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世間知らずの白髪の少女と古代魔法都市(青と紅の宿命 - 温泉街に咲く恋)「僕の力は、あなたのために」

作者: 希望の王

この物語は、世間知らずの白髪の少女と古代魔法都市(禁断の理想郷)「貴女こそが、世界の敵です」(完成版)(挿絵80枚以上)の建国後のお話です。

【青いフードと紅い瞳 - 温泉街の恋、黒龍の咆哮】


挿絵(By みてみん)

ガルとヘレンと黒龍


アストレア王国には、一風変わった制度があった。魔法は選ばれた者しか使えない。だが、剣術に長けた者は、厳しい試験を乗り越えることで、女王結衣が生み出す神秘の“赤い実”を賜ることができた。それを体内に宿せば、魔法の力が宿るという。


「私が力を与えるのは、守るため。私の体は一つ。全てを守りきれないからね」と、白髪を持つ若き女王は語った。


ガルの髪は、空の色を映したような青。瞳は、新緑のような緑。いつも青いフードのコートを羽織っていた。だが、魔法の才能は皆無に等しく、最下級のスライム一匹にすら手を焼くほどだった。村の友人たちは、才能を開花させ、次々と魔法学校へ進学していく中、ガルは故郷の畑で土にまみれる日々を送っていた。


そんなある日、母エレンが、魔剣士制度のパンフレットをガルに手渡した。「ガル、お前も違う道を探してみたらどうだい?」


その日から、ガルは剣を握った。朝焼けの空の下、夕焼けの茜色に染まるまで、ひたすら剣を振った。幾度となく試験に挑み、機械仕掛けのロボットとの模擬戦、剣術のビデオ判定。失敗を繰り返し、迎えた十六度目の挑戦。ついに、その刃がロボットの装甲を打ち砕いた。合格の二文字が、ガルの目に焼き付いた。


魔剣士となった証は、紅く染まった瞳。そして、王国の象徴であるオレンジ色のフードのコートが与えられた。


ある時、ガルは休暇を利用して、温泉街で名高い小国フランデへと旅に出た。湯けむりが立ち上る温泉宿で疲れを癒す中、賑やかな城下町へ足を伸ばした。そこで、彼は運命の出会いを果たす。


一人、 まちを散歩していた王女ヘレン。翡翠のような瞳が、 夕日に照らされ、宝石のように輝いていた。数人の不良に絡まれている彼女を、ガルは見過ごすことができなかった。鍛え上げた剣術、だが刃は使わない。見事な峰打ちで、不良たちを打倒した。


二人の視線が交わった瞬間、 時が止まったようだった。紅い瞳と翡翠の瞳。互いに強く惹かれ合い、言葉を交わすうちに、恋に落ちるのに時間はかからなかった。ヘレンと共に温泉街を巡り、湯に浸かり、 地元の料理を堪能する。夢のような時間が過ぎていった。


挿絵(By みてみん)

ガルとヘレン


だが、別れの時は避けられない。休暇最終日、ガルはヘレンに告げなければならなかった。自分はアストレア王国に仕える魔剣士。これ以上、共にいることは許されない。そして、ヘレンもまた、一国の王女。 軽率に国外へ出ることはできない。


二人の間には、激しい口論が起こった。互いの立場を理解しながらも、募る想いを制御できず、二人は感情的にその場を離れてしまう。


ガルの帰国当日。小国フランデの空に、不吉な雲が垂れ込めた。古代からの冬眠から目覚めた黒龍が、 恐ろしく空を舞い降り、フランデの地に降り立ったのだ。 平和な街は、瞬く間に混沌と化した。湯けむり香る温泉街は、見る影もない破壊に見舞われた。黒龍の目的地は、ヘレンのいる王城だった。


挿絵(By みてみん)

黒龍とフランデ


ガルは、 急いで王城へと走った。“赤い実”が彼に与えた力。それは、身体能力を二倍にし、魔法への耐性を高めるもの。もはや、彼は以前の弱々しいガルではない。戦う力がある。


王城付近では、フランデの国防軍が黒龍と激しい戦闘を繰り広げていた。魔法が主な武器である彼らの攻撃は、 無力だった。そこに、ガルも参戦する。オレンジ色のコートを風になびかせ、 鍛えられた剣技で黒龍に挑む。


その姿を、王城の テラスからヘレンが見つけた。信じられない光景だった。別れたばかりの愛しい人が、恐ろしい黒龍に立ち向かっている。


激しい戦闘が続く。だが、黒龍の皮膚はあまりにも硬く、魔法攻撃も剣撃も、まるで歯が立たない。しかし、どんな生物にも弱点はある。黒龍のそれは、 目だった。他の皮膚に比べ、 柔らかい。


ガルは、フランデの飛竜航空騎士団と共に、空から黒龍の目へと向かった。騎士たちの投擲する槍が黒龍の注意を引きつける中、ガルは一人、 落下しながら、 研ぎ澄まされた刃を黒龍の右目に突き刺した。


挿絵(By みてみん)


黒龍は苦痛にのたうち回り、耳をつんざくような悲鳴を上げ、フランデから逃げていった。だが、ガルもまた、地上へと落下していた。その瞬間、ヘレンが風魔法を操り、巨大なエアクッションを作り出した。ガルは、 安全に、ゆっくりと地面へと降ろされた。


その後、フランデでは凱旋パレードが行われ、ガルは英雄として称えられた。そして、ヘレンとの 結婚が発表された。アストレア王国の女王結衣も、二人の 固い愛を祝福した。


挿絵(By みてみん)


ガルは、フランデの騎士団隊長となり、ヘレンとの間には、 三人のかわいらしい子供が生まれた。オレンジのフードの青年は、紅い瞳の勇者となり、愛する人と共に、新たな人生を歩み始めたのだ。


挿絵(By みてみん)

ガルとヘレンと子供たち

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