14話 よしなにお願い致します
第14話です。よろしくお願いします。 ※誤字修正しました
ステータス!
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名前:マヒロ・アサヒナ 種族:異世界人
スキル
転移魔法(10)
言語翻訳(10)
ユニークスキル
武具創生
シソーラス
奴隷:サクヤ
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おぉ! 口に出さなくても考えるだけで浮かんでくる! そして視界を外すとフッと消えていく。これはすごい! ルドラアトルの人は自分のステータスは確認できるのだそうだ。つい何度も唱えては消して唱えては消してと、はしゃいでしまった。
ステータスの内容だが、名前種族は見ての通りだが、異世界人……、これ見られたらまずいよな。スキル欄は、自分の取得しているスキルだそうだ。横の数字は、スキルレベルと言って、高いほどいいらしい。
スキルレベル、1~3初心者 4~6熟練者 7上級者 8達人 9人類の到達点 10神
と言った具合だそうだ。俺のは10となっているので、神様レベルということらしい。確かに世界間転移など神の所業だ。スキルの時空魔法に焦点を当てると、ユニークスキルは、個人の特異的なスキルということらしい。スキルに焦点を当てるとスキルの解説が読める。
転移魔法
・世界間を移転する魔法
なるほど。そのまんまだな。この魔法は、転移をする時に思い描いた場所に転移できるから、一旦、世界間をまたげば、瞬間移動みたいに使えそうだ。かなりチートだな。俺、知らない間に魔法使ってたんだな。俺も魔法使いか。
言語翻訳
・知性ある生物の言語を翻訳する
このスキルのおかげでルドラアトルの人と、コミュニケーション取れていたのか。ありがたや。さっきサクヤと話していて気付いたのだが、聞こえてくる言葉と口がの動きが合って無いような気がするんだよな。聞こえてきた言葉を日本語に翻訳してくれているのだろ。このスキルがあれば、地球でも、俺はバイリンガルだな。
武具創生
・能力者の魔力を使い想像の武器防具を創生する。既存の材料を使っての武具創生も可能
これは使ったこと無いので全然わからない。想像する武器って、要は、俺が考えた最強の武器ってやつが作れるのだろうか? これも使いこなせたらかなりのチートなのではないだろうか。ただ、魔力を使い、とあるがどれくらい使うのだろうか? 俺にどのくらいの魔力があるのだろうか?
シソーラス
・生き物以外を格納できる宝物庫。容量無限、時間経過無し
おおお! これは! アイテムボックスじゃないか! 素晴らしい! これは相当便利だな。こうしてみると、どのスキルもかなりのチートではないのだろうか? 神様的なのに会わなかったから、チートは転移しか無いかと思っていたが、これならおれの異世界ライフは素晴らしい物になりそうだ。俄然ファンタジーしてきたな!
「確認できましたか?」
おっと、ステータスに感動してサクヤがいるのを、完全にまた忘れていた。
「できたよ。俺は、転移魔法(10)言語翻訳(10)、ユニークスキルが2つだったよ」
「そうなのですか、話に聞く異世界の来訪者は、7前後のスキルを持っていたと言われております」
「そう……、俺は少いのね……」
なぜ俺は3つなのだ……。まあ、もともと転移以外には無いと思ってたからな。少ないとはいえ優秀そうなスキルがあるんだ、良しとしよう。
「あっ……、申し訳ございませんっ! その……、聞いていた数よりも少なかったので、……その……あっ! ユニークスキルが2つもあるなんてすごいですよっ! 流石ご主人様でございますっ!」
いいよいいよ。そんなに無理して褒めてくれなくて。その優しさが痛い。ユニークスキル名を説明すると、武具創生は聞いたことがないらしく、シソーラスは似たような、アイテムボックスという、まんまそのスキルがあるらしい。ただ、シソーラスみたいに無制限、時間経過無しというのではないそうだ。これにはサクヤは本当に驚いていた。
サクヤに、この際だからと色々、今までの疑問も確認した。まずは、魔法のことだ。この世界の生物は皆、多かれ少なかれ魔力を宿していると言われているらしい。ただその魔力を感知できるかできないかは、才能によるところが多いそうだ。更に、その魔力を操って、攻撃魔法として使用し、スキルにまで昇華できるものは更に少なくなるとのこと。魔法スキルを持っているのは、10人中1人の割合位だそうだ。簡単な生活魔法だけなら使えるという人もいるらしい。
次に、この世界の魔物の事、この世界の生物を殺すと、魂の階位というものが上がる。要は、レベルアップみたいなものだ。倒した生き物の魂の階位の一部を吸収するといわれていて、その恩恵は、力が強まったり、体が引き締まったりと目に見える形であるらしい。ルドラアトルに美男美女が多いのはこれが原因かもな。これは早速レベル上げがしたくなってくる。
そして、この世界の神様について聞いてみた。俺の地球からの転移はいったい何者の仕業なのか。こんなことができるのは、神様くらいしかいないのではと思っていたのだ。もしかしたら、この世界は神様が、概念ではなく、存在としているのかもしれない。年末のお祝いの5日間の、降臨の月というのもあるくらいだしな。サクヤも、さっき号泣しながら神様に祈っていたいたもの。
「ルドラアトルは、月女神ヘルザ様が創造したと言われています。なので、世界的にはどの大陸でも、月女神ヘルザ様を奉る、月神教が信仰されています」
神様が降臨したと言う話は残っているらしい。いるのかも、神様。
一神教みたいのようだな。これなら宗教戦争とかもなさそうだな。あれは殲滅戦だからとても悲惨な歴史になるし、必ずその後に禍根を残すから、平和的で何よりだ。おれはもしかしたら、月女神によってこの世界に呼び込まれたのだろうか? それらしい人に会ってないんだが。人じゃないか。
ルドラアトルにいる種族については、人間、獣人、ドワーフ、エルフと魔族がいるらしい。魔族は、全世界でも5人確認されているが、所在は不明だとか。寿命については、人間が80年前後、獣人も同じくらいで、ドワーフが150年前後、エルフに至っては、500年も生きるのだそうだ。魔族は詳細不明だとか。もちろん、魔物がいる世界でなので平均寿命ならばもっと短くなるだろう。
まだルドラアトルにきて、エルフとドワーフを見ていないなと思ったら、エルフは、森の集落からあまり出てこないらしい。美男美女ぞろいで、闇奴隷商などに攫われるることがあって、あまり他人種との交流をしないそうだ。ドワーフは、街の鍛冶屋とかに結構いるらしい。東のオーディスティ大陸にはドワーフの王国があるらしく、新しい技術を求めて、国を飛び出していくドワーフが多いとか。
ルドラアトルの人口はどのくらいなのだろうか。世界地図なども見たこと無いから、なんとなくでしか大陸の場所を把握していない。精確な地図などは国家機密扱いだそうだ。
今のとこ聞きたいことはこのくらいだろうか? 今しか聞けないわけでは無いから、追々、何か遭った時に確認すればいいだろう。サクヤにも何か俺が変なことしたら、注意してもらうようにしておこう。
「大体聞きたいところはこんなものかな。また、聞きたいことができたら教えてもらうことにするよ。まだ体調が回復してないのに長々とありがとう。助かったよ」
「とんでもございません。私は、ご主人様の奴隷で、この命を救い上げて頂きました。その優しいご主人様に身命を賭して尽くしてまいりたいと思います。ですので、これくらいなんともございません。来訪者であるご主人様とこうして巡り会えたのも、月女神ヘルザ様のご意思。そう、これは神の恩寵なのです。ですからご主人様、これから末永く、この命尽きるまで、どうぞ、よしなにお願い致します」
サクヤは床に正座し、三指ついて頭を深々と下げる。おぉぅ……、何か色々重いが、美少女にここまで言われるとは嬉しい物だね。こちらこそよろしくお願いしたいものだ。
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