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第8話

「ここ、いろちゃんの故郷の近くだよね?」

「そう。とある私の友人からある情報を聞いてね。私は最近知ったのだが、ミニメカニカル6号機が突如暴走。死者も出ていて、現在も回収されていないらしい。もし、一二三の思いに反応したなら、不思議ではない」


ミニメカニカル6号機。名前だけは聞いていたが、やはり非常に危険なものなのだろう。随分、昔のことだが、一二三と見たことがある。おそらく、それは企業秘密並みのものだった。思い出せ…あの時を…。



2037年…


「不思議なAIだね」


昔の幼き私はそう言った。


「人が操りながら動くんだって。ロボット?っていうやつ?」

「おっきいね」


全長約10メートルのロボット。肩にはMk.Ⅵと描かれていて、私達の身長からすると、大きいものだった。


「これ、乗れるの?」

「わかんない。やってみよう」


一二三がコクピットに向かってよじ登り、コンピュータを起動させた。

あの時、何をいじった…?

コンピュータを起動した時、何かをいじったなら、もし、あのミニメカニカル6号機が新型の生体認証なら…。調べてみる価値はある。


「あのロボットの場所まで行こうか」



例の暴走した場所に到着すると、そこにはミニメカニカル6号機が鎮座していた。辺りにはチヌークとブラックホークの残骸がある。


「…電源ついてる?」

「そのようだな。撃ってみるか?」

「いや、刺激はしない方がいい」


ここ数日間ずっと電源がついていたというのか。まるでオーパーツだ。


「案内お疲れ様」


茂みから現れたのは…誰?ドローンを操っているようにも見える…。


「どうやら、ドローンテロの犯人のようだね」

「ミニメカニカルは私のものだ。触るんじゃない」


アーロンが拳銃を抜こうと手を下げる。


「そこの外国人。撃つんじゃないぞ。ここでは私の方が上だ」


ドローンにはアサルトライフルがついていた。いろちゃんを狙ったドローンと同じだ。


「お前は何しに来た?ここは極秘の場所だぞ」

「そのようだな。だが、君らが教えてくれた」


扶桑が気づいたかのような反応をした。


「…私を利用したな?」

「昔からの一二三の親友、扶桑 八重。筑波 捌玖拾とも面識はある上、昔の私も知っている。一二三が1人で私を見つけるなど不可能。誰かしら協力者がいたのは分かっていた。だが、1人は屋上にいた友だったとはな」


この男が…犯人…!

私は突然激しい怒りが湧き出した。この男がいろちゃんを殺そうとした犯人!関係ない人達も巻き込み、さらには扶桑を利用した!


「赤城。早まるな」


そんな私をポベーシャが止める。


「私に情報提供をした男はお前か」

「そうだ。何でもかんでも情報を信じたお前達が悪い。ここまで長かった。ミニメカニカル6号機を南海トラフ時にコンピュータウィルスを流し込み、後々操れるよう改造させた。そんなことに気づかず、開発者の筑波 捌玖拾は開発を続け、私と共に完成させた。だが、政府からは不採用。実家に送られ、私は本社に戻ることになった。これだけは予想外だった。そこで、ヒューマノイド現象を利用し接近した。軍の回収に合わせ、6号機を操り撃墜。後は情報提供者として擬装し、手に入れる。計画は遂行した。貴様らには感謝している。お礼として、この世から抹消してあげよう」


コクピットを開け、6号機に乗り、動かす。

あいつが6号機を操縦できる…つまり、一二三がコンピュータを起動した時は、生体認証でもなんでもない…全てこの男のウィルスによる誤作動だったというのか…?

私は、騙されていた…!

この男、何が目的なんだ…?


アーロンが素早く拳銃を抜きドローンを撃破。だがあの犯人は撃てなかった。6号機の厚い装甲に弾かれ、アーロンの拳銃はまるで豆鉄砲のようになってしまった。



一方、病院では、一二三の意識が戻っていた。


「…知らない天井だ…」

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