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第十二話 途中

「改めまして、パチと云います。よろしくね!」

『よろしくー!』

「あぁ、よろしく」

 まぁ、さんざん引っ張ってくれましたわ。

 人の名前をとやかく云うつもりはないけど、初登場から丸一話名前出てこないってどうなの?


 なにはともあれ――

 予想に反し、難関だと思われた4人パーティー結成クエストはパチという女性の加入により初日でアッサリとクリアしてしまった。

 しかも、回復系の「ナン」という理想的展開。

 非常にありがたいのだが……第一印象から不安だらけな人であるのは確かだ。


「ところで、レベルはいくつなの?」

「いきなり女性に歳を聞くなんて……最低!」


 ――こんな人である。


「歳ではなくて『レベル』を聞きたい!!」

「なら、最初からいってよね。89よ」

 最初から聞いたよ。間違いなくな。

「89か……転生は?」

「キャッ!」

 突然両腕を組み、身体をくねらせる。

「転生だからな! て・ん・せ・い! 方位の確認しているんだから、勘違いするなよ!」

「あ、転生ね。してないわよ」

「そう……わかった」

 さっきの「キャッ!」は何を勘違いしたのかスルーしておこう。

 1つわかったのは、転生前のレベル89で高等防御符術【十三不塔シーサンプトウ】を使えるということは、完全に支援・回復専門の「南」ということだな。

 レベルが上がる度に増えるスキルポイントの振り分けを攻撃と回復と両方に振り分けをしていれば、この符術をこのレベルでは習得できない。

 万能型ではなく、専門型として成長してきた証といえるだろう。

 これは非常にありがたい。

 問題は、あの常識外れの符術効力範囲だな。

 どこにいくかわからない……ある意味この人もチートだな。

「そうだ。【小四喜ショウスウシー】はつかえるか?」


小四喜ショウスウシー】――戦闘不能になったプレイヤー1人を蘇生させることのできるスキルである。


「えーっとですね……あった、あった。使えます」

 そう云いながら右手をかざし、タッチパネルを開いて確認する。

 どんだけ使ってなかったんだ。

 しかし、またまたありがたい。

 ラテっちも蘇生(?)スキルを持っているが戦闘中に使えるものではない。

 蘇生アイテム【祝儀】がこの世界全体で数量限定となっている上に所持数も1人1個と限定されている今、パチの加入は大きいメリットとなるだろう。

 ……いや、どうだろう……

 なにせ、パーティーを外された理由、怖くて聞けないもんな……何やらかしたんだろ、この人は。


 もう1つの蘇生符術【大四喜ダイスウシー】は――ないだろう。


大四喜ダイスウシー】――パーティー全員を戦闘不能から蘇生させるスキル。


 このスキルは転生していないと習得できないスキル。

 転生前のパチが持っていることはない。

 それにしても、この人がよくレベル89まで上げれたな。

 それだけでも驚きだ。


「それじゃ、こちらも改めて自己紹介するよ。こっちがりゅうで……」


 キュピーン!


 一瞬、2人の瞳が光った。

「ぼくっのなっまえは、りゅう」

 うわっ! 久々に始まった。

「わたちっのなっまえは、ラテッち」

「………………」

 無言のままソッポを向くボンズ。

『ジーーーーー』

 こっち向いてもダメ! 付き合いません!

『3にんあわせて――』

「無理やり続けた!」

『………………』

「そして、また何も考えてないし!!」

「……何をしたいの?」

 彼女にだけはツッコまれたくなかったー!



「と……とりあえず俺はボンズ。『東南トンナン』のレベル99だ」

「そのわりに強そうには見えませんね」

「うるさいよ!」

 ――ホント、思ったことをすぐ口にするな……

「で、男の子がりゅう。『W西ダブシャ』のレベル95だ」

「ふーん」

 あれ? 驚かないぞ?? 

 普通のプレイヤーなら、普通驚くのだが……あ、「普通」とはちが……おっと! 失礼な発言は控えよう。

 パーティーとして、これから共に旅をしていくのだから。早く慣れろ俺!

「それで、こっちの女の子がラテっちだ。『ペー』のレベル75」

 これは流石に驚くだろう。

ペー」は、ゲームの中でも簡単にお目にかかれないからな。


「――ということは、この世界に『北』はラテっち1人じゃないの?」


「……え?」

「だって、この世界に召喚されたのは1万人でしょ? それで『北』の確率は1万人に1人。だったら確率でいえば『北』はこの子だけってことじゃない」

 驚いた――

 パチから「ラテっち=この世界で唯一の『北』の方位を持つプレイヤー」ではないか――と。そして、全プレイヤーの中に存在する「北」の「確率」の話をしだすとは。

 ――いや「確率」の話に驚いたのではない。


 この人がまともなこと云ったよ!!

 

 さきほど発した「……え?」は、こういう意味であった。

 まぁ確かに、そう考えるのも無理はない。

 しかし――

「いや――そうとは限らないんだよ。己がレアな存在であれば、ゲームには更にのめり込まないか?」

「どういうこと?」

「つまり――現実と違うもう一人の自分。それがMMORPGだろ?」

「まぁ……そう云われればそうね――それになんの関係があるの?」

 パチが不思議そうに聞き返す。 

「そもそも、この世界ひ引き込まれた原因となった限定クエストは『先着1万人』だった。これは<ディレクション・ポテンシャル>をプレイしているユーザーの『ハマり度』に比例しているんだよ」

「ハマり度って?」」


「今回の大型アップデートは、プレイヤーなら誰もが楽しみにしていたはず。

 そして、用意されていたのは先着順のクエスト。

 『北』という、現実とは別の――『もう1人の己』を演出できる最高のステータスを持っているプレイヤーになれたとしたら、ゲームにのめり込んでいる可能性は高い。

 だから、1万分の1という確率は、この限定クエストによってこの世界に連れてこられたプレイヤーと『イコール』にはならないと思う。

 <ディレクション・ポテンシャル>の全ユーザーは数100万人。確率だけの話で云えば、『北』の方位を持つプレイヤーは1万人以上いる計算になる。

 それゆえ、この『1万人』の内に何人が限定クエストを攻略し、この世界に召喚されたか――そこが未確定なんだよ。

 それこそ、ラテっち1人かもしれないし、もしかしたら100人以上いる可能性だってある。

 つまり――現実となったこの世界にはどんなプレイヤーがいても、不思議ではないということだ」


 ――って。

「聞いてる?」

「聞いてはいた」

「……理解した?」

「うぷん」

 パチは再び身体をくねらせ、ウインクをしてみせる。

 うん、してないな。

 つーか「うぷん」――て、なんだよ。 

「何いってんだ? ボンズ」

「スピースピー」

 はい。無駄なことした。


 それにしても、俺とりゅうで前衛。パチが回復・支援。ラテッちがチートか。

 パーティー構成としては悪くないだろう。

 問題はパチがこの世界でスキルを使いこなせていないことか。

「スキルを使えこなせていない」

 俺みたい……だな。

 俺にはりゅうが色々教えてくれたおかげでようやく戦えることができるようになったが、それはりゅうが方位は違えど同じ前衛だったからであり、パチのように符術を使える者はこの3人の中にはいない。

 だから、教えることもできない。


 なにか力になれないものか……

「なぁ、パチ……と、いったね。符術詠唱について少し教えてくれないか?」

「詠唱って、何を知りたいの?」

「そうだな、例えば呪文を唱えないといけないのか?」

「呪文って……ップ! 夢見過ぎ」

「そういうことじゃねぇよ! キャスティングタイム(発動までの時間)の状況や、リキャストタイム(再びスキルを使う待機時間)のことを聞いているんだよ!」

 そういえば……前にもこんなこと云われたような気がする。

「えっとね、スキルは『スキルの名』を言葉にして云うと勝手に発動してくれるよ。その時、チャットの時のようにタッチパネルが目の前にうっすらと出てきて、時計を表示してくれるの。詠唱といってもなにかする訳ではないの。キャスティングタイムが何秒かかるか時計がメーターとして表示して『(ゼロ)』になったらスキル発動ってわけね」

「へぇー」

 思わず感心してしまう。

ナン」って、おもしろそうだな。

 前衛とは全く勝手が違うんだな。

 でも、これでいよいよパチにアドバイスをできないってことでもある。

 この人自身で成長してもらうしかない。

 …………

 …………無理っぽい。

「あ、ちなみに詠唱中は何もできないから。そこから全く動けないの。リキャスト中は動けるけど、他はなーんにもできないからね」

「君ならできそうだけどね!」

 なにが「なーんにもできないからね」だ。

 己が非常識な存在だという自覚はないのか。


「それじゃ、攻略しにいくか?」

 突然云いだしたのはりゅう。

「おいおい。行動するの早いってば」

「だって、ボス楽しみだぞ」

「戦ったことないのか?」

「おう」

「――ということは、ラテっちもか?」

「うん」

「パチはないから……誰もボス戦の経験はないのか」

「決定かよ! まぁ、ないけどさ」


 つまり、ダンジョン経験者が誰もいない。

「4人パーティー」でこの状況……MMORPGで遊んでいたプレイヤーとして充分「レア」なんじゃないだろうか。

 まぁ、遊び方は人それぞれだし、今更そんなことを云っても始まらない。


 行動を起こすことは構わないが、問題というか不安はある。

 それこそ、りゅうのいっていたボス戦だ――


 ダンジョン内でなら全員が戦闘不能になったとしても、もしかしたら誰かが通りかかって助けてくれる可能性もある。

 だが、ボス戦になると戦う場所は一種のパラレルワールド。

 独立した空間となり、そこに足を踏み入れたパーティー以外、誰も侵入することはできない。

 そして全員が戦闘不能になった後も、その空間は解除されない。

 いや、解除されないという云い方は的確ではない。

 同じ時・同じ場所、そして同じ魔物と戦っているが、それは「ボスと戦う」ことをそれぞれのパーティーが「平行した別の空間」で行っている。

 1つのパーティーの行動――そして結末は全くの別物であり、それを他者が干渉することはできない。

 つまり――ボス戦での全滅は誰も助けることはできない。

 【アウトオーバー】を意味する。


 それゆえ、ここは慎重に行きたいところだ。


 なんて物思いにふけっていたら、3人の姿はすでになかった。

「ボンズー、早く来いよー」

 うわ……放置かよ。

「もう夜なんだから、せめて明日にしよう!」

「なんでだよー」

「なんでじゃー」

「子どもは寝る時間!」

「それじゃ、しかたないね」

「そーでちゅね」

「よしよし。えらいぞ」

「あの……」

「パチ、どした?」

「私、子どもじゃないんだけど」

「見ればわかるわー!!」 

  


 ――翌朝。


 おかしい……

 起きてからすぐ出発して数時間が経過したのだが、フィールドで魔物と全く遭遇しない。


 恐らく、先発隊ともいえる大手ギルドの集団が、ダンジョンまでの道のりに生息していたここいら一帯の魔物を全て討伐していったからであろう。

 ゲームでは、フィールドやダンジョンにて一定量の魔物を倒すと再び魔物が出現するのに多少時間がかかる現象が起こる。

 今が、正にその時なのだろう。


 有り難いことなのだが、デメリットもある。

 俺たちのパーティーがどれだけ連携して戦えるのかを知る機会がないということだ。

 このため発生した選択肢――これは迷いどころだ。


 ・魔物がいない今、体力・符力・アイテムを温存できている状態でボスまで真っ直ぐ進むか。

 ・まだクエスト期日がある内に、ボス戦に備えてある程度パーティー戦を行うか。


 この選択は大事だ。じっくり考えて行動したい。

 なにしろ、初めてのボス戦なのだから。


「進むぜ!」

「敵いなくてラッキー」

 ボンズの危惧などお構いなし。なんと楽観的な……ラテっちは?

「おなかすいた」

「がまんしなさい」


 森を抜け、海岸線まで辿り着くと、その先に高くそびえ立つ崖が見える。

 苦もなく目的地「金鶏独立きんけいどくりつ」に到着……いいのだろうか?

 砂浜を歩き、崖まで辿り着くにつれ大きな岩だらけの岩浜と変わる。そこは自然によって出来た風穴が幾つもあり、その一つに彫刻のように削られた大きな羽根をかたどった岩が門の代わりをしている風穴があった。

「ここだな。よし、入るぞ」

 ボンズの声かけにより、パーティーはダンジョンに侵入。


「釣れた~!」


 ――するわけもなく、3人は既に海岸で釣りを楽しんでいた。

「なにしてんの!!」

『おなかすいたー』

 3人でハモるなよ……

「ほら、ぼんずもやろー」

 そういってラテっちは釣り竿を手渡してきた。

 魚釣りか……初めてだな。

 とりあえず釣り竿をおろし釣りを始める――て、結局さっきの選択肢は2つともハズレですか!?

 魔物とも戦わず、ボスとも戦わず、これまたアウトドアを満喫するって緊張感なさすぎ!

「こんなことしている場合じゃないだろ!」

 立ち上り、3人に向かってゲキを飛ばす。

「そんな場合じゃないぞ!」

 なんと、りゅうが珍しく同意をしてくれた。

 嬉しい――成長したんだな。

「ボンズ! よそみをしている場合じゃないぞ! ひいてる! ひいてる!」

「え? ……なにが??」

「さお! ひいてるってば!! 早く釣りあげて!!」

「釣りあげ……うおっ! なに、この手ごたえ!?」

 ゲキを飛ばすのに夢中で気付かなかったが、いつの間にか釣り竿を先端は湾曲わんきょくしている。

 そして、握りしめている手からはズッシリ……いや、なんとも表現しがたい感触が襲いかかる。

 ただ引っ張られているというだけではない。

 左右の動きは勿論のこと、軽くなったっり重くなったり、更にはビビビッと細かな重みの連鎖が手に伝わってくる。この感触に襲われると同時に、経験したことのない高揚感も同時に襲ってくるのだ。

 こんな感触は初めてだ。釣りってこんなにエキサイティングなものなの?

 ボンズに一騎打ちを挑むかの如く、釣り竿はなおも激しく暴れ回る。

「わっ! わっ!」

「にがすなよ! ボンズ!」

「がんばれー!」

「メシ! メシ!」

 海面からうっすらと魚の姿が見えてきた――やべ! 興奮してきたー!!

「いけー! 釣りあげろー!」

 りゅうのかけ声と共に、釣り竿を握りしめている手に渾身の力を込めて釣り上げた。

 空に向かって大きく振り上げた釣り竿――その釣り糸の先端と一緒に大きな魚が宙に舞っていた。

 そのまま地面へと誘導された魚は、鯛のような形をした大きくて美味しそうな魚。

「やったぞボンズ! ヒットだ!」

「お~、おさかなさん。げっとだじぇー」

「丸焼き! 丸焼き!」


「うっそ! これ……俺が釣ったの??」

「そうだぞ。いいな~ボンズの釣った魚が1番大きいな」

「はじめてのさかなちゅ()りだもんね!」

「うまそう! うまそう!」

「そうか……初めてか。そういえば2人とも、アウトドアの経験なかったんだもんな」

『うん!』

「俺も魚釣りは初めてなんだ! みんなでもうちょっと釣りをするか」

「あたりまえだ! ボンズだけ大きい魚を釣れるなんてズルいぞ!」

「しょだしょだー!」

「あははっ、そうだよな! ……ところで」

「ハァ! ハァ!」

「パチ……さっきからうるさい! 食べたいなら火の準備してくれ!」


 それから1日中「とったどー!」と叫ぶ3人の声が止むことはなかった。

「マンドクセー!」と叫ぶ者――約1名。


 さて――と、日……暮れちゃった。

 結局、今日のダンジョン入りは中止に。

 代わりといってはなんだが、晩ご飯は釣りたての魚を焼いて食べることにした。

 これがまたすげー美味しい! 海の塩味もまた何とも云えぬ絶妙さ。


「自分で釣った魚は格別だな!」

 さすがりゅう。云う台詞セリフが大人じみてる。

 でも、その笑顔は無邪気な子どもそのものであり、ほのぼのして心地よい雰囲気を作り出してくれる。


「はむはむ。はむはむ。はふー!」

 ラテっちは相変わらず見た目も中身も行動も、子どもそのものだな。

 夢中になって食べている。

 ここは「おいしい?」と聞くだけ野暮ってものだな。


「ガツガツ! ポイ! ガツガツ! ポイ!」

「釣ってない奴が一番食べるんじゃねぇよ!」

 食っては魚の骨を背後に投げ捨てるパチ。

 コイツだけはなんとかならんのか……



 岩場から砂浜まで一旦戻る。

 テントを張るためだ。今晩はここでキャンプをすることにした。

「明日からダンジョンに入るぞ!」

『おー!』

「マンドク……」

「同じ台詞を2度吐くな!」


 またまた翌朝――

 いよいよダンジョンに侵入。

 入ってみるとそこはまさに自然の要塞。

 鍾乳洞のような岩が地面や天井、壁から突き出ている洞窟だ。

 そして、薄暗かった洞窟は奥に進むにつれ明るくなってくる。

 まわりの岩が、全て青く輝いているのだ。

「なんだこれ? 宝石か?」

 りゅうの素朴な質問だ。そう思っても仕方のないほど美しく輝いている。

「残念だけど違うだろうな……多分、コケの一種だろ」

「もってっていい?」

 ラテっちが小さい石を掴んでねだる。

「いいよ。記念になるかもな」

「やった~!」


「もっていく」

 パチが背中にデカイ岩を担いでいる。

「別にいいけど、このダンジョン他のプレイヤーも通るし、売れないからな」

「あっそ」

 そういって岩を投げ捨てる。

「パチ……そんなに力があるなら前衛をやれ」


 それにしても綺麗な光景だ。

 自然の神秘ってやつなのか。

 低くなった段差によって海水が河のように流れる。その海水もコケが発する光を反射して青く輝いている。

 まるで、以前動画で見た「青の洞窟」のようだ。


 その景色に興奮し、りゅうとラテっちが無邪気に走りだした。

『わーい!』

「滑って転ぶなよ」

「アウっち!」

 予想通り、ラテっちコケる。

 ボンズは駆け寄り、転んでいるラテっちを起こす。

「大丈夫か?」

「だいじょぶ!」

「それにしても、よく転ぶな。この前も転んでいただろ。慌てて走るんじゃないぞ」

「うちゅ!」

 コクリと素直にうなずく。いい子だ。



 ――ここでゾーン発生。

 ダンジョン内で初めて遭遇する魔物。

 そして戦闘開始だ。


 洞窟内を狭しと飛び回る鷹――シーホークが現れた。


「うりゃー!」

 りゅうの攻撃。

 シーホークを倒した。


 今度はクレイジーバブルスが現れた。

「とりゃー!」

 りゅうの攻撃。

 クレイジーバブルスを倒した。


 また魔物が現れた。

「よいしょっと!」

 りゅうの攻撃。

 以下同文。(使い方あってる?)



「ねぇ、ボンズ」

「なんだね? パチさんや」

「私たち……いらなくね?」

「……そうですね」


 そんなこんなを繰り返しながら洞窟の奥に続く緩やかな下り坂を歩いて行く。


「なぁ、あそこ見てくれ! なんか、仰々(ぎょうぎょう)しい扉があるぞ」

「わかりやすー。ここが最下層なのね」

「りゅう、ラテっち、回復とかはいいか?」

『いいよー』

「ですよねー」


「それじゃ、いくぞ」

 ボンズは扉をゆっくりと開いた。




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