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第八十二話 感染③

またまた短くてすみません><

 

 朝――

「さぁ、みんな起きて! 起きて! 早く出発するぞ!!」

「いくでちゅーーーーー!!!!!!」

 りゅうとラテっちが元気よく……すごいハイテンションでみんなを起こして回る。

 だが、熟睡しているものは一人としておらず、優作をはじめ、式さんも壱殿も準備万端の状態だった。

 一人だけ覗いて。

 パチがボンズの隣に座ったまま動こうとしない。

 それに気づいた優作がパチの元へ駆け寄り肩をゆする。

「まさか……感染したのですか!?」

 目を覚ますパチ。その表情は疲れが見え隠れしていた。

「いや、大丈夫よ。それより、早く出発しましょう」

「――もしかして、寝てないのか??」

 りゅうがパチに気遣い寄り添うと、パチはりゅうの頭をなでながら「そんなことないわよ。ほら、みんなでボンズを助けましょう」と逆に励ましてくれた。

「……うん。パチ、無理するなよ」

「わかっているわよ」

 りゅうの後ろにいたラテっちもピョンとパチのひざ元に飛び乗る。

「ぱち……ぼんずは?」

「うん。まだ大丈夫。おなかに浮かんでいる掌の紋章も、まだ指一本しか浮かんでないわよ」

 そういって寝ているボンズの服をめくり、腹部の紋章を見せる。

 すると、ラテっちは掌の紋章をペチペチ叩き始めた。

「こいつめー、すぐにけちてあげるんだから!! まっててね、ぼんず」

「はいはい。これ以上叩くとボンズが起きちゃうわよ」

「そうでちた。ごめんなちゃい」

「それじゃ、ボンズを――仲間を助けに行きますか」

 みんなは声を上げることなく。寝ているボンズの横で右拳を挙げた。


「|the last one party《ザ ラスト ワン パーティー》」の面々がコロシアムに着いた時、それほどプレイヤーはいなかった。

 まだ行動を起こしていないのか……すでに多数のプレイヤーが異空間に行ったのか

 ……恐らくは後者であろう。

 コロシアムの中央には五門斉(うーめいさい)へと繋がっている青い円形の入り口があった。今まで使用不可となっていたワープホールだ。

 五門斉――一つの入り口からランダムで五つの分かれた異空間のどこかに飛ばされるダンジョン。

 この中にワクチンがある。プレイヤー全員分があるのか……それとも五つの中から一つのダンジョンにしかないのか全く不明だ。

 ここで壱殿から一つ提案が出された。

 それは、「全員同じダンジョンへ行くか、多数に分かれるか」である。

 魔物がいるかわからない……いや、それは今は問題ではない。問題なのはワクチンをもし見つけてからのことだった。

 プレイヤー同士の奪い合いは必至。これをどう回避しながら全員分のワクチンを確保するかである。

 だが、今回は時間制限がある。もし全員で同じ場所に向かい、一つもワクチンがなかったら最悪の結果を迎えてしまう。

 話し合いの結果、人数分裂による戦力拡散が痛いが二手に分かれることにした。

 壱殿の提案はこうだった。

「まず、(ペー)は分かれたほうがいいだろう。ワシとおチビちゃんは別チームだ」

「うっちゅ」

「範囲攻撃として式と優作も分かれた方が得策だ」

「そうだな」

「了解しました」

「問題は――パチか……」

「なんで私なの!?」

「自覚がないのか。まぁいい、チビッ子の攻撃力があれば回復役はそう必要ではないだろう。ここはチビッ子とパチが分かれてもらう」

「わかったぞ」

「なんか、釈然としないわね」

 ここで壱殿は咳払いを一つして、改めてりゅうに問いかけた。

「おい、チビッ子」

「ん?」

「おチビちゃんと一緒の方がいいか?」

 壱殿が珍しく気を遣っている。

「ラテっち、大丈夫?」

「だいじょぶ! ぼんずのためでちゅ! ちょーがんばるの!!」

「それならば、わかりやすく『女性』と『男性』に分かれるか。連絡は音声チャットで絶えず行おう」


『了解!!』


 そして、女性チームと男性チームに分かれワープホールに飛び込み五門斉(うーめいさい)へと向かった。



寒くなりました。風邪など気をつけてくださいね。

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