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24話 冒険者ギルド

第24話です。よろしくお願いします!

 サクヤの刀を作り、奴隷に落とされてしまった経緯などをざっくりと聞かせて貰った。なんとも胸糞わるい話が多かったが、これからは俺と一緒にサクヤの人生も再建していき、今迄の事を帳消しにしてしまう位にしてしまわなければ。家族も探してあげたいのだが、おそらくは……。


 「此方が残りの代金です。いやぁ、すごい売れ行きでしたよ」


 サクヤと関係が深まってから数日、ホクホク顔のロランさんが、石鹸とシャンプーの未精算分を持って部屋にやってきた。


 ここ数日で、石鹸とシャンプーが売り切れたそうだ。買い占めようとした貴族もいたらしく、購入制限までつけて貴族の屋敷を回っていったそうだ。


 中には、この品の出元を探ろうとしていた者もいたという。「誤魔化しておきました」と言っていたが、貴族という連中には関わらない方がいいだろうな。


 なにせ、こちらは貴族などいない国から来ているのだから何か失礼をして怒らせてしまっても困るしな。というわけで、このままロランさんに卸す方向は継続なのだ。


 金貨もとうとう100枚超えして、お金持ちだ! どうしてくれようか!


 「また思いついた品があればすぐ言って下さい。私にできることはお手伝いしますからね」


 まだ何も思いついてないよ。石鹸シャンプーは消耗品だからしばらくは新しい品をださなくてもいいよね? え、なにか期待してるって? 考えておきます。


 なんだかんだとバタバタしていて宿の滞在期間をすぎている事に気がついたが、ロランさんが追加料金を払っておいてくれたそうなので金貨を数枚渡しておいた。


 まだルドラアトルに来てから商売しかやっていないので、そろそろサクヤの夢でもある冒険者ってやつを始めようかと思っているのだ。サクヤも体調がかなり戻ってきているからね。


 「取り敢えず、また何か思いついたらすぐ伝えますよ。しばらくはダンジョンて奴に挑んで見ようかと思っているんですよ。なのでちょこちょこ宿を留守にすると思うんで、何かあればフロントで言付けをお願いします」


 「ダンジョンですか……、マヒロさん。絶対無理はしないでくださいね。ダンジョンにはゴブリンなど、比べ物にならない位強い魔物がでますから」


 ゴブリンのトラウマが蘇るな。しかし! 男には戦わねばならない時があるのだよ! 大丈夫です、安全マージンはしっかり取ってやってみますので!


 ロランさんはすごく心配していたが、俺の決意が変わらないと分かると、ダンジョンに行く前にしっかり準備を整えるようにと何度も言われた。 



♢♦♢


 

 そんなこんなで、やって来ました職人街! サクヤと防具を見に来たのだ! 武器はスキルで創り出せるのだが、防具はまだ試していない。それに、まだ俺のスキルがどのくらいの物を作り出せているのかわからないので、最初は、信頼の置ける職人さんの作った防具を装着することにしたのだ。


 お店は、前に見た店ではなく、なんとドワーフがやっている工房に併設された武具屋だ! 値段もお高めらしい。


 店内に入り、お邪魔しまーす。おぉぉぉ! 店の奥から、「客か?」と、のそのそ出てきたのはお待ちかねのドワーフだ! 背が低く、筋骨隆々、髭もじゃのちっさいおっさんだ! これぞドワーフ!


 「何見てやがるんだ? 客か? 何がほしいんだ? さっさと言え」


 はっ!? 小さなおっさんに感動して呆けてしまっていた! とても接客業とは思えない口の悪さがドワーフらしくて尚良!


 「ダンジョンに潜る様の防具を探してるんですが、お勧めのあります?」


 「冒険者か。予算は幾らだ?」


 「あ〜、高くても問題ないので、良さそうなものを!」


 「そうか。いい心がけだな。ダンジョンに行くなら、軽い装備のほうがいいだろ。2人とも軽めの装備でいいな? 待ってろ」


 何がいい心がけか分からんが、納得したように奥に引っ込んでいく。おっさんの言うとおり、ダンジョンにいくのなら軽い装備のほうがいいのだろうな。


 「取り敢えずはこの辺でいいだろう。まだ駆け出しだろう? その時分から良い防具を選ぼうとするのは良い心がけだ。最近のやつらはみんな防具より武器に金かけたがるからな。まずは命あっての物種だろうに」


 なるほどね。確かに良い武器を持っていても死んでしまったらそこまでだもんな。少しでも生存確率を上げる努力はしていかないとね。


 おすすめの装備でダンジョンに慣れて、腕をあげたらランクが上の装備を買いに来いって。この装備でも十分耐久性はあるからしばらく問題ないそうだが。


 おっさんが奥から持ってきてくれたのは、ジャイアントビーの素材と鉄を使った手甲と胸当て、頑丈そうなブーツだった。皮にはフォレストウルフの皮を使っているそうな。どちらも魔物素材だそうで。


 「2人分で、金貨2枚と銀貨6枚だ。サイズは調整してやる」


 値段は高いのか安いのか全然わからない。まぁ、命を守るものなのだからな。そのへんは気にしないでいこう。


 「サクヤもこれでいい? 他のがいいとか希望有る?」


 「いえ! ご主人様と同じ物を頂けて嬉しく思います!」


 サクヤも問題なさそうなので、早速装着させてもらい調整を少々。武器や防具は持っているだけじゃ意味がないぞ! ちゃんと装備しないとな! てね。


 サクヤも俺もパンツルックにブーツ、シャツの上に防具をつけ、その上に防寒用の動きやすい上着に、腰丈の外套を着こむ。


 サクヤは腰に帯刀、おぉ……、かっこいい! 美人は何を来ても絵になる。これで俺も見た目は一端の冒険者なはずだ! 無手だけれど。


 「良く似合ってるね。もう、一端の冒険者だよ!」


 「ふふふ、ご主人様こそお似合いです! これから冒険が始まるのですね!」


 サクヤも上機嫌。よかったよかった。さて、お次は冒険者ギルドでようやく登録だ! 先に防具を買いに来たのは、舐められないようにである! テンプレは勘弁だからな。


 辻馬車にのってゴトゴト。北区画にある冒険者ギルドへ! 冒険者ギルドは、盾に剣がクロスしているマークが目印の建物だ。いよいよ突入である! きっとゴロツキが屯している酒場があったりとかするのだろう!


 気合を入れて踏み込むと、まぁ綺麗。


 全然酒場なんて無いじゃない。ゴロツキも屯してないし。区切られてないオープンのカウンターに、揃いのスカーフネクタイをつけた受付の女性が並んでいる。此方も商業ギルドのように役所の様な。建物は3階建てであるが。


 冒険者らしき装備の人々が待合の様な席で座って談笑している。和やかな雰囲気でいきなり絡まれたりとか、そんなことはなさそう。気合入れて来たのに肩透かしされたような。絡まれたらすぐに逃げるつもりだったけれども。


 取り敢えずよくわからないので、一番近い受付に行ってみる。書類のようなものを読んでいた受付嬢が顔を上げ、ニッコリ微笑んでくれた。


 「こんにちは! 本日はどのようなご用件でしょうか?」


 


お読み頂きありがとうございますっ!評価・ブクマ・感想など、励みにさせていただいています!ありがとうございます!

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