番外編 無題
ただ、聞いてほしいです。
昔、二人のボッチがいました。
二人が出会って、友情が芽生えるのに、時間はかかりませんでした。
ただ、別れの時も来ます。
一人は残り、一人は仕事のため地方に行かねばなりませんでした。
それから数年。
たまに連絡とったり、遠出してあったりしましたが、ある時連絡がぴたりとやみました。
何度電話してもつながりません。
理由は、一人が女性と付き合いだしたはいいのですが、浮気され、酒におぼれてしまったのです。
そのまま連絡取れないことさらに数年。
突然、今日の今、連絡がきたのです。
もう一人は嬉しくてすぐ電話に出ました。
ただ、電話先の声はとても暗かったです。
でも、話している内に、少しずつ明るくなりました。
そして――、一人はアルコール依存症のため入院することが決まったそうです。
でも、もう一人はいいました。
不謹慎かもしれないけど、なによりも、連絡をくれたのが凄く嬉しくて、このままずっと友達でいてほしい正直な気持ちを伝えました。
お互いボッチ同士。友達を失いたくなかった。
それを聞いて、一人が号泣。もう一人もその声に号泣していました。
そして最後に、このいいタイミングで同時に電話を切ろうといって通話を終えました。
友達のかけがいのなさを知りました。
ありがとう――声を聴かせてくれて。
ありがとう――友達になってくれて。