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15話 石鹸いいんじゃない?

第15話です!よろしくお願いします。 ※誤字修正、改行しました。 コショウの数を変更しました。会話の内容が少し変わっていますが、物語の進行には関わってきません

 結構長い時間話していたみたいだ。いい時間になってきていたので、家から調理して持ってきたお粥を食べさせた。


 やっと簡単な食事が取れるようになってきたみたいなだな。まだ無理させてはいけなので、寝ておくように言っておく。コショウをロランさんに渡しにでも行くかな。


 早く借金返さないとね。サクヤに行ってきますをしたら、部屋を出て、3階のロランさんの部屋をコンコンとノック。


 「おや、マヒロさんでしたか、彼女の容態はいかがですか?」


 「ええ、ひとまずは落ち着いてきたようなので。それで、これ、お約束のコショウです。30本用意してありますのでどうぞ」


 「おぉ、これはまた沢山持ってきて頂いて、助かります。1本多いようですが?」


 サービスですよと、ロランさんの部屋にコショウを運び入れる。 よくよく考えたら、これ1本金貨1枚とかで売れるんだろ? これだけで金貨30枚か。大金だ。ボロい商売だ。


 「コショウってそんなに売れるんですか?」


 「ええ。コショウはこの大陸では僅かしか生産されていないですし、貴族と言うのは見栄を張る生き物なのですよ。パーティーの料理などで香辛料を大量に使い、自らの家の権勢をアピールする。そのような人々に、異国の技術を使った瓶に入ったコショウを見せれば欲しがらないワケがありません」


 ふ〜ん。貴族とやらは難儀な生き方をしているようだな。


 貴族といえば、思い浮かぶイメージが高慢で腹黒くて常に腹芸をしているイメージだ。ルドラアトルの貴族もそんな感じなのだろうか? 前にロランさんに売ったコショウは、ある貴族が買い占めたらしい。


 本来のコショウの量から考えれば、銀貨4枚ほどのものだそうだが、あの瓶と込で、物珍しさから付加価値がついているようだ。


 「マヒロさん。一緒に夕食でも如何ですか?」


 ちょうど何か食べようと思っていた所だ。もちろんご一緒させてもらいますとも。


 「いいですね。まだ食べてなかったので、ご一緒させてもらいます」


 「では、少し外に出ましょうか? 宿の食事ばかりでは飽きてしまいますしね。お酒が飲めるいいお店があるので、そちらにしましょう」


 宿の食事もあまり食べてないよ。家に転移した時にコンビニとかですましているからね。こっちの食事も色々見たこと無い食材があるから食べてみないとな。


 せっかくの異世界料理、色々試さないと。一旦部屋に戻り、届いていたお高い紺の外套を羽織りサクヤに再度いってきます。


 ロランさんについていくと、ここは……、歓楽街! あぁ……、魅惑の街。今日も夜の街は煌々と輝いている。色とりどりの灯りが迎えてくれる。歓楽街よ! 私は帰ってきた!


 もしかしてあれかな? この間はお流れになってしまったけれども、大人のお店とかにいっちゃったりするのかな? 


 そわそわキョロキョロしながら歩いていると、「つきましたよ」と。歓楽街のメイン通りからは外れた通りにある店で、表通りにあるお店と違って少し落ち着いた雰囲気の店だ。小洒落たバルの様な。別にがっかりとかしてないんだからね。


 店内ると落ち着く明るさでいい雰囲気だ。案内された席は個室だった。この店は、三月亭というらしく、ゆっくり料理やお酒が味わえる店だそうだ。

 

 若い女性従業員さんが注文を取りに来てくれるが、メニューを見てもよくわからないので、ロランさんにお任せだ。いい雰囲気のお店に男二人で個室とはこれ如何に。これがデートだったらいい雰囲気だろうに。サクヤが元気になったら連れて来てあげよう。


 注文をして、雑談していると先にお酒がを持ってきてくれたみたい。軽く乾杯っとコップをカツン。口をつけると赤ワインだ。うん、少し渋めだが飲みやすい。普段あまり飲まないから控えめにしないと、すぐに酔っ払ってしまいそうだ。


 頼んだ料理が次々とやってくる。


 コルリという香ばしい味のする木の実とフルーツが小さくカットされ入っているサラダ、ワイルドボアのロースト、ロックバードの香草焼き、野菜がごろっと入ったシチューに白パン。


 結構量があるな。味は香草などをうまく使っているのか、素材の味も良いのか、かなり美味しいな。肉類がとてもジューシーでワインによく合う。肉はどちらもダンジョン産だそうだ。ダンジョンと聞くと俺の冒険心がうずく。


 「それで、マヒロさん、実は相談がありましてね」


 雑談しながら食事をあらかた食べ終えて一息ついていると、相談タイム。何やら仕事のお時間の予感。ワインをグビグビやりながら話を聞く。飲みやすいから結構飲んじゃうな。日本ではワインなんかほとんど飲まなかったのだが。


 「コショウは先程頂いた分は、貴族相手に売り込むので、すぐに売れてしまうと思うのです。貴族とは物珍しい物に目がありませんからね。そこでなのですが、他に何か異国の品などはないでしょうか?」


 ふむふむ。他の品か……、そういえばサクヤを買った時、他の品でも良いとか言っていたよな。


 ちょっと考えないと出てこないな。ここ数日は、サクヤの看病やらでろくに考えてもなかったからな。なにかあっただろうか……、ダメだな。すぐに出てこない。新商品は保留にしておこう。


 「他の物は今パッと思いつかないんですよね〜。考えれば出てくると思うので、少し時間下さい」

 

 「そうですか、是非お願いします。人のスキルを詮索するのは良くないと思うのですが、マヒロさんはアイテムボックスに異国の品をお持ちなのですよね? その中で何か思いついた品があれば拝見させてください」


 「そ、そうなんですよー。そう! アイテムボックスに入れてたんですけど、今は宿で中身の整理しようと思って出してきてしまってるんで、今度、今度良さそうなものを見てもらえれば!」


 うぉっ! そうだよな。いきなりコショウをどこから持ってきたってなるよな。アイテムボックス持ちだと思うのが普通だよな。


 焦ったぜ。とっさに誤魔化したから棒読みになってしまった。異世界人だというわけにもいかないし……ん? ロランさんになら言っても問題ないだろうか? いや、もう少し様子を見てからのほうがいいかな。この先どうなるかわからないからな。


 ロランさんには世話になってるし、仲良しさんだからできるだけは融通するけど。


 ワインをグビグビ、いい気分になってきた頃に今日はお開き。連れ立って店を出る。お会計はロランさんの奢りででございました。ごちそうさまです! 


 次のお店とか、はしごしちゃうのかな? しちゃう? しませんか……、そうですか。いかんいかん。お酒が入ってテンション上がってしまっているが、サクヤが宿できっと俺の帰りを待っているハズだ! 素直に宿に帰りましょう!

 

 「ただいまー! サクヤさん! 体調どうですか?」


 2階の階段でロランに、また明日! と、お別れをして、コンコンとノックも早々部屋の中へ。

 

 「おかえりなさいませ。ご主人様。私のことはサクヤと呼びくださいませ。……まぁ、お酒を飲まれてこられたのですね、こちらへお座りになって下さい。さぁ、此方をどうぞ」


 優しい笑顔でのお出迎えから、ささっと立ち上がり、俺のベッドに着席させて水を手渡してくれた。何か、新婚さんみたいだな。こういう感じなんだろうな! 同棲とかしたこと無いから分からないが。顔がニマニマしちゃう。ちょっと歳が離れすぎてるか。


 「ふふふっ、何か良いことがございましたのですね? 大変ご機嫌がよろしいようで。さぁ、夜も更けてまいりましたので、シャワーを浴びて早くお休みになってくださいませ」


 おっと、いけない。まだサクヤは病人なのだ、こんな酔っぱらいの相手をさせていないで、早く休んでもらわないと。


 はーい、と返事をしてシャワールームにイン。


 浴槽はないのか。全裸になって気がついたが、ルドラアトルで初めて風呂にはいるな。これどうやったらお湯でるの? これかな? 


 壁に備え付けられているシャワーヘッドらしき物の下に赤黒いの魔石が2つ。魔道具かな? 魔石に手を触れお湯出ろ! と、念じてみたところ、スッと体の中から何かが出て行くような感覚。


 あ、この感覚は魔力を使ってる感覚みたいだ、転移の時と似てるな。転移のほうが使ってる魔力が多い気がする。


 シャワーを浴びながら石鹸が置いてあったので鼻歌交じりでゴシゴシする。ゴシゴシ……ゴシゴシ……、あれ? なにこれ、全然泡立たないじゃんか。


 しかもシャンプーは? 無いのかな?  石鹸で髪とか洗ったこと無いんだけど。ゴワゴワしそうだな。髪は男の魂なのだから、ちゃんと手入れしないと。


 「それにしても泡立たない石鹸だな。ちゃんと汚れ落ちてるのか? 香りもなんだか油臭し」


 ゴシゴシするが全然気持ちよく洗えない……、うん、石鹸いいんじゃない? 持ってきたら売れるんじゃない? 後、シャンプー良さそうだな! よし! 次は石鹸とシャンプーだ!  


お読み頂きありがとうございますっ!

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