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 番外編 ラテっち王国再び 国王総選挙!

 


 ―ここは

 深い霧の中、ボンズは久々にラテっち王国に入り込んだ。

 ここは色様々なたくさんのラテっちたちと警備隊長のりゅう。そして国王ラテっちのいる平和な国だ。

「どれどれ、みんな元気にしているかな……ん??」

「びぇーん!」

「びぇーん!」

 泣き声がこだましている。

 その声をたどり、ボンズが恐る恐る様子を見ると―


「ふむ。おぬしはシュークリームを3つもっておるの。おやつ(ぜい)として1つよこすのじゃ」

「びぇーん!」

「おぬしはポンポンがタプタプだな。タプタプ税で持っておるドラやきをよこすのじゃ」

「びぇーん!」


 なんてことだ。

 そこには、今まで国王だったラテっちではなく、ネコの地和(ちーほー)が玉座に構えて、国民ラテっちからオヤツを取り上げていた。

 どうなっているんだ??

 ボンズは泣いている以前イジワルをしていた黑帽ラテっちに話を聞いてみることにした。

「あのね、こくおうさまはおやつのたべすぎでポンポンがいたくなって、いまはねているの」

「りゅうは?」

「こくおうさまとずっといっしょ……」

「そうか……でもなんで地和(ちーほー)が代わりに国王になり、みんなからオヤツを取り上げているんだ?」

「ちーほーちゃんはチョットまえにきたの。それでね、こくおうさまがおやつのたべすぎでうごけなくなったから、おうさまとおなじようにならないようにって、おやつぜい()と、おにくタプタプぜい()をとるんだって……」

「ムチャクチャだな。つまり国王が寝込んでいるから、代わりに地和(ちーほー)が国王になったんだな」

「うん」

「なるほどねぇ……(つまり、現国王と代理国王との静かなる争いということか)―それにしても『税』をとるのはヒドいな。これはどうにかしないといけないぞ!」

「シクシク―どうやって?」

「選挙だよ!」

「せんきょ……? せんきょってなに??」

「みんなで今までの国王がいいか、地和(ちーほー)がいいかをみんなで決めるんだよ! 地和(ちーほー)が税でみんなを困らせているのなら、みんなで平和に国王を戻せばいい!」

「にゃるほど! みんなにいってくる~!!」


 この話はすぐに王国全土に広がり、当然地和(ちーほー)の耳にも入った。

「ボンズめ、余計なマネを……っ!! ふっふっふ。おい、そこのみんな集まれぃ!!」

『??』

「この地和(ちーほー)様を国王として応援した者には毎日好きなおやつを1個与えよう」

『ほんと!?』

「あぁ、約束する」


 ―


 ―さて、国民みんなが集まったな。

 ボンズがお城からたくさんんのラテっちを見まわす。

「それじゃ選挙を始めるぞ!! だれが国王になってほしいか、多くの手をあげて応援した者が国王だ!!」

『おぉ~~!!』

「それじゃ、地和(ちーほー)が国王になってほしい人は元気よく手を挙げて!」

『はーーい!!』

 あら意外。多くのラテっちたちが手を挙げる。もう数えるまでもない。

 地和(ちーほー)の勝利だ。これにより、地和(ちーほー)国王となる。


「それじゃ、やくそくのおやつちょーだい!」

「―やだね」

「え……」

「約束なんてしらんな! これからもお前らからたっぷりと税とってやる。うひゃっひゃ」

「うぇ~ん!!」



 ……ソウイウコトカ!!


 ボンズは1人、黙って森の奥へと入っていく。

 そして、両腕いっぱいにイチゴを持ってきた。


 ??


「まず、イチゴをキレイに水洗いしてヘタをとる。それから包丁でイチゴを縦に薄く切って、氷を作るアイスキューブに、これまた縦に花を型を取りながら敷き詰めていく」

『ほうほう』

 ラテっちたちはボンズの手元に興味深々。

「これにサイダーを垂らして、冷凍庫で寝かせる。この間に余ったイチゴとサイダーをミキサーにかけてシロップをつくる」

 」

「これがおわれば、いっぱいのかきごおりを作って、特製シロップをまわしかけ、冷凍庫で寝かせておいたイチゴのお花を上にトッピングすれば―ほら『夏に最高! 特上イチゴかき氷』の完成だ!!」

『やったーー!!』


 ムシャムシャ

『ちょーーうみゃーーい!!!!』


 ―わきめに

 うらやましそうに見つめる地和(ちーほー)

 だが、それをボンズは見逃さなかった。

「よくも大事なラテっちたちをイジめたな……」

 怒り、重圧をかけるボンズ。

 すぐさま地和(ちーほー)の近くにある大岩を拳で叩き砕いた。

「うひゃ!! あわわわわわわわ……」

「これは俺の大事な『ラテっちたち』をイジめた『俺の怒り』の分。次に繰り出す拳は俺の大事な『ラテっち』をイジめた『俺の怒り』の分だぁ!!!」

「結局自分のことしか考えていねぇ!!」

「ふぅ、いいかよく聞け。これがもし俺ではなく『パチ』だったら、お前は今頃『良い子には見せられないこと』をされているぞ―言ってやろうか?」

「!! そ、それだけは勘弁でやんす!!!」

「それじゃぁ国王は諦めて、ラテっちに国王を譲るよな?」

「……はい」

「よしよし。さぁみんな! 国王ラテっちのお見舞いにいくぞ!!」

『おぉ~!!』


 お城の寝室に入る。

「りゅう!」

「ボンズ!」

「ラテっちの具合はどうだ?」

「来てくれたのか! ありがとな、ボンズ。すっかりよくなったよ! なぁ、ラテっち」

「うん。ボンズきてくれたんだね。ありがとでちゅ」

「なによりだ。でも、おなかをこわしていたのなら、かき氷は無理だな」


『かきごおり!?』


「うん。でもなぁ……」

「あつい日がつづいていたから冷たいモノが食べたかったんだよ! なっ、ラテっち」

「たべりゅ! もうポンポンはへいき!! でちゅ!!」

「そうか? それじゃぁ」


『うみゃい!! たまらん!!』


 まぁこれで、ラテっち王国も安泰だな。よかった、よかった」


 めでたしめでたし



 ――


 ――はっ!

「夢か……ところで地和(ちーほー)のヤツ全然出てきてないけど何をやっているんだ??」



 次回は出ます



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