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開店

「最近は海外製も良く出来てますよ。電子トリガーでレスポンスも抜群です。いかがですか?」


「う〜ん‥ちょっと高いかな〜?」


店員が客に商品を勧めている。

財布と睨めっこして悩む姿はどこか嬉しそうだ。


ここはミリタリーショップ《草むら》だ。

国内製•海外製のエアガンだけで無く、迷彩服やゴーグルと言ったサバイバルゲームに必要な品は粗方揃う。


近年ではガンマニア以外にもスポーツとして若い男女が訪れる傾向にある。働いている店員も女性スタッフがいるくらいだ。


店内では試し撃ちも可能だ。

カチャカチャ、パシュッ!パシュッ!

ガスガンや電動ガンの小気味良い発射音が響く。


「毎度ありがとうございました〜!!」


大きな紙袋を抱いてホクホク顔の客が店を後にする。


「バイトの皆はあがって良いよ〜」

店長が優しく声をかける。


「お疲れ様でした〜」

「乙〜」


店内BGMを消して軽い床清掃。

シャッターや電気も落とした。


「よし‥俺の仕事は終わり‥」

誰もいない店内で一人呟く。


まだ明かりの付いている倉庫へ向かう。

「田宮君、あとはよろしく!」


「はい‥」


必要な鍵を受け取り、簡単な引き継ぎをして店長は帰宅した。


《田宮健一》

30代男性。180センチと長身で細身の体型だ。

黒髪をオールバックで固めている。

髭はなく綺麗に整えられている。

顔立ちは普通だが何処か達観したような感じだ。

服装は革ジャンに黒のパンツだ。

因みに本名は誰も知らない。


彼の仕事は在庫管理と業者の対応だ。

品物の補充や新商品の入荷で他の店員と関わる以外は基本的に一人作業だ。

やろうと思えば誰でも出来る仕事だ。


本来なら彼も帰る筈だがそうは行かない。

この事は店長しか知らない。


ガチャ‥


裏口の鍵を開けて玄関照明を確認した後に挨拶する。

「よう‥頼むぞ」


「あぁ‥」


裏口前には座椅子に座ってタバコをふかしているサングラスの男が一人。

こちらは健一と違い明らかにその筋と分かる見た目だ。


「開店だ‥」


健一はそう呟くといつもの倉庫に戻って行った。

草むらの夜が始まる‥

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