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第十八話 真似

 

「ヤバい! これは本当にヤバいって!! 助けて!!」


 魔物を目の前にしながらも、首以外のほぼ全身を砂に埋められ全く身動きの取れない状態でいるボンズは、吠え叫び慌てふためいていた。

「これで、ボンズも一貫の終わりね……残念だわ」

 パチはしゃがみながら顎を両手で支え,ボンズを見下ろしながらつぶやく。

「アナタの頭の中が残念だよ! 何? これで物語終わっちゃうの? 仮にも主人公だよね俺って。主人公が砂に埋まったまま魔物にやられるなんて、こんな間抜けな終わり方見たことねぇよ!」

「安心して! 次回からこの私――パチが主人公を務める『見つめないでよ! ファ●キュー!』が始まるわよ!」

「安心できるか! タイトルに●を使う時点でどんな話だよ! あらすじだけでも見てみたいわ!」

「見てみたいって……女の子に卑猥なことをさせる気なの? ホント、いやらしい人」

「今、卑猥って云った! 自分から『卑猥』って云いやがった。『ピー』音が出てくるのか? 自主規制連発じゃないだろうな!」

「そんなことはどうでもいいじゃない」

「お前が先に話を振ってきたんだろうが! 頼むから掘って! 早く掘ってくれー!!」

「私……男にそういうことする趣味ないから」

「やっぱり自主規制じゃねぇか! それにわかりずらいんだよ! お子様だっているんだぞ!」

「へぇーー」

「へぇーって、おまっ……お前、そんな冷たい眼差しを向けて、やっぱり助ける気なんかないだろ! 覚えてろよ! 自由になったら本気で何するか自分でもわからないからなコノヤロー!」

「何をするかわからないなんて。男って野獣よね」

「りゅうー! ラテーっち! 助けてぇー!!」


 既に会話にすらならないパチに助けてもらうのは諦めた。

 しかし――確実に背迫る危機。

 頼れるのはチビッ子2人だ。

「ぼんずー。あれ、おっきいね」

 バイキングマスターを指さし、その巨大さに関心を示している。

「ラテっち。あいつらが襲ってくる前に、俺をここから出してくれ」

「ほ~ほ~」

 納得してくれたようでなによりだ。――って、おい。何をするつもりなのかな?

「いきまちゅ! しぇーのー!」

 ラテっちはボンズの銀髪をしっかりと掴み、まるで漁で使われる投げ込み網を扱うかのように引っ張った。

「いたいってば! やめて! 毛根が死ぬ! お子様にはわからないだろうけど哀しいんだぞ!」

「ありゃ? もういいの?」

「厚意」は非常にありがたいが、「行為」が非常に残念だった。気持ちだけ頂くよ。

「りゅう、本気でお願いします。俺を砂から出して下さい!」

「よし。まってろよ」

 思わず子どもに敬語を使ってしまったが、頼みの綱はすでにりゅうしかいない。

 ボンズの願いが伝わったのか、りゅうは凄まじい勢いで砂を掘り返し始めた。

 削岩機の如き速さで手を砂に叩きつけ、ショベルカーの如き力で砂を掘り起こしていく。

「いいぞ! 流石は『W西ダブシャ』だ。武器はなくても力強い! 頑張って!」

 すると、パチがりゅうの手を掴みだし動きを止めた。

 ……どうしたんだ?

「ほーら、りゅう。おねーちゃんと一緒に美味しいジュース飲みに行こうね」

「オルァアァ!! 助けないどころか邪魔しちゃうの!? もう怒っちゃうよ? 俺、本気で怒っちゃうよ!!」

「フッ、冗談よ」

 ――目は笑っていない。コイツ、本気だ。


 そういえば……バイキングマスター2体はまだ襲ってこない。――どうしたんだ?

「おい……生首が喋っているぞ」

「気味が悪いな」

 バイキングマスターたちは顔を見合わせ、俺のことを気持ち悪がっていた。

「お前らもいい加減にすれよ! 生首が喋るか!」

はかったな。それならば――」

 ボンズが叫んだ途端、こちらに向かって襲いだした。

「くそボンズ! 余計なこと云うんじゃないわよ!」

「少しも悪いとは思っていないけど、とりあえずゴメンナサイ!!」

 せっかく動きを止めていたバイキングマスターの戦闘スイッチを押してしまったようだ。

 状況は悪化した上に、掘り出されるまで時間はまだかかる。

 その時だった――

「ここはまかせるでちゅ。かかってきなちゃい! アチョー!」

 なんと、ラテっちが前衛に躍り出だしたのだ。

 身体の正中線を隠した横半身の構えをとり、バイキングマスターに向かって手招きをしている。

 その威風堂々たる姿は、かの有名なヌンチャク使いのアクションスターのようだ。

 だが、姿はどうあれボンズはラテっちを呼び止める。

「待て! 危ないことはするな!」

 ラテっちが素手で戦えるとは思えない。しかもあの体格差だ。

 巨大な身体を持つバイキングマスターと比べれば、ラテっちが小動物に見えてしまう。

 しかもカバンを持っていない状態で勝てるとは思えない。いや、勝つ以前に勝負にすらならないだろう。

 だが、ラテっちは怯まない。

「だいじょぶ! ぼんずのまねをしまちゅ」

「俺の真似?」

 ラテっちは小さな手で拳を作り、その拳を顔に近づける。

 確かに俺によく似た構えにも見える。

 さらには、左右にフットワークを刻み始めた。

 ピョンピョン跳ねているともいうけど、なんとなく様になっている。

 それに身体が小さい分ステップがより細かく刻まれ、軽快な動きともいえた。

「う・ちゅー! う・ちゅー!」

「お! 今度はワン・ツーか」

 腕が短すぎて浮き輪より少しだけしか拳が前に出ていないけど、これまた様になっている。

「う・ちゅー……」

 ところが急に動きを止め、こちらへと振り返る。

「『さん()』は、なんていうの?」

「『ツー()』はおしいけど、『ワン()』も云えてないから、気にしないでー!」

 ラテっちの様子を見ていたパチが、冷静に語りかけてくる。

「流石はボンズの真似だわ。子どもって、本当によく見ているのよねー」

「えっ? 俺ってあんな感じなの!?」

「そうね……『あぁ、アレには勝てるな』――と、思わせる振る舞いとか」

「ラテーーーーっち!! 戻ってきなさーい!!」

 すると、ラテっちは掌を前に出し、待ったをかける。

「ちゅぎはだいじょぶ! わたちのしんのちからをみせまちゅ」

「真の力? まさか……ラテっちに更なる力があるとでもいうのか!?」

「……あると思うの?」

「……ゴメン。思わないかも」


 ラテっちはゆっくりと腕を回し始めた。

 そして――両手の甲を額に当て、掌をバイキングマスターに向ける。

 その堂々とした振る舞いのせいか、バイキングマスターはひるみ、突進するのを止めた。


「いくじぇ! ラテっちビーーーーーーーーーーーム!!」


「………………」

 バイキングマスターは様子を見ている。

「ビビビビビー」

 ラテッチの口から発せられた効果音のみが辺りに響く。


「……ありゃ? きかない。なんで?」

 ラテっちは「不思議だな?」と云わんばかりの表情をしながら首を傾げる。

「きかないじゃなくて、ビームすら出ていないからね!!」

「おかしいでちゅ。かいじゅうゴッコではみんなやっつけたんでちゅよ」

「今はゴッコしちゃダメーー!!」 

「だって、ここはゲームのせかいなんでちょ?」

「ゲームの――世界」


「よくも騙したてくれたな」

 赤面しながら斧を振り下ろすバイキングマスターたち。そうですよね。一瞬でもアレにひるんでしまっては恥ずかしいですものね。

 怒り……いや、恥ずかしさに任せて繰り出される攻撃を間一髪でかわすラテっち。

「わっちゃー」

 ラテっちはまるでハムスターのようにチョコマカと縦横無尽に走り回る。いよいよ本物の小動物のようだ。

 いや、縦横無尽と云うよりもバイキングマスターの足をまるでレースに使われる三角ポールの替わりにして、その隙間を8の字に駆け回っているようにも見える。

 しかも浮き輪を持ったまま……そのおかげで、非常に危ない状況であるにもかかわらず緊張感がまるで感じられない。

 でも、流石にこのままというわけにはいかない。

 いずれは攻撃を喰らってしまうだろう。

「りゅう、俺はいいからラテっちを助けてくれ」

「でもボンズ。このままじゃ出られないだろ」

「大丈夫だ。片腕だけでも出れば、後はなんとかする!」

「わかった!」 

 りゅうはラテっちに向かって走って行く。

「パチ。もう少しなんだ。頼んだぞ!」

「……チッ」

「まだ主人公狙っていたんかい! お前は俺より存在感があるから大丈夫だって! 俺は影薄いしさ。だから……な!」

「わかったわよ! まったく……なんで砂に埋まるなんて間抜けなことをしたのよ?」

「92%くらいアナタの責任ですから!!」

 りゅうが砂を掘ってくれたおかげで、上半身の肩までは出ている。もう少し掘ってくれれば腕を出すことができる。

 パチにりゅうの続きを掘ってもらう。そうすればあと少しで片腕が自由になる。

「ラテっち、一緒に逃げるぞ!」

「うん!」

 りゅうはラテっちと手をつなぎ、バイキングマスターから逃げだす。しかしバイキングマスターの大きな歩幅が逃げる2人の距離を縮めない。

「りゅう! そのまま俺の方へ来い!」

 ボンズの呼びかけにりゅうは即座に従い、真っ直ぐ走ってきた。

「それでいい。少しでもこちらに引きつけてくるんだ」

 そして、砂を掘り続けるパチに対して「少し離れてくれ」とボンズは云った。

 おかげ様で、肘まで見えるほど掘ってくれた。後は力押しで充分だ。

 ボンズは気合いを入れると共に、砂ごと腕を突き上げた。

 巻き上がる砂――その砂は更に大量に巻き上がる。

 ボンズは身体を取り囲む砂に上半身の――いや、腕の力のみで拳を叩きこむ。

 砂浜が氷のように割れるわけはない。だが、確実にボンズを被う砂は霧散していった。


「えっほ、えっほ……アウッち!」

 りゅうに連れられていたラテっちが転んでしまった。

「ラテっち! 危ない!」

 りゅうがラテっちをかばう様に覆いかぶさる。その2人にめがけて斧が振り下ろされた。

 斧の衝撃で砂が舞う。

 ――しかし、そこには2人の姿はない。

 2人を捉えたと確信していたバイキングマスターは驚きを隠せない。

 辺りを見回し、消えた2人を探す。

 消えたのではない。

 ボンズが砂から脱出するのと同時に飛び出し、両脇にりゅうとラテっちを抱えてその場から連れ去っていたのだ。

「おまたせ!」

『ぼんずー!』

「大丈夫だったか? 後は俺に任せろ――今度こそ……な」

 ボンズは2人を降ろし、ここから離れるように指示した。そして、いつも通りのステップを踏み始める。


 そうそう。以前、「ソロは任せろ」と云いながら全く戦えなくて、りゅうとラテっちに縄跳びで教わったんだよな。この動き。

 だけど、あの時のままではこの先は進めない。

 俺に足りないものをこの遠足で教えてもらった――楽しむことだ。

 俺は楽しかったから独りでこのゲームをやっていたんだ。

 そして、現実にいた時とは違うこと――仲間ができたことだ。

 だから、仲間と楽しむんだ。この世界を。

 そして、忘れていたよ。これは「ゲーム」だってことに。

 コイツらの攻撃は決まっている。所詮は斧を「振り下ろす」・「なぎ払う」そして「体当たり」の3種類しかない。

 ゲームでそれを知っている以上、行動パターンの予測は可能だ。

 もし予測外の、ゲームとは違う攻撃があったとしても、それはそれで面白いと感じれ! 


 ボンズのステップの速さが上がっていく。

 そのため、バイキングマスターは2人で左右両側から攻撃するもボンズには当たらない。

「足場は悪いけど、埋められていた時ほどじゃない。身体が自由に動く以上、そんな攻撃なんか喰らわねぇよ」

 ボンズは宣言通り、まるで斧がボンズの身体をすり抜けたかと錯覚するほどギリギリの距離で瞬時に攻撃をかわしていく。

「右の奴が腕を振り上げているみたいだな――ラテっちのようにチョット飛ぶだけでいいか」

 斧が身体のすぐ傍を通り過ぎる。

「まぁ、こんなところだろうな」

 あと一歩……いや半歩でもずれていれば斧に直撃していた。それでもボンズに動揺はない。

 りゅうの凄まじい威圧感を体験し、そして幾度も攻撃を喰らった。共にりゅうの比ではない。

 ビビリな俺でも、あの圧倒的迫力を何度も経験させてもらったら、バイキングマスターの迫力など論外だ。

 それに、人生で何一つとして才能を持っていない俺でも、この世界では「『東南トンナン』のレベル99」という才能をすでに持っている。活かせるかどうかは――俺次第。


 そう――前だけを見ればいい。相手など直視する必要などない。

 相手がいることだけを認識すれば、それだけでいいんだ!


 その考えに行き着いたボンズは、あえて「構え」をとらない。

 以前は左足を前に出すオーソドックススタイル。上半身は軽い前傾姿勢のままで左手を極端に降ろし、右は肘を折りたたみ拳を顔付近に置くスタイルをとると同時に、りゅうから教わった防御法を取り入れ、右手は真上から右側、左手は下半身から左側を、円を描くように回す受け方を取り入れていた。

 しかし――それすらもせず、両手を下げたまま構えることをしない。

 それは、己の真骨頂はあくまで「回避」にあることを思い出したからだった。

 改めて実感した己の能力をこの世界でも実現させる――その答えを出したのだ。

 触れさせることのない。

 そして、どのタイミングでも拳を突き出せる構えとして、型のない――無型の構えを確立させた。

 そのことが更にボンズの戦闘に影響を及ぼすこととなる。

 パッシブスキル――常時発動している特殊スキルをこの世界でもマスターする結果となった。

 近接距離において、攻撃に身体を一切触れさせず、細かく、素早くステップを刻むことで攻撃を回避する。

 ラテっちのステップ を見て思い出した。ステップによる回避を。

 高速のステップによる近接攻撃自動防御――【千鳥ちどり】を。


 さらに、ボンズはこれを攻撃にも応用。

 攻撃自体の効果はないが、己の間合いを詰めるために使用。

 中間距離ミドルレンジから近接距離ショートレンジに踏み込む。相手が攻撃を仕掛けてくれば逆に最小限の距離をとる。

 他段攻撃であれば、その場で高速ステップし、身体にすら触れさせない。

 攻撃範囲自体が変化するわけではない。

 あくまで近付くための行為――そして、攻撃を喰らうことなく己の拳が届く範囲を確保し続ける。

 近接攻撃のみのボンズにとって、これほど有効な攻撃手段はない。これこそがゲーマー「ボンズ」の姿だった。


 そして、相手との距離を縮める鋭い踏み込みは、あまりの強さに砂が大量に巻き上こす。

 一瞬にして間合いを詰めての攻撃。バイキングマスターが斧を振りまわせばステップでかわす。間合いを取る。相手の攻撃モーションが終わる瞬間、再び鋭い踏み込みで飛び込んでいく。

 全体重を高速に移動した勢いを乗せ、無数とも云えるハンドスピードで攻撃を繰り出した。


 気付いた時にはすでに形勢は完全に逆転した。

 ボンズに触れることのできないバイキングマスター。

 それをあざ笑うかのように、己だけの攻撃を与え続けるボンズ。

 

 その途端――他の3人は既に余裕の観戦をし始める。いや観戦すらしていない。

 りゅうとラテっちは砂山を作り、棒倒しに熱中している。

「ぼうがたおれちゃった」

「かちー!」

 パチはCMのように「プハーッ!」と美味そうにビールを飲んでいる。


「あの……こう見えても、結構ギリギリなんですけど……」

「次回からは『スカッと爽快! スパン王様キング』が始まるわよ!」

「そのネタはもういい!! なんだそのムダな笑顔は!!」


 会話のやり取りの間にも、バイキングマスターたちは必死に攻撃している。

 2人でボンズを挟み込むように、左右同時に斧をなぎ払う。

「こんな攻撃方法はゲームではなかったな。この世界のオリジナルなのか?」

 そう思いながらも、瞬時にバックステップ。斧はボンズの鼻先で交差し、むなしく空を斬る。

 空振りをしたバイキングマスターは、そのまま大きく態勢を崩してしまった。

 後はボンズの1人舞台――態勢を崩したままのバイキングマスターに無情の連打を叩きこむ。

 その速さたるや、再び立ち上ることを許さない拳の嵐であった。


 そのまま、ゾーンは消滅していく。バイキングマスターを倒した証だ。    


 ボンズは消え去るゾーンを見つめながら物思いにふけだした。

「海の家のオヤジ――NPCノンプレイヤーキャラクター。そしてクランキーコンドルやバイキングマスターといった魔物も、己の意思を持ち、それを表現している。攻撃のパターンはある程度ゲームと同じだとしても、固有の人格を持っていた。そのことに、ゲームの世界と現実となったこの世界に『違い』を作ることに、意味でもあるのか?」――と。


 そんなボンズにパチが背中を叩く。

「なにをボーっと突っ立っているのよ。せっかく海に来たんだし、記念にSSを撮らない?」


 SS――スクリーンショット。

 PCモニタに表示された画像。ここでいえば「ゲームの画面に表示されている状況」を撮影し、クリップボードに貼り付け、保存できるシステムのことである。


「いいなそれ!」

「さんせー!」

「SSなんて撮れるのか?」

 ボンズはタッチパネルをいじる。

<PrintScreen>

「……あるよ」

 ――ということは、撮影したスクリーンショットはタッチパネルにでも保存されるということか。 

「それじゃねボンズ、パチの肩に腕を伸ばして」

「えぇ! なんで?」

「いいから早く」

 ラテっちはパチをボンズの横に引っ張る。

「ここにたってね」

 りゅう……それは恥ずかしいよ。

「ほら、早くしなさい」

「え、いいのか?」

「いいってば。ほら」

 パチはボンズの手を掴み、己の肩に手をあてた。

 肩を組むというよりも、ただパチの肩に腕を伸ばし、触れているといった感じだ。

「あとで『セクハラ』とかいうなよ」

「ボンズは存在自体がセクハラだから大丈夫よ」

「それってどういう意味!?」

 りゅうとラテっちはボンズの身体をよじ登ってくる

 そして、伸ばしたボンズの腕をベンチ椅子の代わりのようにして座った。

「準備オッケーだ」

「こういう理由ね……まぁ、重くないからいいけど」

「みんないっしょ!」

 りゅうとラテっちはなんとも楽しそうだ。


「で、かけ声は?」

 その問いに対し、各々が意見を述べる。

「べびーちーじゅ」

「スライスチーズ」

「ありきたりね……青カビにしましょう」

「それは嫌だ!」

「それじゃ、ボンズはなにがいいのよ?」

「そうだな……モッツァレラ?」

「はい! 3・2・1……」

「無視かよ!」


『チーズ!!』


 初めてのSS。

 今日――仲間と一緒に、記念のSSを撮った。



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