悪夢の終わりと新たな生
僕の名前は『楓原恵』。普通とはちょっと違う、2年の男子高生だ。
「よっ恵!」
今僕を肩を組んだのは、中学からの同級生だ。そして、僕が普通とは違うのは…。
「今日も”アレ”、頼むぜ」
「……うん…」
僕は…。
「よう高橋! と、恵…」
「おはようございます! 先輩!」
三人の同校の男子の先輩が近づいてきた。
この人達の…。
「あれ? 先輩方。何故ここに集ま…、なるほど…、楓原先輩ですか…」
さらに二人、集まる。
僕はこの人達の、精処理をさせられてる。
「なあこれ見てみろよ、めっちゃ似合ってるだろ?」
「うお! めっちゃいいっすね! これも似合うと思いません?」
「ほほ~う、じゃ今日はこれを着せてしようぜ!」
「いいっすね~!」
信号待ちしている恵の横で、同級生と先輩の二人が、恵のコスプレ写真を見せ合っていた。
「はぁ…」
きっと、あの衣装でするんだろうな…。
信号が鳴り、写真を見せ合っている二人が先に歩き出す。すると、止まらずに猛スピードでこちらに向かってくる白い中型乗用車。恵は、二人を突き飛ばし、車にはねられた。勢いはすさまじく、恵の意識は、一瞬にして遠のいた。
「ハァ…ハァ…」
薄暗い森の中、一人の女性が赤子を抱えて、逃げるように走っていた。そして、赤子が目覚める。赤子が見た女性の姿は、特徴的なとがった耳に青い瞳、美しい銀色の髪をし、ルーズサイドテールの、まるでエルフの様な女性だった。
誰この人? 綺麗な人だなぁ…。この耳、エルフみたい。というか僕を担いで走れるなんてすごいなぁてあれ? 何だろう…、体に違和感が…って僕赤ちゃんになってる⁉ じゃあこの人がお母さん? 何で必死に走ってるんだろう?
すると、女性が、岩の割れ目に赤子となった恵を置く。
「ごめんねエンフィル、離れ離れになるかもだけど、きっと助けが来るから、待っててね」
すると女性が、魔法で少しの隙間を残して塞いだ。
魔法? 本当にそういう世界に来ちゃったんだ。『エンフィル』、それが僕の名前。外の音が聞こえいって事は、防音の障壁でも張ったのかな? でも、離れ離れって…、助けが来るって、どういう事? 何かに追われてたの? 嫌だなぁ…、やだ…。
思わず涙をこぼす。そして前世の、死の間際の出来事を、思い返していた。
なんで僕は、あの時二人を助けたんだろう…? 嫌いだったはずなのに…。
悪夢の始まりは、中学の頃だった。僕は元々父子家庭だった。お母さんは物心つく前に、事故で死んでから、お父さんは男手一つで僕を育ててくれた。だけど中学に入ってすぐに、お父さんは病気で死んだ。それから僕は、叔父に引き取られた。だけどその叔父が最悪だった。引き取られてから間もなく僕は叔父に、”アレ”をしゃぶるように要求された。もちろん断ったが、強引に口にねじ込められた。そして、毎晩、休日は四六時中犯された。そして運の悪いことに、している最中にクラスメイトが家に来た。クラスメイトは叔父に誘われて、集団行為に発展した。それから幾度も、幾度も幾度も、本当に毎日が苦痛だった。でも、自然と受け入れていた自分がいた。今思えばあの日、解放されたくて無意識に、あの行動に出たのかも。でも…、この世界でもまた…。
エンフィルは泣き叫んだ。しばらくすると、割れ目を塞いでいた岩が崩れた。
「よかった…、無事だったんだね、エンフィル」
エンフィルを抱き抱えたその人物は、長い銀髪に鮮やか緑色の瞳をした、エルフの青年だった。
「もう大丈夫だよ、エンフィル。……姉さん、必ず助けるから、それまではエンフィルは、私が責任を持って面倒を見る…」
これからこの世界での、僕の冒険が始まる。




