番外編 ちょこっと! わがままラテっち
「ばばぬきしよー」
トランプ片手にみんなに声をかけるラテっち。
みんな集まる。
「何年ぶりだろ、ババ抜きなんて」
ババ抜き開始――
「にゃー!」
「あ、ババひいたな」
「ぼんじゅ。はい、ババあげる」
「そうきたか……」
「しりとりもしようね。しりとりのり、りす、すずめ、めだか、からす……もも」
「も! も……も、も、あ! けでもいいよね。けーき!」
「ラテっちの法則だ……」
お習字の時間
担当は壱殿
カタカナのお勉強をするラテっち。
「上手に書けたか」
「エビ・カニ・エビ・カニ…………きょうのばんごはんはエビとカニがいいでちゅ! ボンズにいってくるね!!」
すたこらさっさー。
「こらー、筆はおいていけー」
台所でパチがうろついていた。
「お、お団子が一つだけ余っている。食べちゃおっと」
すると視線を感じた。
扉の横でこんな顔のラテっちが立ちはだかっていた。
「……半分、食べる?」
ラテっちは黙ってうなずいた。
優作とはお花の水やり。
「ラテっちちゃん。お花が綺麗でしょ」
優作なりの情操教育だったが……
「どれ、たべれるんでちゅか?」
「……えっとね……」
「よつばのくろーばーは?」
「う……」
「ねーねー、おやつたべよー」
「(保育士の夢が、また遠のいた……)」
式さんは今日も難しい符術の本を椅子に座って読んでいる。
「にゃんにゃんはおべんきょうちゅうでちゅね。おじゃましないようにしないと」
そっと、式さんの膝の上に乗るラテっち。
「あの……読めないんだけど」
「おかまいなくー」
「お邪魔ですぞよ」
すると――
「シクシク。にゃんにゃんはわたちのこときらいなんだ。そうなんだ。うえーん」
膝から降りて部屋を飛び出そうとするラテっち。
「まて!!!! こんなところをボンズに見られたら晩飯……もといオレの命がない!! かまってやるからコッチこい!!」
「ほんとぉ~!?」
「本当だ。何がしたい?」
振り返り、笑顔になるラテっち。
「かたぐるまして。ね」
「……本、読みながらでいい?」
「おっけーでちゅよ! ニヤリ」
ラテっちは式さんの頭の上に乗り、ポテチを食べながら至福のひと時を過ごす。
満足して式さんの部屋を出て行った。
「……頭から本まで食べかすだらけやん」
りゅうとは仲良くおててつないでお昼寝。
一時間後――
「ラテっち~おもいよ~」
りゅうの上にラテっちがのっかったまま寝ている。
見かけたボンズがラテっちを引きはがそうとすると、抱き着いたりゅうを離そうとせず、一緒に上へと上がっていった。
「……クレーンゲーム?」
ふ~きょうもいっぱいみんなとたのちくすごせまちた。
みんな、ありがとでちゅ!!




