番外編 夢オチラテっち王国 世にも奇妙な式さん編
りゅうとラテっちが式さんの部屋にやってきた。
「式さん遊ぼうぜ!」
「にゃんにゃん、あーそびーましょー!」
それに対し式さんは――
「やだよ!!」
ふたりは不思議そうな顔をして――
「なんで??」
「もうぜってーあそばねぇってこの前云っただろ!! もうお前らとは遊ばないって決めたんだ」
式さんの台詞を聞いた二人は――
「ほんとーに??」
「本当だ」
りゅうが一言――
「そんなこと云っていいのか???」
「ああ! 遊ばないと云ったら、遊ばない!!」
『ふーーーん』
二人はあっさりと式さんの部屋から出て行った。
「……なんだよ。ま、いいか素直にあきらめてくれて」
――その夜。
式さんが寝ていると……
「――ん? なんだここは?? 白い霧に包まれている」
そのまま突き進むと大きな建物、いやお城が見えてきた。
そう、ここはラテっち王国。
「なんだこの城は?? ん?」
足元にラテっちが――
「おいお嬢ちゃんここはどこだ?」
「ここはラテっちおうこくでちゅ!! みんな、とつげきーー!!」
すると、あちらこちらからたくさんのラテっちがわらわらとあらわれ式さんを囲む。
「あそんでー」
「ボンボンしてー」
「だっこしてー」
式さんは驚き戸惑う。
「なんだよ一体、何人この小さいのがいるんだ。ええい邪魔だ!!」
すると、今度はりゅうが現れた。
「ぼくは警備隊長のりゅう。そんなこというのなら、こうだ!!」
りゅうが右手から光を出すと、その光が式さんを包み込む。
式さんは一瞬意識を失った。
そして築いた時には――
「視線がひくいぃぃぃ!!! まさか!??」
式さんは噴水の方へ走っていくが――
「走りにくい!! なんなんだよいったい……」
ようやく噴水にたどり着き、よじ登って水面を見ると――
「おじょうちゃんになってるううううう!!! しかもぼうしは緑だ!!」
りゅうが笑いながら。
「ふっふっふ、ラテっちになった気分はどうかな式さん?? いや、みどりラテっちよ」
「そんな、ウソだろ……待ってくれ、このままなんていやだ!! オレが悪かった!! 頼む、元に戻してくれ」
今度はラテっちが答える。
「ダメでちゅ! イジワルしたバツでちゅ!! みんな、とつげき~!!」
するとたくさんのラテっちたちが式さん――いやみどりラテっちを取り囲みもみくちゃにする。
あるラテっちはほっぺたをタプタプし、あるラテっちは服をめくってポンポン(おなか)をタプタプする。
「やめてくれーーーオレはシリアスキャラなんだぞ!! いくにんものプレイヤーをほふってきた、ぷれいやーきらーなんだぞ。
するとラテっちがにやけながら――
「そんなむかしのこと、だれもおぼえていまちぇん。ぷぷっ!!」
「なんだと、ばくだんだすぞ、この……あれ? あれ???」
ラテっちと化した式さんは爆弾を出すことができないそれどころか……
「おかしいでちゅ……『でちゅ??』 そんな、ことばまでかわってりゅ~」
すると、ラテっちたちがピタリとタプタプをやめた。
ほっとするみどりラテっちをよそに、身体をうつ伏せにされる。
「さて、いよいよ『おちり』でちゅね! いっぱいプルンプルンしてあげるでちゅ!」
「それだけはやめてくりぇ! ぷらいどが、おりぇのぷらいどが~」
「それ~!!!」
「やめてにゃーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」
――――っは!!
気づいたらっそこは式さんの部屋だった。
「夢だったのか、なんちゅー夢を見た……ん?」
気が付くと、部屋のドアが半開きになっており、りゅうとラテっちが縦に並んで顔を半分だけ出していた。
「式さん」
「…………なんだよ」
『ゆめでよかったな』
ぞっくーーーーーーーー!!!!!!!!!
そして二人は部屋を後にした。
歩いていく後ろ姿からは――
「どゅるるるるん、どゅるるるるん、どぅるるるるんるんるんどゅるるるるん」
式さんは涙目になりながらベットから転げ落ち、二人を追いかける。
「遊ぶから!! 今度は遊ぶからーーーーーー!!」
次にラテっちになるのは、あなたかもしれない。
おしまい。