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18.黒崎仁の本音

あれから、私たちはセレクションルームのあるあの施設に戻った・・・。


結局、私は岡部さんを選んだ。


だからって、岡部さんとの子どもをすぐに作ろうというわけではない。


あくまで、暫定1位なだけ。


黒崎仁はいつにも増して暗い顔をしていた。


あいつが悪いのに、なんであいつが被害者みたいな顔をするのよ。


そう、あいつは影で私に対してひどいことを言っていた。


私は相変わらずセレクションルームで男性陣と話すけれど、黒崎仁だけは一度も呼ばなかった。


だって、あいつは私のこと、本気じゃないんだもの。


呼ばないのも当然。


そんな日々を過ごす中、とうとう今夜は、撮影した番組が放送される。


私は自室でそれを見ることにした。


なんだか自分がテレビに出るなんて不思議。


これを世界中の人が見てるのよね・・・。


番組は、島に到着したシーンから始まった。


私の胸とか触ってきたビーチフラッグから、クラゲに刺された件から、おもしろおかしく編集されていた。


結末を知っている私でも結構面白く見れる。


あの、「ナイスです!」ってうるさいディレクター、なかなかやるなあ。


なんて思っていると、とうとう告白シーン。


と思いきや、その前に黒崎仁が1人でテレビに映って話す。


「実はね、僕らが生活している場所のテレビ、この番組は映らないんです。

 だから、僕は男性陣にちょっと仕掛けます。

 題して、『実は僕、勝つ気ないんですって言ってみんなを油断させる作戦』を実施します!

 面白いでしょ?

 やる気がないふりをして、みんなを油断させる。

 ちょっとせこいけど、手段を選んじゃいられない。

 ここは男の戦場なんですよ。

 なんとしてもスミレを勝ち取らないと。」


え? ってことは、あれは男性陣を騙すためのウソだったってこと?


じゃあ、本心は私のことが好きで、私を狙っているってことでいいのね!?


私はいてもたってもいられなくなり、セレクションルームに向かい、黒崎仁を呼び出した。


「やあ、久しぶりだね。

 なかなか呼んでもらえなくて寂しかったぜ?」


黒崎仁はいつもの調子に戻っていた。


「あれ、どういうことよ!

 私のことどうでもいいって言ってたけど、ウソだったの!?」


私は問いただした。


「ああ、テレビ見たんだ?

 そうだよ。

 テレビを盛り上げるためのちょっとしたイベントとして仕掛けたんだけど、まさか君が盗み聞いているとは知らなくてね。

 おまけに君は勘違いしたまま岡部に告白しちゃうし、下手を打ってしまったよ。」


黒崎仁は続ける。


「ウソだと知っていたら、岡部じゃなく俺を選んでいただろ?」


ここで、はいそうです、なんて言ったらどうなるんだろう。


言っちゃおうかな?


別に両想いなんだし、足元見られることもないよね??


「ま、まあ、可能性としてはあり得たわね。」


私は少し濁して言ってみた。


「ほーら、やっぱり。

 俺のこと、多少は好きなんじゃん。

 恥ずかしがんなよ。

 正直に言ってみ?

 黒崎仁のことが好きですってさ。」


どうしよう・・・。


言っちゃっていいのよね?


だって、両想いなんだし。


そう、言って何が悪いのよ。


「私は、く、く、黒崎仁のことが・・・。

 す、す、好きです!!!!」


言ってしまった・・・。


ずっとひた隠していた思いを、ついに言ってしまったんだ、私は。


黒崎仁がニッと笑い、ポツリと言う。


「俺も、スミレのこと、好きだよ。」


かああ////


とうとう、私は黒崎仁と結ばれるのね。


私の視界はお花畑になった。


花びらがふりそそぐ。


ああ、なんて幸せなひとときなんでしょう。


私の頭の中はもう結婚式。


お相手はもちろん黒崎仁。


誓いの言葉を述べて誓いのキス。


それで、みんなのつくったアーチをくぐって、花びらが舞う・・・。


もうエドガーを呼んで、黒崎仁とのエッチに進んじゃおうかしら。


そうね、早いに越したことはない。


黒崎仁の気持ちが変わらないうちに、もうすぐにでもエドガーに「黒崎仁に決めました」って言わなきゃ。


そうして、私がエドガーを呼ぼうとしたその時、セレクションルームの扉が開いた。


ウィーン


「スミレどのーーーー!

 大変でございます!

 ツ、ツ、ツ、ツバサ殿が復活しましたーーーーー!!!」


え、ええええええええ!!!!!


毎日投稿します!


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