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ベテラン

「毎度ありがとうございました!!」


今日も草むらは賑わっている。

本格的に雪が降っている地域もあるがここでは関係無い。


「町田くん、レジお願い!」

「はい!」


店長はそう言うと倉庫にやって来た‥


「常連のおじさん‥今夜来るんじゃ無いかな?」


「了解です‥」


これはジンクスなのだが、来客の多い寒い日に本業の常連さんが来るのだ。

俺は倉庫にいて状況が掴めないから偶に店長が伝えてくれる。


「衣服なら昼でも買えるんだけどね」


「人目につかず、纏めて買いたいんじゃないですかね?‥」



夜になり《草むら》が開店した。



裏口でスキンヘッドの男が言葉をかける。


「スイカはどこで冷やす?」


「滝の横」


どっしりとした足取りで草むらに入る。


「ナスを漬けておいた」


ハッキリとした声で髭面の男が話す。


「ここだ‥」


あらかじめパイプ椅子を並べておいた。


「用意が良いね」


「多分来ると思ったからだ‥」


どかっと椅子に座って会話する。


「ボルトと銃身を見てくれ。ダメそうなら交換してくれ」


「分かった‥見ていくかい?」


常連なのでいつもと違う商品も用意していた。


「コイツをもらうよ」


髭面はサバゲー用のグローブとブーツを購入した。

そして帰って行った。







数日後、《商品》を取りに来た‥


「ボルトは問題無かったが、銃身の摩耗と撃針がイカれていた‥撃針だけ新品だ」


髭面の男が俺に預けたのは年季の入ったボルトアクションライフルだ。

最新のゴテゴテしたのでは無くシンプルに木と鉄で出来た物だ。


ベースはモーゼルスポーターだが、欧州製の様々なパーツでカスタムされたオリジナルだ。

とは言えシンプルに変わりはなく整備性も高い。


「ありがとよ‥釣りは要らない」


大枚はたいて夜の街に消えて行った‥


肌寒い夜空は今日も静かだ。

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