだが、長物は圧倒的な存在感があるな。


 「マヒロさんは、得意な武器はありますか?」


 得意な武器って、今までの人生で一番殺傷能力が高い武器といえば、竹刀くらいですよ。バットは武器じゃないよね? 後は、バールのようものくらいか。

 

 「いえ、特にないのですが、これから護身用に持っておこうかと思いまして。またいつゴブリンに襲われるともかぎりませんしね」


 「そうですね、街の中は警備兵が巡回しているので大丈夫ですが、町の外に出るなら何かお持ちになっていたほうがいいでしょう。心得が無いのなら、剣よりは槍などの方が扱い易いかもしれませんね」


 たしかに、剣でインファイトするなんてちょっと怖いし、ちゃんと刃を立てたりとか、腕が良くないとすぐダメにしてしまうと聞いたことがある。


 槍ならリーチもあるし、突いて良し叩いて良しだ。いいかもしれない。弓なんて使ったことも触ったことも無いから絶対無理そうだし。


 「そうですね〜、槍でも買っておこうかと思います。槍くらいのリーチがあったら安心ですしね」


 安全マージンはしっかりとっておかないとな。


 「でしたらこの辺のものがおすすめですよ。作りも良さそうですから」


 おすすめの槍は2メートルくらいのもので、木製で石突きと槍頭が鉄だ。槍頭は剣の刃状になってる。おお……、かっこいい。


 武器はロマンだな。実物を見ると日本刀をコレクションしている人の気持ちがわかる。本当はハルバードが格好いいのだが、まずは実用性をとることとしよう。この槍はおいくらするのだろう? 此方の世界のお店には値札がないんだよな。


 「すいませ〜ん、この槍はおいくらですか?」


 「あ〜、その槍ね。え〜と、金貨2枚だよ」


 カウンターからおっさんがチラ見して適当に答えてるけど、接客という概念がないのだろうか。値段も人を見て決めてそうだな。ロランさん金持ちぽいしな。


 それにしても金貨2枚か、実際使えるかもわからないし、街の外に行く用事もないの今現在必要だろうか。日本円換算で20万てことだろ? 随分高いな。槍を買ってしまうと残金が心もとなくなってくるな。


 「もしお金が心配なら私が建て替えておきますよ? またコショウを卸していただければ問題無いですしね。何か他のものでもかまいませんよ?」


 ロラン金融から融資のお誘いが来たが、ここは流されたら行けないとこだな。俺は金にだらしない男では無いのだ。そうだよな。そもそも、またロランさんに何か買いとってもらって、もっと懐に余裕がでてからにしよう。


 「いや、今回はやめておきます。もう少し様子みて、必要になってからにしますよ」


 店を一通り見回ってから後にする。店を出るとちょうど昼時だろうか、宿に戻って昼食にすることにした。結局外套を注文しただけで終わったな。


 食事を済ませたら、1度転移で家に戻って、着替えたり風呂に入ってこよう。別に、夜のためとか、そんなんじゃないんだからね。うん、身だしなみは常に注意しておかないとね。俺は紳士だから。


お読み頂きありがとうございますっ!

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