番外編 ラテっちGO!
いつもの番外編通り、ボンズの夢の中の世界です。
なんかもう色々すみません。
――はっ!?
ここは……また夢の中か。と、云うことはここはラテっち王国。
よくまぁ、同じ場面の夢を何度も見るものだ。
――と、突然のことだった。
「たちゅけてー!」
見たこともない複数のプレイヤーに青帽ラテっちが追いかけられている。
プレイヤーたちは、ラテっちを見ずになぜかスマホを持って凝視している。
すると、青帽子ラテっちがスマホに吸い込まれた。
――?? なんだ、いまの?
すると、後ろから白帽子ラテっちがズボンを引っ張ってきた。
「ついてきて」
連れられるまま、王宮に隠れる。
「これは一体どういうことだ? 事情を説明してくれ」
「なんかね『ゲットだぜ!』というひとたちがこくみんをさらうんでちゅ」
「……ゲット?」
すると、ついにプレイヤーが王宮に侵入してきた。
「レアラテっちはいるかー」
「いるかー」
「おたすけー」
なんだろう、あまり緊張感が伝わってこない。
ボンズは一人のプレイヤーに話しかけていることにした。まず何をしているか、そして、スマホには一体何が……
「おい、スマホ見せてくれ」
「君も興味あるのか。ほら」
差し出されたスマホの画面を見ると、そこには元気な姿の青帽子ラテっちの姿があった。
「……なんか、これ欲しいな」
「ぼんず~! アップよ! ぷんすか!」
「ごめんごめん、それで、君たちはラテっちたちを集めているのか?」
「あぁ、レアものの『王様ラテっち』をゲットするんだ。あと、捕まえたラテっち同士でこの城を奪い合うんだ」
「そんなことできるんだ――へぇぇぇ」
「ぼんず……?」
「やっぱり俺も欲しい!」
「にゃー!」
「あ、俺、スマホもってないや。仕方ない」
王様ラテっちを抱き上げる。
「ラテっち、ゲットだぜ!」
「うにゃあああ」
その時、スマホを持ち歩いていたプレイヤーたちに一筋の光が走り、持っていたスマホだけを斬られたのだ。
「警備隊長のりゅうだ! ラテっち王国の平和はぼくが守る」
斬られたスマホからは色とりどりの帽子を被ったラテっちたちが出てきた
「でられたー」
「わーい」
「スマホがなくなっちまった。仕方ない。帰るか」
プレイヤーたちはすごすごと王国を去っていった
「これで王国に平和が戻ったな」
ボンズが何食わぬ顔で云うと、
『ジトーー』
「ん?」
「ぼんずー!!」
「ボンズーー!!」
「いや、だって……あ、そうだ。俺がゲットしたから王様を守ったんだぞ! そう、そうなんだよ」
『じとおおおおおおおお!!」
「…………何が望みだ」
「クレープをおなか一杯食べたいでちゅ!!」
「一種類じゃないぞ! いろんなクレープだぞ!!」
「わかりました……ごめんなさい」
俺はその後、りゅうとたくさんのラテっちに囲まれ、数百枚クレープを焼く羽目になった。
「(ほんとうは、ぼんずにげっとされてもいいんでちゅけどね。ないしょでちゅ)」
――――
――――っは!?
朝か……また変な夢を見たな。
りゅうとラテっちも同時に起きてきた。
「二人とも、おはよう」
「ぼんず」
「ん?」
「クレープおかわりでちゅ!!」
色々ごめんなさい。怒らないでね。