それでも朝はくる
昨日まであんなに暑かったのに今日はなんだか肌寒い。
小言のように常に漏れていた「あー、あっつ」も今日は「さむっ」と言葉が変わった。
昨日あんなことがあったから天気予報をチェックするのを忘れていた。
最近すぐに起きれていたのに、今日はタオルケットを離したくない。
「学校行きたくなーい」自分しかいない部屋に予想より大きな声が響いた瞬間、わたしは頭からタオルケットを被った。
やばい、今何時なの?この部屋にはめざまし時計はない。
昨日枕元に置いたはずのスマホは枕と一体化していた。
「まだ4時になってないじゃん。あー損した。」
授業中はいつも眠たくて仕方ない。
どんなに長い時間寝たとしても、先生の話を聞いていると子守唄かのように心地よく感じてしまうのはわたしだけなのだろうか。
ベッドに横になったままメールをチェックした。
昨日夜11:59、慎からきた最後のメール「ごめんな」はわたしのすべてが黒く塗りつぶされた。
「なんなんだよ、あいつ。マジで。」
メールの画面がまだ暗い部屋の中を少し明るくしている。
眠れたのか、それとも眠れなかったのかわからないままわたしを見ている大きなクマのぬいぐるみと見つめあっていた。
まだ学校に行くまで眠れる時間があるかもしれないと思っていてもなかなか眠れないのは、やっぱり慎が昨日あんなことを言ったから。
慎はわたしの心を壊す天才だ。
2024年10月16日
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